地球防衛軍6 - EARTH DEFENSE FORCE 6
『地球防衛軍6』のレビュー行くぜ!
まだノーマルで一周して色んな兵科でハードやってるって段階だが、
一区切りということで。プレイはPS5版で行ったぞ。
なおこのレビューはゲーム序盤のネタバレを含む!
パブリッシャー:D3パブリッシャー
機種:PS4/PS5/PC
ジャンル:3Dアクションシューティング
発売日:2022/8/25(PS4/PS5)2024/7/25(PC)
価格(税込):8980円
開発サンドロット、販売ディースリー・パブリッシャーで送る
『地球防衛軍』シリーズの最新作だ。
地球を守るEDF(EARTH DEFENSE FORCE)の一員となり、
侵略宇宙人と戦うアクションシューティング!
仲間と共に山盛り特盛りの巨大昆虫やUFO、
巨大宇宙人、戦闘メカを撃って撃って撃ちまくる!
山ほど出てくるデカい敵を撃ちまくる単純明快さと、
数百種類の装備と4種類の兵科、
オンラインでの協力プレイで無限に膨れ上がる戦略の幅広さ。
この間口の広さと奥の深さが魅力のシリーズだ。
元々は栄光のSIMPLEシリーズの1本として始まったが、
好評につきフルプライスでシリーズ化されて現在に至る。
もう15年前の話か……。
なんだかんだで毎回パワーアップしてて
毎回「最高傑作では?」ってなってるシリーズなんだが、
今回はマジで凄まじかった。
絶望も希望も戦いの規模も敵の強さも敵の数も味方の強さも主人公の強さも
ボリュームも戦略性もシナリオの完成度も熱さも何もかもがシリーズ最高。
「もうこれでナンバリングのシリーズは最後なのでは?」
ってくらいやり切ってて圧倒された。
『地球防衛軍』というシリーズは
ここに辿り着くまでの長い旅だったとすら思わせられる集大成。
特にシナリオの作り込みと演出が圧巻。
このシリーズは2本毎に世界観がリセットされており、
つまり「1と2」「3と4」「5と6」が繋がっている。
繋がっていると言っても話自体は単純。
毎回セリフ回しやシチュエーションの方で燃えさせる作りだったので、
いきなり途中からやっても別に問題は無かった……これまではッ!
今回の6は5の戦いで荒廃した地球が舞台となっている。
5の最終決戦でなんとか勝ったものの、人類は1割に減って守るべき地球はボロボロ。
EDFは壊滅状態で、地球の防衛以前に文明が維持できていない。
「SIMPLE2000 THE歩兵の世界から来たんですか?」
と言いたくなる鬼軍曹(階級は大尉だけど)がイキってて、
細々と崩壊した街でパトロールを続ける毎日から始まる。
発表された段階で
「もう絶望とか通り越してるけど、ここからゲーム1本分も何やるの?」
と凄く気になっていたんだが……どうするか!
答えは「地球防衛軍5の時系列に戻って歴史改変に挑む」だ!
そ、そう来たか~~~~~~~~!
色々あって時間が巻き戻ってそこで新しい戦いが始まるのが今回の6!
もう会えないと思った懐かしい仲間たちが、
そして見たことが無い新たな敵たちが待ち受ける!
なるほどこれは燃えるやつだな……と進めていくと、
更にそこから発展する展開や演出で度肝抜かれるぞ。
まず時間が巻き戻るのめっちゃ序盤だからね。
時間を戻して最高の未来を目指すというのは
古今東西あらゆる媒体で使われてきたネタではあるんだが、
それをこのスケールで、この匙加減で、この規模で
「プレイヤーが操作するアクションゲーム」
に落とし込んだのは前代未聞のレベル。少なくとも俺は見たことが無い。
開発のサンドロットはデビュー作である
2001年の『ギガンティックドライブ』から、
(厳密にはその前にスタッフが手掛けたリモートコントロールダンディもあるが)
キレッキレのセリフ回しが詰まった通信をゲーム中に流すという、
最小限の演出でシチュエーションと
プレイヤーの気持ちを最大限に盛り上げるのが非常に上手かったんだが、
今回のシナリオはその集大成と言っていい。
新キャラであるプロフェッサーの描写もあまりに見事!
『地球防衛軍』シリーズで
ここまでシナリオに力を入れてきたことにまず感動するし、
この手の設定だと気になる
「あんだけ頑張った5の戦いは無かったことになるのか~」
というプレイヤー感情にもしっかり応えてくる作りなのがまた上手い。
となると「シリーズ未プレイですが5からやった方がいいですか?」
という質問が飛んで来そうだが安心してくれ。
6からでも「過去を変える話なんだな」ということで十分楽しめるぞ。
それに『地球防衛軍』シリーズは傑作ではあるが基本的にやることは一緒だし、
予習で遊ぶには5の時点でかなり大ボリューム。
「時間が戻ってる」ということで
5のミッションやマップがアレンジされたものも沢山出てくるから、
シリーズ未見の人間が5と6を続けて遊んだら途中で飽きる可能性が高そうだ。
いきなり6からでも良いと思うね。
などと言いたくなるが、
シリーズを1作目から遊んでいる人間としての本音は「5からやれ!」です!
5を遊んだからこそ味わえる燃え展開が大小合わせてとても多い。
6からでも十分楽しめるけど5からやれが絶対SIMPLE主義としての結論だ!
ゲームの基本はいつも通り『地球防衛軍』。
最初にも書いたが地平線を埋め尽くす巨大な敵群を爆破する爽快さに、
大量の武器からどれを使うか、どの敵から倒すか、
どのルートで攻めるかを問われるステージ構成。
ランダム入手だが難易度上がるほど良いものが出やすくなる武器のハクスラ要素。
びっくりするくらい多いステージ数と果てしない高難易度。
この組み合わせで無限に時間が溶けるシンプルかつ奥深い傑作ゲームだ。
新作出る度に「そうそうこれこれ!」ってなりながら遊び続けてしまう。
その上で、これまでのお約束を崩すシナリオが新たな没入感を産んでいるぜ。
歴史あるシリーズだが、代わりになるゲームが未だに出てこない。
単にデカい敵や沢山の敵が出るアクションなら色々あるが、
爽快さと戦略性と単純さを兼ね備えたゲームとなるとなかなか無い。
なんだったら同じ『地球防衛軍』シリーズでも、
開発が違う外伝だとなんか違う感じになりがちだからな……。
開発ユークスの『デジボク地球防衛軍』は良かったので今後も続けて欲しい。
前作にも言えるが、
これだけド迫力に敵と味方と爆発と肉片と破片と弾丸が入り乱れるゲームなのに、
もう普通に遊ぶ分にはほとんど処理落ちしないのはすげぇ。
効果音とエフェクトの気持ち良さに、BGMのアツさも国宝級だ!
今回、新しい敵とそのバリエーションが非常に多く、
プレイヤーが慣れてきた辺りで新しい敵登場!
を繰り返してシナリオも動くのでかなり緊張感ある。
巨大アンドロイドにその爆弾モデルに新型ドローン。
邪神の名を冠したタコの宇宙人に、クトゥルフめいた魚人などなど……。
バラエティ豊かで遊んでいてワクワクするし、
登場する度に味方が最高のリアクションと
フラグ立てセリフを吐いて戦場を盛り上げてくれるぞ!
強敵揃いだが戦っていると徐々に立ち回りを掴めて来るのが楽しい。
最初は「バリア反則だろ!なんて恐ろしいんだ邪神クルール!」とか焦るけど
慣れると「邪神ちゃんこんにちは!(爆破)」が出来るようになる。
ユーザーから「ハマグリ」とか「アサリ」とか呼ばれてるアイツは
ちょっと勘弁して欲しかったが……!NPCへの殺意があまりにもガチアサリ。
今回はNPCが過去作に比べて強いのも楽しいところ。
色々なコンバットフレームも出てくるから共闘が更に盛り上がるぜ。
そして今回も4種類の兵科が登場。
使いやすさバツグンの歩兵であるレンジャー!
守りは弱いが自由に飛行できるアドバンテージがデカいウイングダイバー!
砲撃や空爆、乗り物の要請で支援能力ピカイチのエアレイダー!
上級者向けだが熟練すると異常な動きが出来る重装機動兵フェンサー!
と、お馴染みの顔触れだが、全体的にアッパー調整で強くなっている。
特に5でちょっと弱かったレンジャーは大幅強化だ。
「バックパックツール」という3つ目の装備が追加され、
メイン武器とは別枠扱いで使用可能。
ロケットランチャーをリロードしながら手榴弾を投げて敵をけん制するという、
変態技術も披露できるぞ!
リロード時の隙をカバーできるようになったのが大きいし、
エアレイダーの武装だったが自動照準の砲台であるセントリーガンが、
今回はレンジャーのこの枠になっている。安定性が抜群に良くなってるね。
これまで支援要請が要だったエアレイダーは崩壊した世界でどうするの?
と思っていたが5の時系列では普通に武器が使えるので問題なかった。
支援が使えないステージが多かったりはするが、
こちらも「バックパックツール」が増設されており、
デコイや追尾型のカプセルなどで戦略の幅が広がっている。
武装で新たに追加されたドローンは、
マークした敵を自動で狙撃や爆破してくれる。
ドローンというかファンネルだろ!
という機動力と火力があるので手数の多さでは圧倒的!
とはいえ、ドローンは敵に近づいて攻撃するまでラグがあるので、
遠くの敵を狙撃する場面や、空中の敵が多いステージでは苦戦気味。
乗り物を呼ばないと機動力も低いので、クセの強さも健在か。
基本武器3つ+バックパック+乗り物要請があるので手数はすごい。
ウイングダイバーにも独立作動武器という新たな武器枠が追加され、
接近武器で敵を薙ぎ払えるセイバーなど面白い新武器もある。
セイバーっていうかビームウィップじゃねーかなこれ!?
前作で既に強かったフェンサーは大きな変更はないものの、
ブースター効率が良くなってるし様々な新武器がある。
4兵科中3兵科に新しい武器枠が増設され、
過去作で「面白いけど枠を1個使うのはちょっと重い」
という装備の多くがそっちに移されてるのは良い調整だと思うね。
最大4人によるオンラインの面白さも健在。
1人プレイでも戦略の幅が広いのに、4人揃えば言わずもがなだ!
まあ、オンは敵も強くなるので、
高難易度だと地獄の鬼も切腹するレベルのワチャワチャが待っているのだが、
それもオンの醍醐味よ!
このシリーズは仲間を称える「EDF!」コールや応援歌など。
一度聴いたら忘れられない濃い定型が多く、
PS4/PS5のタッチパッドによるショートカットでこれをバシバシ叫びながらの
協力プレイが非常に盛り上がる。
シチュエーションに合わせた定型セリフがめちゃくちゃ多いから、
ボイスチャット無しでも意思疎通しやすいのも特徴かな。
過去シリーズを踏まえたシステム面での変更点や改善点も良し。
今回から攻撃が当たった時のダメージ表示を出すことが可能になり、
これでかなりプレイ感覚が変わった。
単純に数字がバシバシ出まくるのが気持ち良いし、
新しい武器を手に入れた時のダメージ効率がめっちゃ分かりやすい。
「なんでこれまで無かったんだろう?」ってくらいしっくりくる機能だね。
壊さないとダメージ通らないアーマー装備してる敵に対しては、
アーマー割るまで「0」って出るのは少しイラッとするがな……!
殻に籠らないと何もできない侵略宇宙人共がよォ-ッ!
表示は武器表示の横、敵ごと、当たった場所ごとの3種類から選べるのでお好みで。
字幕のON/OFF機能も搭載だ。
メインストーリーに関連する通信のみ、このように表示してくれる。
今回かなりシナリオが入り組んでるのでありがたい。
ただ、長セリフも垂れ流しで字幕化してるので、
「おいおい字幕付けるの初めてか?」ってなる。
初めてだったわ。
フォントでかくて読みやすいから長さはいいとして
誰が喋ってるかの名前は欲しかったな。
色々改善されているが、
敵が落とす武器箱と最大体力を上げるアーマーを、
一個一個拾って回収しないといけないのはこれまで通り!
このシリーズ、割とユーザーの意見を反映してると思うんだけど、
ここだけは頑なに変えないんだよなぁ。
開発の違う『デジボク地球防衛軍』だと無かったのでサンドロットの拘りだろうか。
ただ、今回は敵の数が多い分アーマーも武器も出現しやすい。
5に引き続き他の兵科にも武器とアーマーがちょっと入るし、
難易度ノーマルでやる分にはそこまで稼ぎを意識する必要はないと思う。
レンジャーのダッシュが使いやすくなったので、
どの兵科でも素早く拾えるようにもなってるね。
なんだかんだで過去作に比べると快適にはなっているのだ。
エアレイダーは装備によってはちょっと面倒な時あるが……!
遊んだ人間は誰もが思うはずだ。
これがナンバリング最終作になるだろうと。
少なくとも『地球防衛軍7』はもう出せないだろうと。
それほどまでにあらゆる意味でやり切ってる。
近年の『地球防衛軍』シリーズは名前付きのNPCの存在感が増しており、
「軍」としての表現が進化し続けているんだが、
本作ではそこの表現もグレードアップしつつ
「プレイヤーこそが主人公である」
という点を強く押し出した構成になってるのが熱かった。
偶然かもしれないが、
1作目『SIMPLE2000シリーズ Vol.31 THE 地球防衛軍』の公式に書かれた
「防衛軍は1人じゃない。でも2人しかいないぞ!」
というフレーズを思わせる内容で昂ったね。
ボリュームに関してはシリーズ全部やってる俺が
サクッとノーマルで1周しても40時間近く掛かったので、
間違いなくシリーズ最大級だ。
休日に一気にクリアしようとか考えると大変過ぎるので、
ゆっくりと防衛して欲しいぜ!
難易度も5プレイ済み向けな調整で、
いきなりハードやると過去一で苦戦すると思う。
「古参兵である俺がノーマルぅ?」
などと考えず最初は大人しくノーマルからやっとけ!
とにかく何もかもが規格外で、
やはり『地球防衛軍』は日本を代表するゲームの1本だったと、
改めてそう思わせてくれて本当に嬉しかったシリーズ最新作。
経験者も未経験者も今すぐ入隊だ!