ツクールシリーズ HUNTER OF DEVIL ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『ツクールシリーズ HUNTER OF DEVIL』のレビュー行くぞ……。
パブリッシャー:Gotcha Gotcha Games
機種:Switch
ジャンル:アクション
発売日:2024/2/1
価格(税込):550円
『アクションゲームツクールMV』で制作された8bit風のアクションゲームだ。オーソドックスなステージクリア型の構成になっているぞ。
一見するとそこそこ面白そうに見えるんだが、雑極まりない作りでこれを「高難易度アクション」と呼んで売るんじゃねぇ!という完成度。ツクールシリーズはデキのバラつきが激しく、もっとしっかりパブリッシングしてくれと常々思っていたが、こういう物が出てくるといよいよだな……と悲しくなったぜ!
凄く読み辛いテロップでなんかストーリーが語られて始まる。
全11ステージ構成で、主人公の通常攻撃は剣。敵を倒しながら先へ進んでいき、ボスを倒せばクリア。途中のオブジェを破壊するとサブウェポンが手に入ることがあり、敵を倒した時に出現するハートを集めることで使用可能となる。雰囲気もシステムも『悪魔城ドラキュラ』っぽさ全開の構成だ。
しかし『悪魔城ドラキュラ』遊んだことあります?と言いたくなるレベルの低さ。
操作性が悪く、操作キャラのリーチが短くて空中攻撃出来ないし、サブウェポンの出現がランダムなので攻略パターンに組み込み辛く、一発撃つのにハート何十個も掛かるから燃費が最悪。倒してたザコが消えてハートが出現するまで数秒掛かる絶妙なテンポの悪さなど。とにかく手触りが悪い。
敵にぶつかった後のノックバックが長く、それでいて無敵時間が短いため、一度敵に当たると延々吹っ飛ばされっぱなしになるのもイライラ。
ザコの挙動と無限湧きの速度どないなってるねん #NintendoSwitch #ツクールシリーズ pic.twitter.com/kdHnycVZgZ
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) February 1, 2024
そして、ザコ敵の数が実質1種類という構成。
たまに飛んでくる目玉みたいな敵も出てくるが、基本的にはこの無限湧きする赤いゾンビみたいなやつと戦い続けることになる。破壊不可能なザコ敵の湧きポイントから、こいつらが異常な速度で湧いてくるので、ひたすら処理しながら先に進むだけのゲーム。たまに超ギリギリでジャンプする箇所があってそこでミスると死ぬ。これを11ステージやるだけのゲーム。マジで最初から最後までこれしかない。
コンティニューは無限だが中間ポイントなどは無く、どこでやられてもステージ最初からなのが辛い。
上下に広い探索要素強めのステージもあるんだが、無限湧きするザコを処理しながら進むのは変わらないし、降りてみたら敵の群れがいる場所だったとか、降りてみたら死ぬ穴だったとか、無駄な行き止まりが多いとか、敵の量がおかしいから道じゃないと思ったら道だったとかが頻発。導線という概念が絶滅してる。
ファミコンのゲームみたいに表示数に限界があるわけじゃないから、画面外から大群が延々と送り込まれてくるし、画面外の天井に無限湧きポイントがあって奇襲を喰らうこともしばしば。
特に最悪なのがステージ10で、前後から爆速無限湧きで突っ込んでくるザコ敵をチマチマチマチマ処理しながら、左右に長い通路を延々と進むという構成で、途中のギリジャンを一回でもミスったら最初から。ストレスが第一宇宙速度を突破する。
同じザコ敵の無限湧き一点張りと雑配置で難易度上げてるだけのゲームを「高難易度ゲーム」とか言ってんじゃねーぞ!
サブウェポンのナイフ辺りは結構強いのでもっと使いやすければ……。
入手がランダムな上に燃費が悪いので稼ぎ作業が必須かつ、死んだら没収なので使うだけで疲れる。
どうも『魔界村』みたいに特定の箇所でジャンプすると隠し宝箱が出現するっぽく、ちょっとだけリーチが伸びる槍やハート50個セットなどが入っていたが、完全ノーヒントなので途中からほとんど見つけられなかった。
ザコと違って全ステージ見た目が異なるボスは、全ステージ動きが単調で体力も低いため、ある程度体力が残ってればゴリ押しできるのが救い。救いか?
これまさか雷を表現した演出!?アクションに支障が出る… #ツクールシリーズ #NintendoSwitch pic.twitter.com/TAbEOFMKyl
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) February 4, 2024
画面揺れの激しさとか、終盤ステージの雷っぽい演出が重すぎてプレイに支障が出るとかも遊んでいてしんどい。
テストプレイしました? #ツクールシリーズ #NintendoSwitch pic.twitter.com/z7aR0Aoscd
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) February 4, 2024
通しプレイしてないとしか思えないバグがあるのも困る。徒歩でボス部屋に入ると床に埋まって行動不能に……ステージ最初からやり直し!
徒歩でボス部屋に入るとバグで詰むステージあったから毎回ジャンプして部屋に入ろ……そのパターンもあるの!? #ツクールシリーズ #NintendoSwitch pic.twitter.com/m7r7GJNcx1
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) February 4, 2024
怖いからボス部屋に入る時はジャンプして入ろう……と思ったら今度は天井の出っ張りに引っかかって行動不能に。コントやってんじゃねーぞ!
クリア後に出現するおまけモードの一部は選ぶとフリーズするし、始めて一発でもダメージ喰らうとこれまたフリーズするし何なの。
https://alb-pixel-store.itch.io/evilvania-retro-game-assets
唯一褒められるところはファミコン風のドットになるんだが、これは画面UIまで含めて販売されているアセットをそのまんま使っただけ。本作オリジナルでは無いのだ。なんでボスのグラフィックだけやたら種類豊富なのかの答え合わせ。困ったな……褒めるところが完全消滅したぞ……?
本作を制作したのは「Da Mo-Co」という謎のデベロッパーなのだが、実はツクールシリーズではこれが2作目。1作目は『ツクールシリーズ Ninja Runner』というランアクションだ。
何もない道を延々と走り続けて、たまに高速で出現するニンジャを倒すか避けるかしつつ、得点アイテムを取るだけ。こっちの攻撃判定が弱すぎて攻撃を当てるのが難しいので、ひたすらローリング回避で敵を避けるだけになる。ステージ構成も背景も音楽もシステムも、何もかもが単調の虚無ゲーで間違いなくツクールシリーズ最低の作品。
Ninja Scroller Art Pack by ansimuz
こちらも元になった忍者アクションゲーム用の販売素材をそのまま使っている。販売素材にほぼ手を加えていない、完全なるアセットフリップ。タイトルロゴまでそのままという拘りの無さに驚く。
これに比べるとステージ構成を自分で作ってる『ツクールシリーズ HUNTER OF DEVIL』はゲームとして成立してると言えるんだが、どっちにしろ底辺レベルなのでただの前科二犯でしかないな……。
このゲームを個人クリエイターが個人で配信するのなら俺もここまで言わないし、そもそも取り上げない。しかし本作は『アクションゲームツクールMV』の版元であるGotcha Gotcha Gamesが、「ツクールシリーズ」というブランドで配信している作品だ。
様々な中小メーカーや個人クリエイターの作品を、版元が「ツクールシリーズ」という名前で取りまとめ、Nintendo Switchで広く販売するのは良い試みだと思う。しかし、そこで『HUNTER OF DEVIL』『Ninja Runner』みたいなゲームを売るのなら今すぐブランドを畳むべき。
『アクションゲームツクールMV』で真面目にゲームを開発してるクリエイターに失礼だし、Nintendo Switchのストアにも害しかない。拙いなりにちゃんと作ってるならそこを評価するけど、これは借り物の素材で見た目を取り繕っただけの雑な手抜きだ。
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ツクールシリーズすべて購入して25本以上レビューしてる身として、さすがに愛想が尽きる酷さだったよ……。