Double Dragon Gaiden: Rise of the Dragons-PS4/PS5
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『ダブルドラゴン外伝 ライズ・オブ・ザ・ドラゴン』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:Maximum Games
機種:PS4/PS5/Switch/XBOX/PC
ジャンル:ベルトスクロールアクション
発売日:2023/7/27
価格(税込):3482円
備考:9月14日にH2 InteractiveからPS5/Switchパッケージ版発売
『ダブルドラゴンIV』から実に6年ぶりとなるシリーズ最新作だ。
ローグライト要素のあるベルトスクロールアクションという構成になり、
新規ドットで歴代キャラが集合した内容になっているぞ。
開発は『レッドストリート - 悪魔の挑戦デラックス』などを手掛けた
Secret Baseが担当している。
内容はそこそこ面白かったが……。
外伝作品として消極的な作りが目立って色々中途半端な1本でもあった!
舞台となるのは核戦争で崩壊した199X年のニューヨーク。
悪党どもに支配されたニューヨークを解放するために、
市長から依頼されたダブルドラゴン兄弟、
マリアン、マタンおじさん(誰!?)の4人が戦いに赴くというストーリーだ。
いやマタンおじさんってマジで誰なの!?
ウィリーやオカダといった過去作のボスが登場したり、
シリーズファンなら思い入れあるあのキャラが意外な役で登場したり。
歴代作品ごちゃ混ぜにした上で、話の筋を単純にしたパラレルっぽい構成になってる。
初代っぽい話だけどマリアンが腹パン喰らって誘拐されたりはしないのだ。
キャラを2人選んでゲームスタート。プレイアブルキャラは10人以上おり、
今回はメインキャラとサブキャラを自由に切り替えて進むシステムになってる。
2人プレイの時は2キャラ×2人でのプレイになるぞ。
今回のマリアンは『リターン・オブ・ダブルドラゴン』準拠の刑事設定で、
銃を撃ちまくるキャラになってる。
『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ2』だと、
「毎回腹パンされて誘拐されることにブチ切れて腹筋バキバキになるまで鍛えた」
ってキャラになってたから差が凄い……!
ゲームを始める際に難易度は細かく設定可能。
難しくするほどトークンが沢山手に入る仕様で、
トークンは新しいプレイアブルキャラやおまけ要素の解放などに使える。
「コンティニュー不可にする代わりに敵を弱くしよう」
「敵のステータスを下げて攻撃性は上げよう」など、
プレイヤーに合わせた効率を設定できる作りになってる。
4つあるステージを好きな順番で遊べる構成で、
後に回したステージほど敵が強化されて道中も長くなる。
選ぶ順番によってステージの雰囲気がガラッと変わるのが面白いところ。
4ステージクリアすると……そこから先は君たちの目で確かめてみてくれ!
敵を倒しながら進んでいくベルトスクロールアクションだが、
システムも挙動も過去の『ダブルドラゴン』シリーズとは別物。
ゲージを消費して放つ3種類のスペシャル技を駆使して、
大量の敵をボコボコにしていく作りだ。
スペシャル技は「キー入力+ボタン」で簡単に出せる。
ゲージは時間経過、敵への攻撃やアイテムなどで回復し、
控えのキャラとの交代などでも使用するぞ。
スペシャル技で敵を倒すと「スペシャルKO」となってお金が大量に手にはいるし、
3体以上の敵をまとめて「スペシャルKO」すると回復アイテムが出現する。
回復アイテムは3体ならホットドッグ、4体ならハンバーガー、5体以上でターキーとなり、
拾った時の回復量とお金のボーナスも上昇していく。
とにかく大量の敵をスペシャル技に巻き込んで、
コンボ稼いで回復アイテム喰いまくれ!メシを食うと金も貰えるぜ!
ってゲームだね。
ダブルドラゴン兄弟の乱舞技や、マリアンの地雷やバズーカ、
マタンおじさんの投げ技などでバンバン敵を倒していくのだ。
ちなみにマリアンの重火器がぶっ壊れすぎてほぼ最強キャラ!
腹パンされる前に銃弾をぶち込めばヨシ!ってキャラになってるぜ。
エリアクリアする毎にお金を使ってアップグレードを購入可能。
ランダムで選ばれるアップグレードの中から1つだけ選んでキャラを成長させるのだ。
ゲームオーバーになったら成長はリセットされてやり直し。
ここがローグライト要素である。
コンボで回復アイテムが出るシステムも、
コンボで金稼いでパワーアップ買うシステムも、
ステージが変化する構成も『レッドストリート 悪魔の挑戦 デラックス』そのまんま!
本家『ダブルドラゴン』とはやや違うコミカル寄りのデフォルメだけど、
キャラのモーションは細かくステージ毎のドットも凝ってる。
BGMも歴代シリーズから幅広くアレンジ曲が登場するから熱い。
アクションゲームとしては結構理不尽気味で、
キャラの硬直が長い上に無敵時間がほぼ無いため、
ザコ敵にお手玉されると一瞬で体力が溶ける。
スペシャル技にもほとんど無敵時間が付いていないため、
連続コンボも飛び掛かりもタックル系の攻撃も、
普通にザコのワンパンで跳ね飛ばされる。終盤のステージ構成は地獄!
敵からコンボ喰らってる時に
ゲージ消費して控えの仲間と交代して逃げられるシステムもあるが、
何故か「交代して画面外に逃げる操作キャラ」にも当たり判定があるため、
HPギリギリで交代して難を逃れたと思ったら普通に死んだり……。
全体的にプレイヤーに厳しい作り。
ゲージを使わない通常攻撃を併用して敵をどうまとめるか?
どのタイミングでスペシャル技を使うか?
というのがキモになるんだが、
そうなると結局は判定の強いスペシャル技でゴリ押しするだけになるし、
アップグレードも種類が少ないから
「とりあえず一番使いやすい技だけ強化する」以外の選択肢がない。
この辺りのバランスのせいで、
プレイアブルキャラが10人以上いても似たような立ち回りになるし、
重量級のキャラは足が遅すぎて使いにくい奴らばかりだ。
アップグレードでスペシャル技の威力やゲージ効率がグンと上がる点や、
ボスの隙を突くと一気に体力を削れる点は爽快なんだけど、
繰り返し遊んでると結構早い段階でダレてくる。
歴代のザコやボスがプレイアブルで使えるから
「やっぱ強いぜ……チン・タイ・メイの棒術!」とかはテンション上がるんだけども。
繰り返し遊ぶことで溜まるトークンはコンティニューに使用可能で
それ以外だとプレイアブルキャラやサウンドテストなどの開放用。
繰り返し遊ぶことで技やアップグレードの種類が増えたり、
ステータスの底上げがされたりする要素はない仕様だ。
しかしプレイアブルキャラやオマケ要素は良いとして、
システム解説のTIPSまで有料なのはどうかと思った。
新キャラ1人開放するのにトークン5~25枚掛かるのに、
28項目あるTIPSをトークン1枚で1項目解放にするのは水増しも良い所!
それは最初からフルオープンでいいだろ!
その他、一番気になったのはオブジェクトの堅さ。
ステージに配置された箱などを壊すとアイテムが入っている。
これ自体はベルトスクロールアクションでのお約束だが、
数がやたら多い上に硬いから1個ずつ壊していくとテンポが悪く、
でもお金とかがよく入っているのでスルーするのもな……。
と、遊んでいてモヤモヤさせられる。
セリフ回しがちょっと硬かったり、
一部のシステムメッセージは機械翻訳っぽかったりと、
翻訳が微妙なのも気になった。
『ダブルドラゴン』の新作に翻訳が微妙なんて言いたくなかったぜ……!
シナリオが薄味な上にカプコンネタがそこそこ多いせいもあって
悪い意味で公式感が薄いというか、
「インディーでよくある90年代ネタ満載アクションの1本」みたいな感じもしちゃうな。
なんでダブドラ外伝なのに『ストリートファイターII』のリュウステージで
『ヴァンパイア』のビシャモンと戦ってんだよ!
悪いゲームではなく、
理不尽気味な敵を判定の強い大技でボコボコにして、
回復アイテムをバンバン出すのは単純な爽快さがあるし、
ファミコンからの流用ではない新規ドットで歴代キャラを描いてるところも評価できる。
ストレス溜まる変なジャンプアクションステージが無いところも好み。
ただ、「外伝」であることを考慮してもシステムも挙動も本家とは別物で、
かといって別物のアクションゲームとしてはやや単調。
ローグライト要素のあるゲームとしては練り込み不足。
「ローグライト要素を取り入れた現代的な新しいダブドラを作るぜ!」
って気概があんまり感じられなくて、
「普通にベルスク作るとボリューム少なくなるから
とりあえずプレイアブルキャラ増やして繰り返しプレイする要素入れよう」
って作りになってるのが大分残念だった。
それなりに面白いんだけど、要素を1個1個見ていくと不満点が多くなっちゃう。
あとPS5版だとトロフィーにバグがあって、
条件満たしても取れたり取れなかったりするぞ!
歴代キャラ沢山使えるのは『ダブルドラゴンIV』でやったばかりではあるし、
プレイアブルキャラをもっと絞って、
技の選択とパワーアップで幅を出すような作りにした方が良かったと思うなぁ。
そもそも全体的に『レッドストリート - 悪魔の挑戦デラックス』の
続編みたいな作りではあるんだが……。
久々にダブドラの新作が遊べたことは嬉しかったので次に期待するぜ!