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芳醇な「G」の歴史の中で!ガンオタ臭い会話と果てしないレア掘りを楽しめ!『SDガンダム バトルアライアンス』レビュー!【PS4/PS5/Switch/Xbox/PC】

 

 

【公式】SDガンダム バトルアライアンス(バトアラ)|バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

 

『SDガンダム バトルアライアンス』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:バンダイナムコエンターテイメント

機種:PS4/PS5/Switch/Xbox/PC

ジャンル:アクションRPG

発売日:2021/8/25 

価格(税込):7980円


 

様々なモビルスーツを使って、

歪められたガンダムの歴史を修正していくアクションRPGだ。

歴史改変が題材のキャラゲーは過去にも『ドラゴンボールゼノバース』や

『仮面ライダーバトライドウォー』など色々あったが、

ついにガンダムにも歴史改変ビームの順番が回ってきた!

 

開発はPSPで人気が高かった

『ガンダムバトルシリーズ』などを手掛けたアートディンク

シナリオは『無限のフロンティア』などの森住惣一郎氏が担当しているぞ。

 

家庭用では割と久々なSDガンダムのゲームということで期待して購入。

クロスオーバー会話が楽しいシナリオやアクション、

グラフィックはとても良かったんだが、

オンや稼ぎプレイ前提に感じる箇所も多く、

気軽に遊ぼうとする結構苦労するバランスだったね。

 

 

ストーリーは連邦軍の特務部隊「ギャザーロード隊」の小隊長であるプレイヤーと

その幼馴染であるプログラマーのユノの2人が人格をデータ化されて、

「Gユニバース」というシステムに取り込まれるところから始まる。

そこは様々なガンダム世界の情報を収集し、

とある目的のためにシミュレーションを繰り返す場所だった。

システムに発生したブレイク現象を修正するために、

プレイヤーとユノ、そして相棒のハロは、システムのAIであるサクラと共に、

歴代ガンダムのデータ世界で戦うことになる……という内容だ。

 

歴代ガンダムのクロスオーバー作品だから、

主人公もオリジナル時空のキャラかなと思ったら、

最初の『機動戦士ガンダム』の一年戦争時代からやってきた設定で驚き。

今後のガンダムシリーズでどういう立ち位置になるのか気になる。

 

 

ユノたちは一年戦争のオデッサ戦くらいの時系列から来たのに、

戦争終結から更にラプラスの箱を巡る戦いまで見せられるのあまりに気の毒。

暗すぎる未来のネタバレをまとめて喰らう!

まあ帰る時に記憶は消すと言ってくれるのでよかったね。

よくねぇよ!

 

 

ごちゃごちゃになったガンダムのデータ世界を巡っていく展開で、

最初のミッションは『機動戦士ガンダム』のオデッサ戦。

本来はランバ・ラルのグフが出てくるところで

『鉄血のオルフェンズ』のバルバトスが出てきてめちゃくちゃになるので、

なんとか撃退して歴史を修復する。これを繰り返して進んでいく。

 

データ世界が舞台なので主人公たちの所属はステージによって変化。

ホワイトベース隊になったり鉄華団になったりする。

ちゃんとブライトさんやオルガがこちらに呼びかけてくるセリフがあるし、

一年戦争のステージに乱入したカミーユがホワイトベース見て驚いたりと、

クロスオーバー作品らしい雰囲気は押さえてある。

ライブラリ音声で強引に繋げているシーンも結構あるが、

新録している原作キャラのボイス量はかなりのものだね。

 

 

アムロとシャアの音声もしっかり新録してて、

ガンダムのクロスオーバー作品としてはそれだけで勝ち!

ガンダムの歴史を語る上でこの2人は外せないからな!

 

 

騎士ガンダムに「騎士アムロ!」「法術師ニュー!」と呼びかけられて、

「僕が騎士だって?」「砲術師……?」って困惑するアムロが最高だったし、

『機動戦士ガンダム00』のステージでは当然あのキャラとのやり取りもあるぞ!

 

 

歴史を飛びまくるのでユノがシャアの階級を間違えて本人から怒られるとか、

細かいやり取りがいちいち面白い。

一年戦争時代のシャアを見たカミーユが「何被ってんですか!」

ってブチキレる掛け合いも好き。

 

 

一番新しいTVシリーズということもあってか

『鉄血のオルフェンズ』が出番多くて存在感あるかな。

まずこの3人の立ち絵が出てくるだけで威圧感ある。

そしてボスで出てくるハシュマルの暴れっぷりがやべぇ!

ハシュマルこんなに推すゲームないと思う!

 

 

ステージ中の会話に関しては

本作オリジナルキャラであるユノとサクラのやりとりが中心。

サクラはシステムのAIでガンダムの歴史を全部知っているので解説役。

それを聞いたユノが驚いたり悲しんだりする……という流れなんだが、

名セリフや小ネタを細かく拾って喋りまくるから、

やり過ぎてガンダムラジオみたいになってる!

 

12機のリックドムを倒すところではしゃいだり、

挙句の果てには武者ガンダムで「すいか割り」の話題を振ってくる!

やっぱりただのガンダムラジオだろこれ!

 

 

『冒険王版 機動戦士ガンダム』のセリフ引用や、

『Gの影忍』の存在を匂わせるセリフがあったりとやりたい放題過ぎる……。

 


メタ入った悪ノリが強めなので好き嫌いは分かれそうだが、

ずっと小ネタ盛り沢山で喋りっぱなしだから遊んでて飽きなかった。

歴代ガンダムシリーズの似た構図や近い事件を丁寧に繋ぎ合わせて

クロスオーバーとして見せ場を作る。

その戦いに思いを馳せるユノの姿を、

更に終盤からエンディングまでの盛り上げに繋げていく。

このシナリオ構成が実にうまかった。

 

 

ライバルキャラとして登場するウルトラセブンみたいなメガネの

ハーメス・マーキュリーも、このゲームのノリに合った言動がいい味出してた。

明言されなかったけど、こいつ多分Gジェネ時空から来たんだろうな……。

 

 

会話シーンは結構分量があるんだが、

原作や設定の説明パートはまとめてライブラリにぶち込まれる。

読みたい人だけ後で読んでくれ!って作り。

テンポは良くなってるけどかなり思い切ってるなぁ。

後半はちょっと会話が飛ぶ感じになるのは少し気になったが、

解説も内容が濃くて読んでて面白いぞ。

 

 

ゲーム部分は3機のモビルスーツでチームを組み、

ミッションを一つずつクリアしていく構成だ。

1人プレイの場合はCPUが操作する僚機2体を、

手持ちのモビルスーツから選んで出撃する。

 

CPUは原作パイロットが操縦する扱いなんだけど、

武者・騎士・コマンドガンダムは自分が操作すると瞳なし。

CPUだと瞳ありになるのが細かい~!

俺は本当の意味で騎士ガンダムになることは出来ないってわけだ……!

 

 

僚機の組み合わせによっては出撃時に特殊な掛け合いが発生することがあり、

種類はかなりの量がある。

「アムロとシャア」「シャアとフル・フロンタル」みたいな分かりやすいものから、

「武者ガンダムとアムロ」「ドモンとカミーユ」

「騎士ガンダムとジュリス」など、意外な組み合わせも多いので捜したくなる。

 

 

バトルで稼いだお金で好きな機体のステータスを上げたり、

敵がドロップした強化パーツを付け替えたりして強化を行っていく。

強化パーツは性能がランダムだし、

難易度が高いステージほど良いものが落ちやすくなる。

レアパーツ狙うと果てしないぜ!

 

 

特定のミッションで設計図を集めれば新しいモビルスーツが手に入る。

どこでどの設計図が手に入るか、自分が今どのくらい集めているかは、

ミッション前に確認できるので迷うことは無し。

 

ミッションは原作崩壊してる「ブレイク・ミッション」と

基本的には原作通りに進む「トゥルー・ミッション」の2種類。

この2つをクリアすることで歴史修正完了!となる。

 

 

戦闘は近接攻撃、射撃攻撃、2種類のサブウェポンを使って敵をなぎ倒していく。

攻撃で溜まるスキルゲージを消費することで、

チェインブレイカーとロールアクションを発動可能。

 

チェインブレイカーは敵を吹っ飛ばす技で、

攻撃中に使うとブーストゲージとガードゲージが回復するのでガンガン攻められる。

逆に敵のコンボ攻撃を喰らってる時ならば脱出に使える。

ロールアクションは一定時間自機を強化する技で、

機体の属性によって効果は異なるが強力だ。

 

 

そして時間経過で使えるようになるスペシャルアタックでは、

各モビルスーツ毎に用意された大技をぶっ放す!

ウイングガンダムゼロだったら例のグルグルビームだ!

 

操作は軽快だし、沢山いるモビルスーツには

原作の細かいアクションをしっかり落とし込んであるぞ。

キャラゲーとして動かしていて楽しい作り。

僚機とのコンビネーションで大暴れ出来る。

 

 

しかし1人プレイだとバランスがかなりきつい……!

ボスで登場するモビルアーマーの攻撃力が尋常ではない上に、

広範囲攻撃をバンバン連発してくる。

特にハシュマルが強くてボコボコにされるので気分は厄災戦だ!

ガード出来ない掴み技を繰り出してくるボスも多い。

 

回復アイテムを持ち込めるが、

使用に時間がかかるので回復してる間に殴られたらダウンだ!

「ボスがどのキャラを狙っているか」が表示されるし、

ダウンしたプレイヤーは味方が回復して復活させられるシステム。

 

なので、恐らくオンラインで役割分担することを前提にしてると思うんだが、

1人プレイだとCPUに出来る指示はゲージが溜まってる時に

「スペシャルアタックを使え」だけなのでグダグダになりがち。

 

 

ミッションに「推奨レベル」という概念があり、

機体レベルがこれを下回っているとマイナス補正が掛かる。

その割に稼ぎが渋いため、

中途半端に色々な機体を強化しながら進むと推奨レベルに届かなくて苦戦する。

せっかく色んなモビルスーツを使えるのに、

一機だけに全部のお金を注ぐプレイをするしかない。

設計図集めてモビルスーツ完成させても全部レベル1だからね。

 

難易度イージーとノーマルが選べるものの、

イージーが全然イージーじゃないぞ!

イージーでやっとノーマルって難易度な上に苦戦する箇所は苦戦する。

 

 

また「スペシャルアタックで敵にトドメを刺すとお金が大量に出る

という仕様かつ、

「スペシャルアタックが攻撃ではなく

一定時間パワーアップになるモビルスーツが存在しており、

そのパワーアップ中にザコを倒すと金が出まくる」という仕様。

これに該当するアレックスとガンダムF91を使うか使わないかで、

稼ぎの効率が全然違う。

質量を持った残像を使うと、実在の現金が山ほど手に入る!

クリア後の高難易度ステージでも、

稼ぎプレイだとF91一択になっちゃうんだよな……。

 

モビルスーツも格差が激しい。

モビルスーツには「オールラウンダー」「シューター」

「インファイター」という属性があるんだが、

ロールアクションが弾のリロードになっている「シューター」を使って、

引き撃ちしまくるのが圧倒的に安定感ある。

 

 

その他、ボスの残り体力で会話が細かく進行するけど、

喋ってる時に体力が減ると会話がスキップされて次のやりとりに進む上に、

CPUがガンガン攻撃するから会話をちゃんと聞きづらいとか、

終盤のスイッチ探しステージがだるいとか、

攻撃時のエフェクトが激し過ぎて画面が見辛いとか気になる点は色々あった。

 

 

ストーリークリアまで20時間くらい。

グラフィック良し!モビルスーツ毎のアクションのこだわり良し!

クロスオーバー良し!シナリオはクセが強いがそこが良し!

 

しかし「色々なモビルスーツを使って手軽に楽しく遊ぶゲーム」

と思って買うと火傷する。もうちょっとバランスゆるければなぁ。

ボスの攻撃をジャストガードで弾けるようになってたり、

僚機の相性でダメージ軽減を試行錯誤してみたりと、

やりようはある作りにはなってるんだけどね。

 

身内で協力してオンラインで進めたり、クリアまでをチュートリアルと捉えて

その後のレアパーツ掘りや高難易度モードに燃える人ならハマれると思う。

ノーマル全ステージクリアでハードが解禁され、

更にハード全ステージクリアでEXミッションが解禁とやり込み要素は多い。

 

高難易度ステージだとヤバい性能のパーツが手に入って脳汁が溢れるし、

稼ぎも跳ね上がるから他のモビルスーツを育てる余裕も出てくる。

よく噛むとガンダムの旨味が染み出してくるゲームなんだけど、

そこまでが長いんだよなぁ……!

ガンダムゲーとして気合入ってるだけに色々惜しかった。

 

 

今後もアップデートやDLCが予定されているので、

俺はゆっくり遊んでいくことにするぜ。

 

 

最後に、デフォルトのBGMで武者・コマンド・騎士用に、

『SD戦国伝 国盗り物語』『G-ARMSオペレーションガンダム』

『騎士ガンダム物語大いなる遺産』の新規アレンジ曲が収録されてて、

全部子供の頃にプレイした俺が嬉しくて気絶しそうになったことと

 

 

DLCの『プレミアムサウンド&データパック』入れたら

Zガンダムのステージで

「知らないめっちゃカッコいいボーカル曲だ!何これ!?」と驚かされて、

調べたら2018年に『CRフィーバー機動戦士Zガンダム』用に書き下ろされた

森口博子の最高の新曲だったことを書いてこの記事は終わります。