『Gluck』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:hayanari
機種:PC
ジャンル:短編2D掘削アドベンチャー
発売日:2023/11/1(PC)
価格(税込):800円
備考:Nintendo Switch版がわくわくゲームズより発売予定
鉱山で仕事をしつつ水枯れの原因を探るアドベンチャーゲームだ。
徹底したゆるい空気感とキャラたちの会話、妙に楽しい穴掘りパートが楽しい1本。短編なのでサクッと遊べるぞ。
制作は個人製作者のはやなり氏。
2024年にわくわくゲームズよりNintendo Switch版の発売も決定しているんだが、これを発掘してくるのはさすがだな!
これから上映される映画という設定でゲームが始まり、スクリーンショットの撮影や投稿の歓迎に加えて、撮影方法まで丁寧に教えてくれる。Nintendo Switch版が出た時はここら辺も差し変わるんだろうなぁ。
老舗の餅屋のせがれである主人公が水枯れの原因を探るために、鉱山会社に潜入するストーリーだ。良い水が無ければ良い餅は作れない!
鉱山会社の管理がめちゃくちゃザルなのでスルッと新人として潜り込めるし、会話のノリも選択肢も徹底してゆるい。選択肢でメタネタやセルフツッコミがバンバン入る脱力っぷりと、それでいて会話がくどくない塩梅が絶妙だ。
登場キャラみんなに愛嬌があってあざといキャラだらけ。態度の悪いヤツも言い回しが面白いのが本作の魅力。
ゲームの流れは朝出勤する、タイミング良くボタンを押して穴を掘る、出てきた鉱石を仕分けする、そのお金で仕事に必要な電池やおにぎりを買う、朝出勤するの繰り返し。穴を掘り切って先に進み、鉱山の謎を探るのが目標だ。
クレーンで鉱石を仕分けるミニゲームが妙にシビアかつ、金が尽きるとゲームオーバーになるので割とペナルティは重め。とはいえ、食料と電池切れに気を付けつつ、操作に慣れればそこまで難しくはない作りかな。
効率的にお金を貯められるようになると、食料と電池を買い込んでガンガン掘り進められるし、便利アイテムもある。
毎朝、職場に行くときに上司に挨拶してトロッコをすっ飛ばさないといけない点や、1日の終わりに毎回同僚と何気ない会話をするなど。ルーチンワークの積み重ねでじわじわと仕事に慣れていく感覚が、短編ながら上手い作りだ。
仕事終わった後に会話はバリエーション豊富で、変な選択肢も多いから同僚と少しずつ仲良くなれてる空気感が良い。鉱山の謎を探りに来てることを忘れそうになる。
いや、騙されるな!ここは仕分けに失敗した鉱石は没収されて金が貰えないブラック鉱山だぜ!
ゲームとしては映画1本分くらいのボリューム。
仕事パートに慣れて装備を買い込むのが楽しくなってきた辺りで終わってしまうので、もうちょっと長尺で遊びたかった。しかし、エンディング含めて、シナリオもシステムも気軽に遊べる短編として良くまとまっている。雰囲気にマッチしたオリジナルBGMやドットも丁寧。アッと驚くようなゲームではないが、肩の力を抜いてゆるくプレイすると、なんだかよかったぞ、という気持ちで満足させてくれる1本だ。
PVの雰囲気に惹かれたら買ってみてくれ!