KAIJU DECODE -super multiverse MR-
『KAIJU DECODE -super multiverse MR-』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:Gugenka®
機種:Meta Quest 3/Meta Quest Proなど
ジャンル:アクションゲーム
発売日:2024/2/22
価格(税込):1490円
円谷プロと東映アニメーションの共同制作アニメ『KAIJU DECODE 怪獣デコード』を
MRゲーム化した作品だ。円谷&東映作品から様々な怪獣やロボが登場する内容になっているぞ。
『KAIJU DECODE 怪獣デコード』とは!
2019年に企画が発表され、2021年にプロジェクト第一弾として短編アニメと、それをベースにした短編VRアニメが発表されたコンテンツだ。そこから3年音沙汰が無かったのに急にゲーム版が発表され、一部の特撮ファンが「生きていたのか!?」と驚くことになった。
短編アニメの方はTSUBURAYA IMAGINATIONで見ることが出来るが、本当にプロローグって内容なので世界観もよく分からん……!怪獣のカッコ良さと「ワンダバ」の使い方がビビるくらいセンス無い点が見どころ。
MRゲームとは!
複合現実ゲームのことで、VRゴーグルを通して見た景色にバーチャルの情報を合成して遊ぶゲームだ。本作の場合、自分の部屋の天井を破壊して怪獣が現れたりするぞ。
そして『KAIJU DECODE -super multiverse MR-』だが、本当に実験作って作りでシナリオは何も分からないし、ゲーム部分は簡素だし出てくるコラボキャラの人選も意味不明!「ここから何か新しいことが始まればいいね」という期待感だけをツギハギにしたような内容だったぜ!
MRゲームなのでゲームの舞台はVRゴーグルを通して表示される俺の部屋。
特異点(シンギュラポイント)の発生により、交わるはずのなかった複数の宇宙が融合してしまったとテキストで説明され、謎の少女クラリスと共に宇宙を守る戦いが始まる。スケールが壮大な割に何もかもが唐突でふわっとした導入だ!
ちなみに謎の少女は最後まで謎のままです。
『怪獣デコード』に登場した怪獣ウークと共に、別の宇宙からやってくる敵と戦っていく展開。しょっぱなから『楽園追放』のアーハンが無言で俺の部屋の天井をぶち破ってバトル開始!というスピード感あふれる展開になってるぞ。
ゲームは簡単で、レーンに沿ってやってくる敵キャラクターをタイミング良くバシッ!と叩いてやっつける内容だ。簡単過ぎねぇかな……?
ハンドトラッキング機能専用なので、プレイヤーはコントローラーを握るのではなく、自分の手で敵をバシバシと叩くことになるぞ。ステージが進むと最大でレーンは5つまで増えていく。
説明するとリズムゲームっぽいが別にリズム要素は無く、判定も分かりにくいので爽快さも無く、あんまり出来の良くないミニゲームレベルの内容。一応オンラインランキングはある。
ザコを全部倒すと天井をぶち破ってボスである他の宇宙の守護神が出現する。
守護神は円谷と東映アニメのキャラになっており、「アーハン(楽園追放)」「ニューアーハン(楽園追放)」「ガイキング(大空魔竜ガイキング)」「ムクムク(ファイアーマン)」「バランダーV(ファイヤーマン)」「レッドモンス(ミラーマン)」の6体が登場だ。
どういうチョイスだよ!?
『楽園追放』はプロデューサーが『怪獣デコード』と同じ繋がりで、ムクムクはVRコンテンツである『かいじゅうのすみか』にも出演してる繋がり……かな?
守護神は人間のイマジネーションから生まれるので、アニメや特撮のキャラクターの姿を取っているという設定はあるんだが、バランダーVやレッドモンスが具現化してる宇宙ってどういう時空なんだ。
そしてプレイヤーが使う守護神である怪獣ウークの出典が『怪獣デコード』という流れで、突然の自画自賛を始めるの面白かった。「面白くなる可能性はある」で数年止まってる作品だろ!!!!!
ボス戦はひたすら連打するだけ。ドンキーコングのようにひたすら手の平を机として設定された場所に叩きつけるべし!MRを使ってやることじゃねぇよなぁ!?
ハンドトラッキング機能を使ったゲームなんだから、プレイヤーが自分の手で隕石を殴り返すとかそういう作りにして欲しかった。
俺の部屋の天井をガイキングが破壊してるんだからそっちを見たいが、どうも机から視線を外すと連打の判定が消えるっぽいので、机を見続けるしかない。これは俺の環境の問題なのかも……?
ボスの攻撃は全部隕石を飛ばしてくるだけでセリフなども無し。ボス戦時の会話は謎の少女が元ネタを少し説明した後に「彼が生み出す巨大なエネルギーを受けたらこの宇宙はひとたまりもないわ!!」というテンプレセリフを言うだけ。マルチバースならではのクロスオーバー感は皆無である。
そんな内容で謎の少女が何者なのかも分からないのに、ステージ6になると「私たちのこと忘れないでね……」とか相棒としてのお別れ感を出してくるぞ。『怪獣デコード』のキャラってわけでもなさそうだし、お前マジで何者なんだよ!?
褒められる点としては怪獣のモデリングで、ボスを倒した後に宇宙を修復するために巨大化するウークはなかなか迫力あった。
クリア後は登場した好きなキャラでスコアアタックに挑戦するチャレンジモードが遊べるし、キャラのデジタルフィギュアを手に取って色んな角度から見れるのも楽しいね。
最後列にめっちゃカッコいい、明らかに後藤正行がデザインしてる謎の怪獣が2体いるけど何者なんだ……!?今後の『怪獣デコード』に登場するのかもしれない。
東映アニメーション発の人気声優ユニット「サテライト」とは何者か 老舗アニメスタジオがメタバースで仕掛ける“新たなエンタメの形”|Real Sound|リアルサウンド テック
あと、ゲーム中に唐突にボーカル曲が流れて困惑したが、これは東映アニメの期間限定声優ユニット「サテライト」の曲だった。クリアするとメインメニューから自由に聞けるようになる。曲の頭にセリフが入ってるから、ゲームのボイス演出かと勘違いしちゃったよ。
メインビジュアルのこんなシーン、ゲーム内に1秒も無かったな……。
全6ステージなのでクリアするだけなら30分くらい。せっかくMeta Quest 3持ってるんだし、個人ブログでこのゲームをレビューする人いなさそうなので手を出してみたが、ゲームとして評価出来る点はまったくないぜ!ずっと「新条アカネ早く来てくれーーーーッ!」って思いながらプレイしてた。
『怪獣デコード』自体がプロローグしか公開されてないよく分からんコンテンツなのに、そこにMRとか声優ユニットとかコラボとかの実験要素を更に乗っけるもんだから、何もかもがフワフワしてる意味不明なソフトが出来上がってる。
無料のプロモーション用ソフトなら納得だがこれ1490円なのよね!『怪獣デコード』の今後が更に不安になりました!