Steam:魔界堕ちのラズリエル -Lazriel: The Demon's Fall-
『魔界堕ちのラズリエル -Lazriel: The Demon's Fall-』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPC版ね。
パブリッシャー:Otakesan/わくわくゲームス
機種:PC/Switch
ジャンル:デッキ構築ローグライクRPG
発売日:2023/7/28(PC)2024/3/14(Switch)
価格(税込):1700円
魔界に落とされた天使ラズリエルが天界に帰るために戦うローグライクRPGだ。
強力な悪魔の力を借りて戦うことも出来るが、
使うほどにどんどん堕落して闇に染まっていく。
完堕ちする前に天界に辿り着くことが出来るか!?
という作りが特徴となっているぞ。
ボリューム面などで気になるところはあるが、
独自のシステムをバランス良く落とし込んでいて面白かった!
遊ぶ度に変化するステージクリア型の構成で、
画面内の敵を全滅させると次のフロアへの道が出現する。
「自分が1回動くと、敵も1回動く」というターン制のルールで行動し、
配られるカードを使って敵を倒していくシステムになっている。
『Slay the Spire』と『不思議のダンジョン』を合わせたような作りだね。
進んでいくとランダムで新しいカードが獲得できるので、
どんどんデッキを強化していく。
レベルアップ時にランダムで覚える能力と上手く組み合わせる事で、
威力が跳ね上がるカードも多い。
ランダム要素を取捨選択で上手くコントロールして火力を高めていく。
デッキ構築型ローグライクの醍醐味がしっかり味わえる作りだ。
ゲームを一味違う物にしているのがガンガン手に入る悪魔カード。
1回使うと消滅してしまうがその力は絶大!
通常使う天使カードの4倍以上の破壊力があって範囲攻撃も出来るとか、
ノーリスクでカードをリロードできるとか、フロア全体に攻撃が可能とか、
凄まじい強さのカードが続々と飛び出す。
「このカードが手元にあると悪魔カードを使っても消滅しない」
なんてカードもあるので、
ある程度デッキが固まると圧倒的な悪魔の力が使い放題になるぞ。
爽快過ぎる……!悪魔的だ~ッ!
ただし、悪魔カードを使う度に天使であるラズリエルの体にカルマが溜まっていく。天使カードならばピュアが溜まる。
そのバランスは常に左下の天秤で表示されており、
天使の力を使うと天使側に、悪魔の力を使うと悪魔側に傾いていく。
天秤のバランスは定期的に清算されてイベント内容が変化するし、
最終結果でラスボス撃破後のエンディングも分岐。
レベルアップした時に傾いてる側に関連した能力も手に入るので、
天秤の傾きを見極めながら進むことになるぞ。
絶対悪魔の力なんかに負けたりしない!
と言いたいところだが、天使カードオンリーでは絶対勝てないバランスになっている。
天使カードは弓矢を使った遠距離カードが中心なので基本はこれになるが、
敵に囲まれた時や、耐久力の高いボス相手では悪魔カードで吹っ飛ばさないと難しい。
回復アイテムである魔物の肉も食べる度にカルマが溜まる。
何がなんでも悪魔の力を使わせるバランス。悪魔の囁きがcalling!
悪魔の力には勝てなかったよ……。
堕落セリフのバリエーションが豊富なの実に分かってる作り。
天使エンディング諦めて悪魔の力を惜しまず使うと、
この手のセリフが沢山見れるし、無双状態で気持ち良く突っ走れる。
たまには悪魔の力に溺れるのも良いね!
休憩ポイントではメスガキの構えでラズリエルを迎える悪魔トルーシーが登場。
1回の休憩ポイントで1枚だけだが、
手持ちのカードを合成して「堕天使カード」を作ってくれる。
悪魔カードより少し弱いが天使カードより圧倒的に強力。
使ってもカルマが貯まらないし無くならない便利カードだ。
『女神転生』シリーズだったらこういう選択肢に手を出すとロクなことにならないが……。
本作はガンガン活用すべし!1枚あるだけでも全然違うぞ!
また、魔物を倒した時に溜まるポイントをトルーシーに渡すことで、
合成できる堕天使カードの種類が増えていく、
本作はゲームオーバーになるとデッキと成長がリセットされて
最初からやり直しになるゲームだけど、
増やした堕天使カードの種類だけは引き継がれる。
繰り返しプレイで楽になる要素だね。
天使と悪魔の狭間で揺れるバランスが絶妙なゲームで、
詰め将棋的に敵を誘導しながら、
天秤に悩みつつカードを選択していくのが非常に面白い。
ガチガチに厳しいゲームではなく、
悪魔の力を沢山使っても、最終的に天秤が天使側に傾いていればセーフだ。
割とドンブリ勘定なゲーム。
天使カードも強いものはあるし、
プレイヤーの立ち回りで帳尻合わせが出来る作りなので、
時に大胆に、時に慎重に悪魔の力を使っていく爽快感と緊張感がたまらない。
天使カード中心でやりくりして出来た余裕を使って、
魔物の肉ドカ喰いして体力一気に回復してる時が一番悪魔的な気持ちになる。
これがデビルチートデイだ~ッ!
ただ、カードの種類がそこまで多くないので戦略の幅は広くないし、
エンディング以外のルート分岐や高難易度モードなども無い。
この手のゲームだと次のフロアに進むときに、
通常のフロア、敵が強いけど報酬が美味いフロア、
宝箱があるフロアなどから選べるものが多いけど、本作はランダムの一本道だ。
バランス調整のために要素を絞ったと考えれば納得できる。
が、少々物足りなく感じるのは確か。
斜め視点固定なのでやや画面が見辛いのも気になった。
上の画像のように攻撃カーソルが敵に合ってる時はカーソルの色が変わる、
とかあれば全然違ったと思う。
2種類あるエンディングは単純なハッピーエンドとバッドエンドではなく、
それぞれラズリエルの選択の結果という描き方で好きなんだけど……。
この話やるならトルーシーの出番はもっと増やして欲しかったなぁ。
コツを掴めばそこまで難しいゲームではなく、2つのエンディング見るまで遊んで8時間ほど。
細々した実績を全部埋めても10時間くらいだったかな。
ちょっと物足りなさもあったが、カルマ関連のバランス調整は上手い。
サクッと遊べる変化球のデッキ構築型ローグライクとして面白い1本だった。
みんなも遊んでカルマを天秤に叩きつけろ!