『ロックマンX DiVE オフライン』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPC版ね。
パブリッシャー:カプコン
機種:PC(Steam)/iOS/Android
ジャンル:アクションRPG
発売日:2023/9/1
価格(税込):3990円
スマホ向けに展開していた基本無料アプリ『ロックマンX DiVE』のオフライン版。
ガチャやスタミナ要素、対戦などを無くし、
3990円の買い切りソフトとしてリニューアルしたソフトだ。
なお、オリジナル版は9月27日にサービス終了が発表されている。
サービス終了するソシャゲのオフライン版ってなかなか出ないからありがたい!
内容は『ロックマンX』シリーズを中心に
歴代ロックマンのキャラが大集合した2DアクションRPG。
『ロックマンX』シリーズに近い感覚で遊べる作りで、プレイアブルキャラは100人以上。
ファン向けのお祭りゲームでメタセリフ満載だったりはするが、
その分かなりマニアックなネタも拾っているぞ。
スマホ版は少し触ってやめちゃったんだが、
ガチャもスタミナもデイリーミッションも無く、
ちょっと稼げばキャラを完凸出来るオフライン版は
カジュアルにキャラ育成を楽しむお祭りゲームとしてなかなか楽しめたぜ。
物語の舞台となるのは電脳世界ディープログ。
原因不明のバグにより、この世界に保存された
『ロックマンX』のデータがめちゃくちゃになってしまった。
いつものように部屋で『ロックマンX』を遊んでいたプレイヤーは
ディープログを管理するリコによって電脳世界に引きずり込まれ、
バグ修正の手伝いをすることになる。
プログラム上で再現された歴代ロックマンのキャラクターを操作して、
イレギュラーデータに挑め!というストーリーだ。
オープニングがロックマンXグッズだらけなプレイヤーの部屋と、
「いつものようにロックマンXをプレイしていたのに……」という独白から始まるし、
味方も敵も「ロックマンXを散々遊んだ君なら」的なセリフを定期的に挟んでくる。
メタ要素ありのお祭りゲームってことを差し引いても、
ここまで原作履修済みの圧を掛けてくるゲームなかなか見ないぞ!
実際『ロックマンX6』くらいまでやっとかないと話が分かり辛い!
そして何故かプレイヤーのことを「プレーヤさん」と呼んでくるリコである。
ドクトルGが仮面ライダーのことを「仮面ラーイダ」と呼ぶようなものかな……。
と思ってたら、他のキャラも「プレーヤ」呼びをしてくるの。
どうやら俺はプレーヤらしい。そう、プレーヤさんがやるのです!
ゲーム自体は『ロックマンX』本編に近い感覚で遊べる2Dアクション。
2つの装備武器と2つのキャラ固有スキル、
1回だけボム的に使えるダイヴトリガーを活用してゴールを目指す作りだ。
プレイアブルキャラは100人以上いるが、
一部を除いて2段ジャンプと空中ダッシュが標準搭載になっているので、機動性能はほぼ同じ。
一番近い敵を自動でロックオンしてくれるので手軽にバシバシ撃ちまくれるし、
オプションでオートロックオンをオフにすれば、よりオリジナルに近い感覚になる。
お馴染みのステージやBGMも続々登場だ。
ステージによっては原作再現が細かかったり、
元がドットだった歴代ボスが新規の3Dモデルで登場したりと、
かなり凝った作りになってる。
ただ、1ステージが短く細切れになったような構成でギミックも少ない。
「湧いてくるザコを全部倒さないと先に進めない」という箇所も多いし、
ボスも含めて育成したキャラでの火力推しで進む展開になりがち。
色んなキャラを使ってカジュアルに遊べるゲームではあるんだけど、
あくまでも『ロックマンXっぽい基本無料の育成ゲーム』の域は出ない作りだね。
ステージに隠されたジェムを探すやり込み要素もあるんだが、
割とライン越えの配置があったりでイラッとするぜ……。
そんなところで後期Xシリーズ感を出すんじゃねぇぞコラァ!
こちらがメインメニュー。
ここでキャラの選択と強化を行ってから出撃する。
育成はキャラ自体のレベルや固有スキル。
同じキャラを重ねてレアリティを上げることで高められる成長限界。
数十種類ある武器の育成。キャラに3枚装備出来て相性や成長が可能なダイブカード。
素材集めて防御力を上げられるアーマーアイテム(特に重要)。
ボスを倒すと手に入って武器に追加効果を点けられるBOSSチップ。
総合戦力の底上げなどに関わってくるプレイヤー自身のレベルなどなど……。
3年以上サービスが続いたソシャゲらしい違法建築めいた成長システムになっており、
説明が全然無いこともあってめっちゃ混乱する!
「こんなところに成長出来る要素が!?」とかあるので、
とにかくあちこちクリックすべし!
ダイブカードの発動条件とかダイブトリガーの概念とか、
基本的なことにすら説明が無いからソシャゲ版のwikiを確認しながら進めたわ。
「総戦力」のタブをクリックすると
現状の成長状態で足りてないところを教えてくれるので、
とりあえずこれを指針に「SS」になってないところを埋めていこう。
アーマー上げるのがマジ大事。
100以上いるプレイアブルキャラはステージクリアで溜まるお金や石、
特定ステージで手に入るイベントチケットで入手可能だ。
最初からすべてのキャラがアンロック出来るわけではなく、
ゲーム進行によって少しずつ増えていく仕様にはなっているが、
ガチャを回さなくてもレアキャラ入手し放題!
全キャラコンプとかを目指すならさすがに稼ぎプレイ必須だと思うが、
普通に遊ぶ分だけでもかなりのキャラがアンロック可能なバランスになっている。
タイトルが『ロックマンX』なのでそこが中心ではあるものの、
無印『ロックマン』から『ロックマンエグゼ』『流星のロックマン』
『ロックマンDASH』『ロックマンゼロ』『ロックマンゼクス』と、
他のシリーズからも多数キャラが参戦しているぞ。
ロックマンだけでなくヒロインや敵キャラも使えて面子は幅広い。
本作オリジナルのキャラもいるし、
一度も移植されてない『ロックマンXコマンドミッション』のキャラがやけに多かったり、
海外限定フィギュアが元ネタのキャラまでいたりと、めっちゃマニアック!
PSPで発売された初代『ロックマン』のSDリメイクで、
地味に完成度が高かった『ロックマンロックマン』。
そのXとゼロバージョンという完全本作オリジナルキャラまで登場だ。
センスがオタク過ぎる……。
これにOK出すなら『ロックマンロックマン』と『イレギュラーハンターX』も
現行ハードに移植してくれカプコン!
あと前から言っているが『ロックマンコレクションに入らなかった奴らコレクション』出してくれ!
『ロックマンX4』に1回出ただけのアイリスがやたらプッシュされてたり、
ロールちゃんやトロン様のバージョン違いが多かったり、
各キャラの水着バージョンが存在したりと、
やっぱりロックマンもソシャゲになると女の子と季節コス差分が増えるんだな……。
と思いを馳せてしまうヒロイン勢の充実っぷり。
トロン様が通常、水着、ラボコートの3枚ある時点で俺はもう大満足である。
アイリスはまだ重要キャラではあったけど、
『ロックマンX8』に出て来たオペレーターのレイヤーやパレットに、
エイリアまで水着付きでプレイアブル実装されてるとは……。
そして今見てもレイヤーのデザインすっげぇわ。
ネタキャラも多く「悪事を働き過ぎて身体が黒くなったロック」などもいるぞ。
ちゃんと登場シーンで自販機を破壊してる芸の細かさが嬉しい。
そして問題のキャラ。波動拳を撃つDr.ライトである!
確かに初代『ロックマンX』と『ロックマンX2』の隠し要素で出て来たけど、
なんでご本人が戦ってんだよ!?
しかもそこそこ後期に実装されたキャラなので普通にめっちゃ強いぞ!
ネタキャラ以外だと「スーパーロックマン」や「エックスセカンドアーマー」など。
華のある各ロックマンのパワーアップ形態が多く実装されているし、
ゼロやフォルテなどの人気キャラもやたらバリエーションが多い。
ドラゴンボールのソシャゲで合体キャラやトランクスが多いようなものだが、
「ブラックゼロ」「ナイトメアゼロ」に加えて
季節コスで「ソーラン節を踊るゼロ」まで実装されているのは、
どんだけバグがひどいんだこの世界!
後期Xシリーズで暗躍する謎の男として登場したものの、
なんかその後フェードアウトしてやったことも有耶無耶になり、
結局正体が謎のままという伝説のキャラ、ダイナモも実装されている。
お前使えるのかよ!?スポーツなかんじが出て来た!
メインストーリーにも登場するが、やはり正体は分からないままである。
プレイアブルだけでもめちゃくちゃ濃いが、
装備アイテムであるダイブカードも歴代シリーズのパッケージアートや、
チョイ役のキャラまで幅広くて飽きさせない。
『ロックマンワールド』のイラストもあるんだが、
サービスが続いてたらクイントやエンカーも実装されたのかなぁ。
きみはゆくえふめいになっていたマックじゃないか。
もいるぞ!
個人的には『ロックマンX4』に登場した、
やたらデザインのクセが強いモブ隊員を拾って欲しかったがいなかった。
各キャラはちゃんと原作再現のスキルを持っているし、
新規に3Dモデルが作られたキャラも非常に多いため、
本当にロックマンが好きなら好きなほど楽しめる作りだ。
イベントステージでは『ロックマンX』以外のキャラにちなんだステージや、
季節モノのギャグっぽいステージもあるのでこれがまた楽しい。
本編の使い回しが中心だが、一部ボイス付きのイベントがあるのも嬉しいところ。
クリスマスイベントでは特別仕様のヴァジュリーラFFが登場し、
最後にどこかで聞いたようなセリフを呟いて消滅。
これはボンボンで連載されてた岩本佳浩版『ロックマンX3』で、
「メぇぇぇ~~リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!!
ひゃぁーーはっはっはっはっはぁーーーっ」 と、
イカした雄たけびを上げたのがSNSで後年大ウケしたのが元ネタで……。
いや、これ拾うのかよ!?
ゲームに一切無いセリフなので少しボカした言い方になってるのに配慮を感じる。
なかなか楽しめたが気になった点はステージ表記。
公式が「900ステージ以上!」と謳ってはいるものの、
エレベーターに乗って敵と連戦するヤコブステージだけで350ステージくらい稼いでるし、
難易度ハードやタイムアタックまで含めた数字なので、
実際メインストーリーに絞るなら100ステージ以上くらい。
まあ、メインストーリーとは異なるイベントステージもかなりの数なので、
ボリュームとしては十分であるが……。
イベントステージはどの順番で遊べばいいのか時系列が分かり辛く、
順番に遊んでるつもりでも話が前後することがしばしば。
メインストーリーの途中で、
特定のイベントステージを遊んでる前提の会話が挟まったりもするから余計に混乱する。
UIがコントローラーに完全に最適化されていないため、
Steamでコントローラーで遊ぶ時でもマウスの併用は必須と言っていい。
今後ゲーム機に移植されたらこの辺で結構遊びにくくなりそうだ。
キャラ性能差がめちゃくちゃ激しい上に性能差も分かりにくいため
アーマーフル装備のエックスが弱いわけないだろ!
と、ノリで選ぶと後半かなり苦戦したりする。
そこで強キャラに切り替えると苦戦したボスも秒殺!
オリジナルで後から実装されたキャラの方が圧倒的に強いため、
ネタキャラとか水着キャラとかがクソ強かったりするぞ。ソシャゲあるある。
「波動拳撃つライト博士強いけど、波動拳撃つライト博士でラスボス倒すの嫌だな……」
と、最後になって色々試行錯誤することになった。
ここも運営型ソシャゲの宿命だが作品毎の格差が結構あり、
水着や季節コスが豊富に用意されてるキャラがいる一方で、
『流星のロックマン』からの参戦キャラが3キャラだけだし、
『ロックマンゼクス(ゼクスアドベント)』のパンドラはいるのに、
相方のプロメテがいないままサービス終了が決まったのも突っ込まれてた点だ。
キャラのボイスも新規ボイス、流用ボイス、ボイス無しとまちまちで、
ごく一部だがセリフミスがあったり、
ちょっと悪ノリっぽいボイスが付いてるキャラもいたりする。
メインストーリークリアまで20時間ほど。
説明不足な点など気になるところはあるし、メタネタ全開のテキストも好みが別れそう。
ただ、とにかく物量があるからカジュアルなお祭りゲームとして面白かったし、
改めて過去作を遊び直したくなる要素がてんこ盛り。
シナリオも駆け足な部分ありつつ、
「いつか終わりが来る運営型ゲームのシナリオ」としては綺麗にまとまってたと思う。
個人的には「シグマ隊長」の使い方がかなり嬉しかったなぁ。
遊んだ人全員が絶対気になる謎の演出もあったが、
あれは何かの伏線なんだろうか……?
とりあえずスマホ版遊んでなかったロックマンXファンには
丁度良い1本になっていたぞ!
レビューは以上だ。
じゃあ、またね!シーユーアゲイン!