G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.1「仮面幻想殺人事件」 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『仮面幻想殺人事件』のレビュー行くぜ!
メーカー:ジー・モード
機種:Switch
ジャンル:推理アドベンチャー
発売日:2021/03/18
価格(税込):500円
ジーモードが自社以外のガラケー作品をSwitchで復刻するレーベル。
『G-MODEアーカイブス+』の第1弾だ。
ガラケー時代に好評を博した『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズの1作目。
『仮面幻想殺人事件』の移植となっているぞ。
2004年に当時の元気モバイルで配信されており、
シリーズが20作以上も続いた人気作で要望も非常に多かった。
ニンテンドーDSで『探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件』も発売されたが、
今回のとは別作品ね。
俺は今回がシリーズ初プレイだったが、
コンパクトにまとまった推理ADVとして今遊んでも面白い内容だったぜ。
癸生川先生ヤバいな!
主人公は名探偵の「癸生川凌介(キブカワ リョウスケ)」……ではなく、
その友人であるゲームシナリオライターの「生王正生(イクルミ マサオ)」。
ゲームのネタを探しに癸生川の事務所に出入りするうちに、
様々な事件に巻き込まれていくという構成になっている。
とあるゲーム会社のプログラマーの自殺について調べて欲しい。
そんな依頼から始まった調査だが、調べていく内に様々な謎が登場。
「オンラインRPGを遊んでいた人間が変死した」という別の事件も絡み始め、
物語は混迷を極めていく……。
調査は探偵事務所の助手である、
「白鷺洲 伊綱(サギシマ イヅナ)」さんと共に行っていく。
癸生川先生以外も難しい名前が多いゲームだな!
「話す」や「調べる」といったコマンドで画面内を調べたり、
他の場所に移動したりして手掛かりを探していくゲームだ。
ファミコンのADVに近いシステムで、フラグを立てるために歩き回ることになるぞ。
と言ってもそこまでややこしいフラグではなく、
普通に総当たりしていけば進めるバランスだ。
捜査を進めていくと次々に濃いキャラが登場するし、
思わぬ展開になったり、ゲーム開発に関する苦労話が飛び出したり、
「プレイした人間が死んだオンラインRPG」を、
実際に遊んで情報収集するシーンがあったりと、
遊んでいて飽きさせないハイテンポな展開が特徴だ。
仮面ライダーファンが見ると「絶対この会社が黒幕じゃん!」って思っちゃう名前。
右のテレビの分厚さに時代を感じるぜ……。
一緒に調査する伊綱さんは細かい反応が面白いし、
テキストで読ませるゲームなので、あちこち調べたり会話したりするのが楽しい。
当時のガラケーの範囲内で工夫を感じる演出も上手いね。
結構ビックリする場面もあった。
たまにしか出てこない探偵・癸生川先生のキャラ造形もお見事。
「めちゃくちゃ有能だけど関わりたくない人」っぷりが、
強烈に表現されていて魅力的だった。マジで関わりたくない!
矢継ぎ早に動いていく事件でプレイヤーをひっぱり、
怒涛の伏線回収で鮮やかに終わらせる濃密な1本だった。
ただ、最後は怒涛の展開……というよりさすがに強引に感じてしまったかなぁ。
ここは演出が地味なせいもあったかも。
クリアまでは2時間ほど。
短いけどしっかりまとまった推理ADVで満足出来たし、
メインキャラたちの会話をもっと読みたいと思わされた。
これはシリーズ化されるだけのことはあるなと唸ったね。
続編である『海楼館殺人事件』もSwitchに来るので次も楽しみ!