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スーパーファミコンにきたぞ!われらのウルトラマン!『ウルトラマン』レビュー!【SFC】

 

7日間連続ウルトラマンゲームレビュー レビューリンク

 

『シン・ウルトラマン』公開記念!

そして『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』配信記念!

7日間連続ウルトラレビュー1本目はやっぱりこれ。

スーパーファミコン版『ウルトラマン』だ!

 

 

動画版はこちら

 


パブリッシャー:バンダイ

機種:スーパーファミコン

ジャンル:アクション

発売日:1991/4/6

価格(税込):7800円


 

スーパーファミコンのロンチから半年後に発売され、

アーケードでも同時に展開された作品。

発売された1991年はウルトラシリーズのTV放送が無かった谷間の時期。

映像作品は『ウルトラマンG』くらいで、

ソフビや『ウルトラマン倶楽部』のグッズ展開が中心だった頃かな?

 

 

パッケージ裏の文章がテンション高くて良い。

 

スーパーファミコンのキャラゲーで面白い作品は色々あるが、

原作の空気感をここまでシステムに落とし込んでる作品はなかなか無い。

この時期にこのクオリティのキャラゲーを出せたのは凄いし、

以降のウルトラマンのゲームに与えた影響も大きい。

今も語り継がれる名作で、俺も散々遊んだ思い出の1本だ。

 

登場怪獣・宇宙人はこの10体。

 

ベムラー

テレスドン

ジャミラ

ブルトン

レッドキング

バルタン星人

ゴモラ

メフィラス星人

ジェロニモン

ゼットン

 

人気の高い名怪獣・宇宙人揃いで見事なチョイス!

アーケード版ではバルタン星人二代目とアントラーもいたようだ。

 

 

説明書には怪獣・宇宙人の紹介コーナーがあるんだが、

後半は名前が伏せられて自己紹介になってるのが面白い。

ピグモンを復活させたことを後悔してる酋長怪獣、一体誰なんだ!

 

 

この説明書に使われてるウルトラマンのスーツ、

あんまり見たこと無いタイプだな……。

 

 

ゲーム内容は1対1で戦っていくアクションゲームで、

時間経過で溜まるゲージを消費して光線技を使用出来る。

スラッシュ光線、スプリング光線、八つ裂き光輪、スペシウム光線の4つ。

やられたら敵の体力を引き継いでコンティニュー可能。

コンティニューの回数はステージクリアのスコアで少しずつ増えていくが、

回数がゼロになったら最初のベムラーからやり直しだ。

 

 

本作最大の特徴は「スペシウム光線」じゃないと敵にトドメをさせない点。

相手の体力をゼロにすると体力ゲージが「FINISH」という表示になる。

この時にゲージ最大で放つスペシウム光線を当てないとクリア不可能。

原作のウルトラマンは意外とスペシウム光線で倒さない時も多い……。

というツッコミはさておき、番組再現として見事。

 

 

最初のウルトラマンの変身シーン再現の時点でもうテンション上がるが、

怪獣・宇宙人の鳴き声もバッチリ。

バルタン星人の笑い声や、メフィラス星人の野太い雄たけびなどもTVそのまま。

 

残り時間が短くなるとカラータイマーが点灯して、

番組で使われたBGM「勝利」が流れるのも素晴らしい。

それ以外のゲームオリジナルBGMも雰囲気に合ってる名曲揃いだ。

 

 

ただ、ゲームバランスはかなり辛口。

敵は強敵揃いなのでパターンを掴まないとボコボコにされる。

スペシウム光線でしかトドメを指せない制限がまた厳しい。

光線技を無駄遣いすると、

スペシウム待ちの時間が発生して逃げ回らないといけないし、

かと言って光線技を出し惜しみした結果負けることもある。

 

敵の体力が時間経過でちょっとずつ回復するので、

「FINISH」状態から回復した直後にスペシウム光線を打ってしまい、

ゲージを丸ごと無駄にしてしまうことも。

これやらかすと俺の心の中のリュウさんが

「バカヤロー!なんて下手糞な戦い方だ!ゲージをよく見ろ!」

って怒りだす。

 

 

ジャミラに避けるモーションあったり無駄に細かい。

ごめんごめんスペシウムは嫌だったね。水じゃなくてごめんね。

 

難しいが攻略していく手応えがしっかりあるので、

「ボス戦だけのアクションゲーム」という視点から見て面白い作りだ。

パンチにキック、前転からの掴み技、投げ、

敵の攻撃を反射できるバリアを使い分けて、

残り時間を踏まえた光線技の使用タイミングを見極める。

 

 

怪獣・宇宙人たちは原作を踏まえた動きで個性付けされているから、

攻略していく楽しさがしっかりあるんだよね。

分身でこちらを翻弄するバルタン星人、岩を投げてくるレッドキング、

突進攻撃が強烈なゴモラ、広範囲の火炎放射を撒きちらすジャミラ、

無重力光線でウルトラマンを宙に吹き飛ばすジェロニモンと、

一筋縄じゃいかない相手揃い。

「ゴモラの突進攻撃はキックで潰せる」などの対策もちゃんとある。

 

 

そして攻略のカギになるのが急降下キック!

大ジャンプから繰り出すことが可能で、

上手くやればヒット&アウェイで一方的に連続ダメージを与えられる。強い!

蹴り技は仮面ライダーだけの専売特許じゃないんだぜ!

割とウルトラマンも蹴り技豊富だよね。

流星キックやレオキックはもちろん、最近もゼロが良くやってるし。

ゼロは最近のウルトラマンではないか……。

 

 

この急降下キックの強さ、

有名過ぎてPSPの『ウルトラマンオールスタークロニクル』で、

初代ウルトラマンの必殺技の1つとして採用されたくらいだ。

とはいえ、当てるタイミングは結構難しい。

しくじると逆にダメージを受けてしまう場面が多く、

使わない方が戦いやすい相手もいる。やはり使い分けが大事だ。

 

 

難しいと書いたが、

オプションで難易度をイージーにすればかなり遊びやすくなる。

最初はこっちで遊ぶことをオススメ。

オプションはタイトル画面でスタート&セレクトという操作で入れるぞ。

説明書に「怪獣が弱くて物足りない」というキミに!

とか血の気が多いことが書いてあって物騒。

難易度を上げると、被害者視点のレッドファイトみたいなゲームバランスになる!

このオプション画面、サウンドテストも出来るのがありがたい。

 

 

登場怪獣で印象強いのはやっぱり四次元怪獣ブルトン。

原作の時点でインパクトが物凄い怪獣だったが

ウルトラマンを固めて大ダメージを与える金縛り光線に、

判定がめっちゃ強いゴロゴロ転がる体当たり、

連続小ジャンプで避けないと足元をすくわれる隕石にと、

トリッキーな攻撃を連発。

ステージ4というプレイヤーが操作に慣れてきた

タイミングで出てくるのが嫌らしい。

四次元怪獣という肩書通り性根がねじ曲がったヤローだ!

 

ブルトン、近年のウルトラシリーズだと

宇宙の法則に食い込んでる超絶ヤバい怪獣になってて、

当時普通にやっつけてた初代マンは凄かったのでは?

と評価が上がっていたりする。

そんなブルトンを活用して素晴らしい感動エピソードを仕上げた名作、

『ウルトラマンZ』をよろしくお願いします。

 

 

本作の作り込みで一番凄いのはやはり最後のゼットン。

近づくとウルトラマンのキックよりリーチの長いパンチを喰らう、

テレポートでこっちの攻撃を避ける、掴むと投げ返される、

光線はバリアで反射されるとめちゃ強い。

なんだよこりゃインチキじゃねーか!ふざけんな!

まあゼットンだからしょうがないけど……!原作再現!

 

行動直後なら光線がギリギリ当たるので、

急降下キックを軸に、スプリング光線でチマチマ削る戦略で勝った。

 

 

苦労してスペシウム光線でトドメを刺すと

原作再現でウルトラマンが倒され、岩本博士がペンシル爆弾を持ってくるぞ。

ここの再現カットも見事。

そしてそのままプレイヤーの手でペンシル爆弾をゼットンに当てる

最初で最後のミニゲームがスタート!

原作だと1発だけだったが、ゲームだと残機がそのまま弾数になる。

 

 

なので、ノーミスで進めるとこんな感じでめっちゃ余裕になる。

ゼットン8匹分を粉砕出来る兵器を保有してる地球人やべぇ!

文明自滅ゲーム始まってる!

 

 

ゼットンを倒すと奇怪な効果音と共に赤い球が登場。

ゾフィーとウルトラマンが宇宙へと帰っていく感動のエンディングだ。

さらば、ウルトラマン!

シン・ウルトラマンのここどうなるのかなぁ。

 

 

素晴らしいゲームで、好評に付き同年12月にゲームボーイ版も製作された。

しかしゲームボーイが発売してまだ2年ほどの時期。

 

 

グラフィックや動きの劣化っぷりは言うまでも無いし、

ボタンが足りないのでスタートボタンにジャンプが割り振られている。

必殺技選択は方向キーの斜め上で行う。

こいつはウルトラ無茶移植だぜ!

とはいえ、独自要素として対戦モードが追加されてるし

これも当時としてはかなり頑張ってると思う。

ゲームボーイ初期のキャラゲーなんて、

ひったくりみたいなゲーム多かったからな!

 

 

スーパーファミコンにきたぞ!われらのウルトラマン!

ゲームバランスは少し厳しいが、そこを含めても見事な「空想特撮ゲーム」だ。

改めて遊んでも良いゲームだった!

なんとか移植してくれないかなぁ。

こう、『シン・ウルトラマン』のゲームの予約特典に

オマケで付けるとかそういうやり方で……。

まず『シン・ウルトラマン』のゲームを出すのが大変だな!