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そういうことか!の声が思わず漏れた『G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.6「対交錯事件」 』レビュー!【Switch】

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G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.6「対交錯事件」 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

『G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.6「対交錯事件」 』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:ジー・モード

機種:Switch

ジャンル:アドベンチャー

発売日:2021/8/11

価格(税込):500円


 

ガラケーの作品を広く復刻する『G-MODEアーカイブス+』の1本。

2007年に元気モバイルから配信されていたタイトルで、

ガラケー時代に好評を博した推理アドベンチャー、

『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズの6作目となるぞ。

 

癸生川探偵事務所で助手を務める白鷺洲伊綱(さぎしまいづな)と、

ネタ探しにそこに入り浸るシナリオライターの生王正生(いくるみまさお)。

今回はこの2人の視点で2つの事件を追っていくという構成だ。

 

癸生川シリーズは現時点でvol.1~7まで遊んだんだんだけど、

1本選ぶならこれしかない完成度だった!

システムとシステムがしっかりと噛み合っていて鮮やかなオチ。

短編ながら「推理ADV」として見事な内容だったぜ。

 

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システムはこれまでと同じく昔ながらのコマンド式。あちこち調べてフラグ立て。

今回は視点を切り替えるマルチサイトシステムが導入されている。

一方で事件が進まなくなったら視点を切り替えることで、

新しい手掛かりが見つかることがあるのだ。

 

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また、ゲーム中にはガラケーの配置を使った謎解きがあるため、

今回の移植ではゲーム内マニュアルにこの画像を収録して解決しているぞ。

ガラケーのADVとして良いギミック。

 

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伊綱さんが追うのは連続殺人事件で、

警察が集めた証拠を元に、じっくりと被害者同士の共通点と容疑者を探る。

生王が追うのは有能な女性秘書の失踪事件で、

こちらは情報が少ないため、足で証拠を集めていく。

 

それぞれ捜査の方向性を変えてあるのが面白いし、

視点を切り替えて調査を進めるうちに、2つの事件の関連が浮かび上がってくる

情報はポンポン出てきて大忙しだし、謎解きもかなり本格的。

どうなってるんだ!とこちらをグイグイ引き込んでくる。

 

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伊綱さんの視点で進むのも珍しいから新鮮だね。

5作目の『白鷺に紅の羽』はそうだったがあちらはほぼ過去の話。

今回は事務所の細かい様子も語られるし、

いつもしょうもない事ばかり言ってる音成刑事が

今回は伊綱さんの相棒としてしっかり働いてるところも見所だ。

まあ、それはそれとしてしょうもないことも言うんだが!

 

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イントロダクションで挟まる生王の尾行パートも面白かった。

油断して読み進めていると選択肢が多くて慌てさせられる内容。

最後に伊綱さんから探偵の苦労を知って、

ゲームに反映させてもらうためにやったと言われる。

 

この癸生川シリーズは「生王が実在の事件を元に推理ゲーム化したもの」

という設定になっている。

つまり我々プレイヤーはその「探偵の苦労をちゃんとゲームに反映しろ」

という声を受けて実装された尾行パートを遊んでいるというわけだ。

この幾重にもメタな構図好き。

 

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伊綱さん、さすがに生王に厳しくない?って思うけど、

ゲーム化のせいで事務所に変なメール来たりしてるし

良いリアクションするからな……。

 

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今回も2時間ドラマ感覚で楽しめるボリューム。

ちょっとずるい個所はあったもの、

二つの視点で事件を立体的に描き、心地良くこちらを振り回し、

「そういうことか!」というオチに着地する構成に拍手。

ガラケーという制約下でマルチサイトシステムを見事に生かした力作だったぜ。

 

1作目から順番にやってると、

作風を広げつつADVとして進化してるのが実感できる良いシリーズだなぁ癸生川。