DRAINUS -ドレイナス- ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『DRAINUS(ドレイナス)』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:WSS playground, PLAYISM
機種:Switch/PC
ジャンル:シューティング
発売日:2022/5/22(PC)2023/2/2(Switch)
価格(税込):1480~1980円
完全新作の横スクロール2Dシューティング。
開発したのは『Touhou Luna Nights』や、
『ロードス島戦記ーディードリット・イン・ワンダーラビリンスー』を
手掛けたTeam Ladybugだ。
立て続けにメトロイドヴァニアを開発していたので、
息抜きにシューティングを作りたい……というのが開発のきっかけで、
そこから規模がどんどん大きくなって現在の形になったとか。
短すぎるだろ……!?
INDIE Live Expo 2022で初公開されて即配信された作品だが、
前触れ無しに突然出していいレベルじゃねぇぞ!このハイクオリティ!
新型戦闘機に奇襲されて
「バカな!レーダーに反応は無かったぞ!」と叫ぶ悪役の気持ちになれた。
あまりの凄さにシューティング系の個人開発者界隈も
「ありえない、何かの間違いではないのか?」とざわつく。
数々の名作シューティングの演出やシステムを現代風にまとめ上げ、
初心者でも遊びやすい調整にしてある見事な1本だ!
内容は全6ステージ+αで構成された王道の2D横シューティング。
ストーリーは奴隷の娘であるイリーナが、
50年後の未来から来たカエル型ヒューマノイドと共に、
悪の大帝国に立ち向かうというもの。
そして敵の司令官であるレイラはイリーナの姉。
敵味方に分かれた姉妹の運命はいかに……!?
チュートリアルの段階で一捻りした展開を見せてくれて、
これは面白いゲームだぞという期待が高まる。
そしてその予想が裏切られることは無い。
本作最大の特徴は敵の弾を吸収できるリフレクターシステム。
ボタンを押してリフレクターを展開している間は、
光エネルギーの攻撃を吸収可能。
ボタンを離すと強力なホーミングレーザーとなって敵を貫く!
使った後は左下のガードゲージが回復するまでは使用出来ないが、
時間経過ですぐにMAXまで回復する。遠慮なくバンバン使える調整だ。
ボスの必殺レーザー攻撃や、戦艦の砲台から放たれる巨大レーザーもへっちゃら。
敵の弾を吸収や反射出来るシューティングだと
『斑鳩』『爆裂無敵バンガイオー』『ギガウイング』など色々あるが、
本作の吸収システムはどれよりもカジュアル。
赤く表示される実弾は吸収出来ないという縛りはあるものの、
敵の攻撃は大半がレーザーだし、
リフレクターはゲージが最大なら数秒間出しっぱなしに出来るから強い!
更に、吸収で右下のS-BOMBゲージを溜めれば、スーパーボムも発動可能だ。
強力なレーザーや炸裂弾など色々ある。
これもあるので敵の攻撃を正面から受けて、
正面から跳ね返して、正面からボムでぶっ壊す展開が切れ目なく続く。
敵の攻撃が激しいほど有利になるゲームなので、
物凄いビーム砲が出てきても嬉しさしかない。
「注文していたビールが来た」くらいの気持ちで受け止められる。
おかわりだ!おかわりを持ってこい!
加えて、普通に敵の攻撃を受けてもパワーアップが1段階落ちるだけで済む。
初期状態での被弾で初めて撃墜となるため、
既存のシューティングと比較して格段に「死ににくい」仕様にしてある。
初心者でも遊びやすいという説明にウソは無いぞ!
敵を倒して貯めたエネルギータンクを消費して、自機を拡張できる機能もある。
新しいパワーアップを入手して、自由な組み合わせで装着可能。
3wayショットに5wayショット、ワイドショットに直線レーザー。
バックショット、追加攻撃を行うビットに、攻撃を防ぐシールドなどなど。
好みで選べるし、シールドのオートガードはかなり強力なので、
これを付けると更に難易度が下がる。
ポーズ画面からいつでも変更できるので、
複雑な地形が来たら反射レーザー、ボス戦だったら正面へのミサイルとか、
その場で臨機応変に対応可能だ。
ボスとスーパーボムによっては瞬殺出来る組み合わせもあるので、
状況に応じて色々試すのが面白い作り。
自分をカスタマイズ出来るシューティングは結構あるけど、
変更タイミングがここまで緩いのは結構珍しいね。
大体ステージクリアした時とか、ショップで買い物した時とか、
そういうタイミングになるから。
オートセーブに加えて自由なステージセレクト機能もあるので、
同じステージを何度もやり直してエネルギータンクを稼ぐことも出来る。
至れり尽くせり。
1ステージに1個存在するレコーダーを探す要素もあり、
これも見落としてもステージセレクトで回収可能だ。
ポーズメニューから見る事が出来て、
ストーリーの掘り下げになる会話が収録されている。
とにかく「爽快!」の一言に尽きるシューティング。
吸収システムを活かして攻めまくれるし、
ステージ構成やボスも趣向を凝らしてあるのでダレる瞬間が無い。
効果音や敵の破壊描写など、撃ち込む手応えもバッチリで気持ち良い。
動くボスの足を避けながら漏れ出るエネルギーを吸収して反撃!とか、
地形と吸収システム両方を活かした構成を、ふんだんに盛り込んである。
パーツをバキバキ壊していくボスが多いのもたまらない。
歴代シューティングのオマージュっぽいシーンも多く、
かなり直球なボス戦もあるぞ。
ここ、シナリオ上の意味も含めて完全に「やりたかっただけ」で笑う。
演出も素晴らしい。
最初の発進シーンの段階でもうテンションぶちあがるんだが、
自機の可変描写やエフェクト、
ガシャンガシャと動く巨大ボスの変形表現や爆発表現の数々も非常に丁寧。
男の子心をくすぐるカッコいい映像が途切れない!
この爆発シーンの逆光表現とかたまんねぇぜ……!
ストーリーの構成もうまい。最小限のキャラと会話イベントで、
どれだけSFシューティングの盛り上がる展開を詰め込めるか。
それを引き算で考え抜いた作りで「これこれ!こういうのだよ!」の連発だ。
ここぞというシーンの画作りもすごかったなぁ。
難易度はかなり低めで、
シューティング経験者向けと表記された難易度ノーマルでも大分優しい。
物足りなければ難易度ハードや理不尽モードがあるし、
スコアアタック用のアーケードモードも搭載だ。
きっちりやり込めるようになっているぞ。
難易度ノーマルで完全クリアまでは2時間ちょっと。
実績コンプしても4時間掛からないかな。
高難易度のやり込みをするならば果てしない旅が始まる。
ただただ完成度の高さに「すげぇ……」というコメントしか出てこなかった。
火力を受け止めて超火力で殴り返し、
レーザー光と爆風と破片がプレイヤーの脳を突き抜ける爽快シューティング。
ステージ構成やシステム、演出などで過去の名作を踏襲しつつ、
「シューティングゲームの当たり前」を見直して、
きっちりと独自性を持ってまとめ上げられている。
直球のパロネタやギャグノリがちょっと浮いてる3面ボス辺りは、
なるほど息抜きで始まった企画だな?って感じがしたけど、
トータルでは完全新作として申し分ない作り。
本当に初心者から経験者まで楽しめる作品……!
2022年のシューティングは既に話題作揃いだったが、
ここにきてまた凄いのが来たぜ。イチオシです!