G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.5「昏い匣の上」 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
癸生川5のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:ジー・モード
機種:Switch
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2021/07/29
価格(税込):500円
ガラケーの名作を広く復刻する『G-MODEアーカイブス+』の1本。
2005年に元気モバイルから配信されていたタイトルで、
ガラケー時代に好評を博した推理アドベンチャー、
『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズの5作目となるぞ。
主人公はゲームライターの生王正生。
ゲームのネタを仕入れるために、
友人である探偵・癸生川凌介の事務所に入り浸っており、
毎度のようにそこの探偵助手にこき使われる。
様々な事件に巻き込まれていくが、ゲームのネタになるから結果オーライ!
……というのがお約束のシリーズになっているが、
今回は生王の知り合いであるオカルト系のフリーライター
「弥勒院蓮児(ミロクインレンジ)」が主人公。番外編的な構成になっているぞ。
ちょっとツッコミ所はあるものの、
ホラーミステリーとしてきっちりまとまっていて面白かったぜ。
物語は生王が待ち合わせをしているシーンから始まり、
ちょっとした事件に巻き込まれた後に弥勒院の視点へと移行する。
このちょっとした事件の段階で結構不気味だし、
本題への導入として上手い作りになってる。
その後、都市伝説である「赤いエレベーター」の噂を取材するために、
とあるお化けマンションにやってきた弥勒院。
巨大なマンションにも関わらず、様々なゴタゴタがあって空き部屋だらけ。
『深夜、お化けマンションの1階でエレベーターを呼ぶと、立ち入り禁止であるはずの屋上から、ゆっくり、ゆっくりと「はこ」が降りてくる。1階に辿り着いたエレベーターが口を開けると、その内装は一面真っ赤に染まっていて…』
この噂を調べていく内に辿り着く「8年前の事件」。
そして巻き起こる新たな事件の真相は……?というストーリーだ。
今回もゲームとしてはオーソドックスな総当たり式のコマンド選択型ADV。
難しい選択肢も無いサクサク進行だ。
ほぼマンションのみが舞台で進む閉塞感と、
調査で徐々に浮かび上がってくる様々な過去、
ついに発生してしまう事件の演出と、組み立てが上手い。
そこにゲーム開始時に表示される、
本当に恐ろしいのは人間だという語りが刺さる。
オカルト系フリーライターである弥勒院は倫理観がアレで、
勝手に死体の調査を行ったりするし、
妙にハードボイルドっぽい言い回しを使いたがる。
これまでのシリーズ遊んでると、この男の視点で進むのが新鮮で面白かった。
助手である彩子さんも可愛いしめっちゃ有能。
弥勒院が給料上げようか、なんて言ってたけどマジで上げてやってくれ!
今回も2時間ドラマ感覚で遊べるボリューム。
いや、いつもよりちょっと短かったかな?
「さすがに弥勒院ちょっとは怪しめよ!」
ってシーンが結構あるのは突っ込みたくはなったが、
こうでなくちゃ!という展開をオチまで含めてきっちりやってくれて、
シリーズとしてのお約束もしっかり押さえている。満足だ!