全難易度でクリアしたので『サムライメイデン』のレビュー行くぜ!
ぜってぇ許さねぇぞ!
パブリッシャー:ディースリー・パブリッシャー
機種:PS4/PS5/Switch/PC
ジャンル:ガールズ剣戟アクション
発売日:2022/12/01
価格(税込):7920円
刀を持ったJKが戦国時代で大暴れ!
ディースリーパブリッシャーが送る完全新規のアクションゲームだ。
開発は『バレットガールズ』シリーズを手掛けたシェード。
発売前PVも良い感じだったし、
D3の完全新作とあれば全力で期待するしかなかったので、
2200円のDLCも買って万全の態勢で突っ込んだぞ!
突っ込んだ結果、腹に刀が突き刺さって腸が飛び出す結果となった!
PS5版でのレビューとなる。
ストーリーは現代のJKである玉織 紬が戦国時代にワープ!
燃え盛る本能寺で信長と出会い、
復活する魔王を食い止めるために自分が呼ばれたことを知る。
魔王を阻止できなければ歴史が歪んで世界が滅亡する。
大変だけど実家の道場で剣術を仕込まれていたのでなんとかなるぜ!
ポンコツ忍者の依夜、サイボーグ忍者の刃鋼さん、
狐耳の陰陽師である狐美魅と共に、
道中のイチャイチャで絆を深めていざ魔王退治!
地獄で女体化した武田信玄や上杉謙信とも戦うぜ!
という内容だ。
メインメニューがみんなで休んでる構成なのが良し。
ステージクリア型の3Dアクションで、ステージ数は20以上。
それとは別に仲間との個別ステージが15存在する。
ステージクリアで溜まるお金を使って
手に入れた武器を強化することでキャラの性能を上げられるし、
仲間と一緒に戦って好感度を上げれば、
メインメニューのアルバムからサブイベントを見て、
新しいコンボ技などが手に入る仕組み。
とにかく敵を倒しながら進んで最奥にいるボスを倒せばクリア!
という分かりやすい構成だ。
プレイアブルキャラは主人公である紬ちゃんのみで、
仲間はサポート攻撃だけのキャラとなっている。交代は不可能。
中盤以降に解禁される「口憑けの術」を使用すると、
仲間と触れ合って一時的にパワーアップだ。
仲間によって効果は異なり、
依夜だとスーパーアーマー&防御力アップ。
刃鋼さんだとスピードアップ。
狐美魅だとHPが亀のような遅さで自動回復だ。
ハッキリ言って依夜以外は使わないかな……。
キスでパワーアップ!的な事前情報だったが、
好感度を100まで上げて仲間毎のサブクエを全部終わらせて、
「口憑けの術」をパワーアップさせないと
キスしてくれないので結構遠い道のりだ。
ゲームとしての問題点は山積み。
マップ、ミニマップ、方向マーカーが無いという、
いきなり2022年のアクションゲームとは思えない仕様が立ちはだかる。
最初に遊んだ時にこれが信じられなくて、
コントローラーをガチャガチャやってしまった……。
ウソだろ戦国時代に企画されたゲームかよこれ。
マップ自体は単純な構造だけど、
ちょいちょいどこ進めばいいか分からなくなる。
にも拘らずマップに点在してる宝箱を探す軽い探索要素がある。
宝箱は難易度別に300個以上存在していて、
最初こそ有用なアイテムも入ってるが、
98%はギャラリー用のイラストなので徒労感がすごい。
あからさまなボリューム水増し要素なのである。
まあそんな欠点は軽いジャブで単純にバランスがヤバい。
体力の半分持っていく爆弾と、一撃でこっちの体力ごっそり持っていくボス、
画面外から割り込んで攻撃してくるザコ敵、
画面外から高速で飛びつき攻撃してくるザコ敵、
画面外からこっちにまとわりつくホーミングザコを発射してくるザコ
これだけでバランス取ろうとしてるゲームだ!
攻撃力がバカ高いだけの同じようなボスと、
周りにザコが湧いてくる状況で何度も戦う構成で、
進めるとボスが2匹に増えるとか周りに遠距離ザコが増えるとか、
そういう難易度の上げ方が延々と続く。
ロックオンが外れやすい上に、
ボスが複数いる時に素早く切り替えがし辛いのも厳しい。
ザコの属性攻撃を何度か喰らうとピヨって行動不可能になるのもイラッとする。
ボスの前でピヨったらほぼ即死だ!
何度も倒したボスを雑に4体に増やしただけの配置を見た時は、
2022年最大の舌打ちオブザイヤーが出た。
イージーモードが無く高難易度にも関わらずチェックポイントに縛りがあり、
2回死ぬと最初からやり直しになるのもうんざり。
戦国時代に企画されたゲームか?(2回目)
中盤くらいから
どうでもいいアスレチックステージでの水増しが増えてくるのもかったるい。
移動するリフトや乗ると落下する足場を乗り継いで先に進む。
落下したらダメージを喰らって手前からやり直し。
奥には何度も戦ったボスが待っている。
二段ジャンプがあるのでそこまでシビアな作りではないんだが、
単純にかったるい!
刃鋼さんのサイボーグアームを使ったワイヤーアクションで、
お姫様抱っこ移動するシーンはあり、ここは演出としては悪くなかった。
ただ、似たようなギミックが『よるのないくに』にもあったので、
「お姫様抱っこ要素がある百合アクションには注意せい!」
という意識が強まってきた。
仲間との個別ステージだと完全にジャンプアクションメインになり、
『スーパーマリオサンシャイン』の
アスレチックステージの出来損ないみたいなのを延々とやらされる。
こんなことがしたくてこのゲーム買ったわけじゃないんだが!?
最初は「序盤のボス戦にしては難しすぎない?」と思った
武田信玄や上杉謙信とのバトル。
一撃でこっちの体力の3分の1くらい奪っていくバランスで、
アクションゲーム苦手な百合ゲームファンはここで討ち死にすることになる。
が、全難易度で全クリした上で振り返ると、
タイマン勝負でちゃんと攻撃パターンを見切る要素があって、
ボス戦だけのステージだからチェックポイントの縛りも気にならない。
このゲームではトップクラスに楽しいステージだと気づかされた。
慣れるとほぼ負けないからね。
というか
「ボスの周りにザコがワラワラ湧いてくるウザいステージ」が標準で、
「ボスと1対1でガチンコ勝負するステージ」が一部
という構成がおかしいだろ!
ラスボス戦はバランスもカメラワークも最悪で、
画面外からラスボスの攻撃がバンバン飛んでくる上に、
大量のザコに混じって高火力のボスも召喚され、
一発でも喰らうと体力がごっそり減るという、
仮面ライダーサモンライドを思い出させる地獄の構成。
召喚されるザコとボスをきっちり処理するようにすると安定した。
バランスがあまりに雑過ぎて
仲間のサポート攻撃と口憑けの術に頼った高火力のゴリ押しをするしかなく、
攻撃エフェクトで何も見えない中で攻撃をしまくるような場面が続く。
仲間を育成するとサポート攻撃が
めっちゃ強くなることに気付くと大分楽になるんだが、
これが通用するのは最初の難易度まで。
難易度が普・難・魔の三段階で、
難の中盤くらいで育成が頭打ちになるので全然楽にならない。
主人公を最強にしてもワンパンで体力ごっそり減るバランス。
主人公の性能が武器依存で、
特性の異なる武器がいくつか手に入るんだが、
武器はすべてレベル1入手なので育成が面倒。
装備は武器1種類だけなので、
特に組み合わせによるカスタマイズ要素とかがあるわけでもないぞ。
ここも強攻撃にスーパーアーマー系のスキル付く武器一択かなぁ。
仲間の好感度上げないと
基本的なコンボやパリィすら解禁されないのもバランス悪い。
アクションはダメだがストーリーも厳しい。
本作は冥界にいる魔王を倒すために、
初対面であるメインキャラ4人が冥界に突入するシーンから始まる。
つまり「初対面の人間とラストダンジョンに挑む」
みたいな構成になっている上に、
ラストダンジョン自体にイベントがほとんど無いため、
ダラダラした身の上話や状況確認が会話パートの大半。
登場キャラがメインキャラ4人、織田信長、武田信玄、上杉謙信の計7名で。
それ以外は脇役はもちろん名前の無いモブキャラも一切登場しないせいで、
とにかく展開と話の幅が狭い。
身の上話して訓練してるうちに絆が深まって発情して
「お姉さま」呼びをし始めるみたいな話になってる!
仲間の刃鋼さんと狐美魅の2人が異世界人という設定も謎。
並行世界の具体的な描写が一切出ないので、
「私のいる世界だとこういう考えで~」
みたいなよく分からない異世界の話を唐突に差し込まれる。
ただでさえ主人公が現代のJKで
周りとのギャップで会話が回りくどくなってるのに、無駄にややこしい。
今いる世界が滅びると、
そこから分岐してる並行世界も連鎖して滅びるって設定もマジでいらないと思う。
そこは「魔王が暴れても並行世界に影響ないけど、
それでもこの世界を救うために戦いたい!」って盛り上げるところだろ!
何のための並行世界設定だよ!
登場人物が少なすぎるので
武田信玄と上杉謙信の2人が延々と出てくるんだけど
キャラとしてそこまで魅力的じゃない。
信玄ちゃんはまだ可愛いから良いけど、上杉謙信の言動がウザ過ぎてヤバい。
後に洗脳されて出てくるんだけど、
洗脳前の段階で鬱陶し過ぎて割とどうでもよくなるレベル!
というかこのゲーム、変なところで思い切りが悪い。
武田信玄と上杉謙信は元々史実通りのおっさんだったけど
死んだ後にこの姿になったとか、
仲間のサイボーグと狐耳は異世界人とかね。
「戦国時代にJKがワープしちゃって大暴れ!」
ってゲームなのに何気取ってやがるバカめ!
「は?武田信玄は生前からハンマー振り回す怪力ロリですが?」
「戦国時代にはロケットパンチするえっちなサイボーグ忍者がいましたが?」
くらいで押し通せよな!
会話パートが汎用モーションでダラダラ会話するだけで、
凝った演出や一枚絵がほぼ無いのもかなりチープだ。
ただ、キャラクターのモデリングは最高!
ここだけは遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!
D3パブリッシャーとシェードが送る2022年の最新作だ!という完成度。
ダメージを受けると汚れたり服が破けたり傷が出来たりするし、
雨が降ってるステージだと体に雫が付くのも細かい。
イラストより3Dモデルの方が圧倒的に可愛いと断言できるレベル。
「口憑けの術」でキスする演出も
それぞれの性格がしっかり出ている細かいモーションが見事。
これには俺の本能寺も大炎上だ。
ステージクリア時のみんな揃って自撮りする演出もいいね。
パターンがいくつかあるので「今回はこれか!」という楽しみがある。
俺は狐美魅がキツネポーズするパターンが好き。
それだけにフォトモード起動するとパンツ規制が入る上に、
カメラ全然寄れないのが残念だ……。
一応フォトモード起動しなければ普通に見える。
シナリオはダメと書いたがサブシナリオはキャラ同士のイチャイチャと、
絆が深まって最後にちょっとキスする流れが描かれてるので悪くない。
えっちなお姉さんキャラである刃鋼さんが、攻められると意外と弱いとか、
我々はそういう掘り下げを待っていたのである!
主人公の紬が持っているスマホの充電どうするの問題に対して、
サイボーグである刃鋼さんを思いっきり運動させて、
おっぱいでスマホを挟むことで充電できるという会話も好き。
メインシナリオも基本そういうノリで良かったんじゃねーかな!
色々投げっぱなしなところはあるが、
エンディングはベタだけど綺麗にまとめてあって、
なんだか良いシナリオだったように錯覚するくらいには気に入ってる
最後に語られるラスボスの行動理由も納得いくものだったな。
そんな『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-』!
3Dモデルは最高だが、
高難易度アクションとしては配置が雑過ぎかつ単調すぎだし、
成長を楽しむアクションとしては成長要素が中途半端だし、
キャラの魅力だけで押し切るゲームとしてはプレイアブル1人だけで
DLC買わないとコスチュームまったく増えない。
シナリオは演出面や一部のシーンに光るものはあるが微妙。
7920円!
真面目に12月発売のゲームで一番楽しみだっただけに悲しい。
開発違うとはいえ『お姉チャンバラORIGIN』が凄く良かったし、
同じシェードの『バレットガールズファンタジア』も結構面白かったので、
「サムライメイデンが良作な方に66兆2000億」って勢いで買ったんだが……。
討ち死にしたわ!