CODE SHIFTER | ARC SYSTEM WORKS
『コードシフター』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS4版ね。
メーカー :アークシステムワークス
機種:PS4/Switch/Xbox One/PC
ジャンル:2Dドット絵アクション
発売日:2020/01/31
価格(税込):2000円
アークシステムワークスが権利を保有しているキャラ100人が大集合した、
夢の2Dアクションゲームだ。
開発は国内メーカーであるランド・ホーが担当している。
なのに何故×ボタンで決定なんだ……?
『ギルティギア』『ブレイブルー』『熱血硬派くにおくん』
『ダブルドラゴン』『探偵神宮寺三郎』といった昔からのシリーズ作品はもちろん、
『ダマスカスギヤ』や『サバクのネズミ団。』に、
『インフェルノクライマーリボーン』など、ダウンロードタイトルからも多数登場。
俺は10年以上前からアークシステムワークスのダウンロードタイトルを
追い続けていたので、これこそ俺が待っていたゲームなのでは!と、
非常にワクワクしながら発売日を待っていたのだが、
実際遊んでみたら俺の息の根を止めるためのゲームでしたね……。
メインとなるのは開発中のゲームにダイブし、
バグと戦っていく全40ステージのストーリーモード。
そこで集めたキャラを使えるおまけの対戦モード『カラフルファイターズ』もある。
オリジナルキャラであるアバターの「セラ」を操作し、
敵を倒しながらゴールを目指す。ステージクリアタイプのゲームだ。
通常攻撃の他、方向キーとボタンの組み合わせで2種類の技を出せるし、
ボタン一発で体力を消費しての必殺技もある。
ゲームを進めていくと必殺技が異なるセラの新しいフォームも増えていくぞ。
そこら辺にアークシステムワークス関連キャラのコードが落ちており、
取得すればそのキャラを使用可能だ。
プレイアブルキャラだったらそのキャラに変身して戦えるし、
サポートキャラだったら攻撃で溜まるゲージを消費して呼び出せる。
変身は時間制限などなく、自由にセラとの切り替えが出来るようになっているし、
プレイしていけば複数のプレイアブルキャラを切り替えられるようになるぞ。
「くにおくんでもダメか……なら今度はこいつで行くぜ!ソル=バッドガイ!」
「遠距離攻撃ならこいつの出番だ!イカすぜ!小林さん……に出て来た溝口くん!」
「メカにはメカだ!ダマスカスギア!」「よろしくお願いします!神宮寺三郎さん!」
みたいにお祭り系の変身ヒーロー感覚で戦えるぞ。
神宮寺三郎を筆頭に、アクションゲームで直接操作出来るのは初めて
というキャラも多く、そこは非常に楽しいところだな。
探偵神宮寺三郎、ボクシングで敵をボコってスウェーで攻撃を避けた後、
最終的に車で相手をひき殺すキャラになってるのが面白過ぎる。
神宮寺さんがボクシングで戦うシーンもカーチェイスシーンも、
原作ではお約束ではあるけどさ!
しかも車で轢くのめっちゃ強い。やはり推理より暴力……!暴力はすべてを解決する!
ステージのあちこちには特定のキャラじゃないと通れない場所があったりするので、
必要なアークキャラを探すこともあったりするぞ。
そんなゲームだが、どこから文句を言っていいか分からないレベルだ……!
デフォルトキャラであるセラも含めて攻撃の硬直が長いキャラばかりで、
ジャンプなどで動きの隙をキャンセル出来ない。攻撃の基本は接近攻撃。
にも拘らず遠距離攻撃をしてくる敵や、素早く攻撃してくる敵、
攻撃を当ててもなかなか怯まない敵が満載な上に、
敵に接触するだけでダメージがあるため、
攻撃が非常に当てづらく、また敵の攻撃も避け辛い。
リーチの短いキャラだと本当に動かしていて苦しいゲームだ。
加えてキャラの無敵時間がほぼ無いため、
敵の体に接触すると予想外の連続ダメージを受けたり、
ボスの連続攻撃がちょっと引っかかると体力が半分以上消し飛んだりする。
正面からの攻撃が無効で射撃してくるザコが狭い場所で複数出てくるとか、
一定間隔で透明になりながらフラフラ飛び回りながら弾を撃つ敵が、
壁に埋まりながら攻撃を加えてくることもあり、ストレス溜まるぜ。
正面からの攻撃を無効にするザコ。
見た目がそれっぽく見えないところが地味にイラッとする。
「盾を構えている間は」とかじゃなくて常にこのグラフィックだからな!
キャラの性能とステージ構成が明らかに噛み合っておらず、
「ロックマンのステージをくにおくんで遊んでいる」
ような違和感がずっと付きまとうゲーム。
というか、そのくにおくんが射程の短さでめっちゃ弱い……。
使用するキャラを自由に選ぶことは出来ず、
ステージ毎に「道を塞ぐギミックに対応したキャラ」を探すことになり、
無駄に回り道させられる作りも結構だるい。
射程によるキャラ差がむちゃくちゃ激しいので、
弱いキャラを強制的に使わないといけない瞬間がつらい。
ステージ構成も無駄に上下に広くて進み辛かったり、
触ると即死のトゲの間をすり抜け続けたり、
マップ無しで迷路を歩き回らないといけなかったりでストレス溜まる。
マップが見れるステージもたまにあるのがなんとも中途半端。
何もないところにワープゾーンがあってちょっと戻されるとか、ただイラッとするだけの時代遅れのギミック多すぎる… #PS4sharehttps://t.co/n4ynLRlP97 pic.twitter.com/1ZHLXJ3Qgg
— ラー油/Vゲームブロガーらあゆちゃん (@daikai6) February 2, 2020
後半になると何もないところにワープゾーンがあって踏むと戻されるとか、
イラッとするだけの仕掛けが多くなってくるぞ!
更に、ミスするとプレイアブルキャラがすべて消滅。
変身した状態で重量級の敵の攻撃を喰らうだけで、キャラが消滅することもある。
キャラ集めて仕掛けをどかすゲームなので、場合によっては来た道を戻って集め直し。
奥行きの無いアクションゲームなのに方向キーに対応してないとか、
細かいところも気になる作り。
そして操作し辛くて被弾しやすいのに、被ダメージでクリア評価が減点される。
クリア評価Sを取らないと
主人公の能力を強化する装備スキルが手に入らない仕様なので、
「クリア評価なんて気にしない」というプレイスタイルは認められない!
精神的にもゲーム的にもどんどん辛くなっていくぞ!
ちなみに難易度イージーは存在しない。
EXステージではプレイアブルキャラがボスとして登場。
倒すことでおまけモードでキャラとして使えるようになるんだが、
不規則に画面内をピョンピョン飛びながら、
技を連発するしまくるという実にイラッと来る攻撃パターン。
パワータイプのキャラが相手だと、ボスの時限定の機敏な動きで
体力を一気に奪う一撃を連発してくるからたまったもんじゃない。
こっちもゴリ押しする手段を探して殴り返すしかない。
多彩なキャラを使ってバシバシ敵を倒しまくるゲームというわけではなく、
探索が楽しいわけでもなく、
無駄にステージが長くてストレス溜まる要素ばっかりのゲームである。
攻略する面白さがまったく無いわけではなく、繰り返し遊んでいくと
「スコアアップのスキルを付けるとSランクが楽になる」
「必殺技での体力減少はクリア評価に関係ない」
「主人公のバリア使えるフォームが事故対策に超便利」
「パワーキャラでのゴリ押しが強い」「特定のサポートキャラのゴリ押しが強い」
「クリア後に解禁される新フォームの必殺技ゴリ押しが強い」
などの立ち回りが分かってくるので大分楽にはなってくるものの、
面白くなるわけじゃないのが辛いところだぜ……。
まあ、理不尽な作りのゲームを、
力技で攻略するのが好きな人ならハマる余地はあるかな。
おまけとなる対戦モードは最大4人プレイ可能な『カラフルファイターズ』。
本編をやり込めば総勢30人のキャラ勢揃いだ。
しかしキャラ性能は本編と同じなので、あまりにもキャラ差が激しい。
お祭りゲームだし、それだけならパーティゲームとして楽しめそうなところだが……。
こっちが本編では?と発売前は思ってた対戦モード。キャラ差が激しすぎる上に、攻撃が当たってるのか当たってないのかさっぱり分からないから手応えが虚無 #PS4sharehttps://t.co/n4ynLRlP97 pic.twitter.com/dCpAwh36wP
— ラー油/Vゲームブロガーらあゆちゃん (@daikai6) February 3, 2020
ゲームスピードが速くて攻撃判定がぐちゃぐちゃな上に、
基本的に攻撃を受けても仰け反らないため、
攻撃を当てた感触も、攻撃を受けた感触も乏しい。
いつの間にか倒したり倒されたりしているため、遊んでいて全然楽しくない。
2Pカラーという概念が存在しないので、
同キャラやると見分けが付きにくくなる辺りは、
本当にアークシステムワークスから出たゲームなのか……?と言いたくなる。
CPU相手に戦えるが自分以外のキャラとステージも選択は不可能だし、
オマケということを考慮しても未完成品だわ。
俺の好きな『サバクのネズミ団。』が、
本編でも対戦モードでも人権が剥奪されているレベルで弱いのも悲しい……。
ただの棺桶に詰め込まれたネズミの死体だよ!
細かいが、原作でジャンプという概念が存在しない『ダマスカスギヤ』が、
無限ジャンプをウリにしたキャラになっていたり、
くにおの必殺技が『ダウンタウン熱血物語SP』の「マッハキックターボ」なのに、
りきの必殺技は「びっくばんぐ」なのも大分疑問だな。
多数の作品が登場キャラが集結しているのに、出典が一切書かれていないのも雑。
サポートキャラだけはキャラ説明があるんだけど作品名は表記されていない。
ストーリーにもお祭り要素は一切なく、
謎のバグに立ち向かうゲーム制作会社のドタバタを描いたシナリオ。
「ここは〇〇のコードを使いましょう!」とか稀に言うだけで
参戦キャラに関する言及を全然しないし、
そもそも「コードを使って変身しているだけ」なので、
アークキャラ同士の会話やセリフも一切ない。
何故かカートゥーンタッチでまとめられたキャラ自体は結構可愛いと思うんだが、
頑張ってデバックして良いゲームを作るぞ!ってストーリーなのに
ゲーム自体がガタガタなのでだんだんイライラが募っていく。
終盤に「無能なディレクターが調整した酷いステージにバグが発生」
「バグでおかしくなっているのか、元がひどいのか分からず主人公が苦戦」
「普通にステージとしてもしんどいので遊んでいる俺も苦戦」
「同僚がそのステージをテストプレイしてクソゲーとキレる」
という展開があり、さすがに「喧嘩売ってんのか!」ってなったな!
そんなストーリーなので最終的に「大変だったけどゲーム完成して良かったー!」
みたいに盛り上がってるのを見ても「1から作り直せや!」という感情しかわかない。
俺が宮本茂だったら、ちゃぶ台返しどころか大陸ごとひっくり返してるところだよ!
終盤のストーリーとオチがめちゃくちゃ雑なこともあり、
お祭りを抜きに、ゲーム会社モノのシナリオとして見てもイマイチだね。
欠点だらけの内容だが、
8bit風にアレンジされた100人のアークキャラに関しては素直に褒めたいところ。
30人のプレイアブルキャラに関してはみんなアレンジされた原作BGMが流れるし、
技のモーションもちゃんと作り込まれている。
元から8bitのキャラに関しても、ちゃんと新規でドットを打ってあるのが素晴らしい。
サポートキャラはかなりマイナーなキャラまでカバーしており、
『コンバットライブス』『出世大相撲』『すごろクエスト』まで出てくるのに感動。
『ダブルドラゴン』の緑アボボがいたのも笑った。
まあ、『イカすぜ!小林さんに出て来たフライングマシン』を発見した時は、
サポートキャラ70枠の1つをこれに使ってんじゃねーぞ!ってキレましたけども。
小林さんの参戦自体は嬉しいけど、この辺まで入れるとなると話は別だッ!
アークシステムワークス最古のゲームかつオリジナルロボゲーである、
『エグゼクター』のキャラまで登場!
プレイアブルである 『ダマスカスギヤ 東京始戦』のギヤと組み合わせることで、
アーク最古のロボゲーと最近のロボゲーを並べて戦えるのが熱いぜ。
そんな内容でキャラの素材と音楽は良いがそこしか褒めるところが無い。
「ノウハウがまったく無い会社が作ったアクションゲーム」
を地で行く完成度の低さ。お祭りゲームとしての是非を問う以前の問題だ。
アクションゲームとして成立していないと言うほどでないが、
遊んでいてストレスが溜まるだけの要素があまりにも多く、
「つまらない」「面白くない」ではなく、
「不快」「不愉快」という言い方をしたくなる。
元々、アークシステムワークスは良質なオリジナルタイトルや
良作の移植、ローカライズを手掛ける一方で、
引くほど酷いゲームを出すことがたまーにあるが……。
さすがに昨年の『イカすぜ!小林さん』から
さほど間を開けずに同レベルの本作を出してしまったのはあまりに深刻。
アークシステムワークスは品質管理部門に
1秒でも早く非常事態宣言を出さなければいけないと思う。
どうかお願いします!