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ウルトラ級のこだわりがもはや変態!『ウルトラマン』レビュー!【PS2】

 

7日間連続ウルトラマンゲームレビュー レビューリンク

 

『シン・ウルトラマン』公開記念!

そして『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』配信記念!

7日間連続ウルトラゲームレビュー2本目は『ウルトラマン』だ!

 

 

動画版はこちら

 


パブリッシャー:バンダイ

機種:プレイステーション2

ジャンル:アクション

発売日:2004/5/20

価格(税込):7140円


 

番組としての『ウルトラマン』完全再現を目指したゲーム。

キャラの動きはもちろん、

そんなところまで再現する?という細かすぎるネタの数々まで、

異常なこだわりで作られている1本だ。

おまけで『帰ってきたウルトラマン』まで登場している。

 

時期的には『ウルトラマンネクサス』

『ULTRAMAN』が公開される少し前というタイミングでの発売。

ゲーム方面ではなんと、

『ウルトラマン Fighting Evolution 3』と同じ年に発売されている。

 

 

ついでに言うと本作は『SIMPLE2000 THE大美人』と同時発売!

2004年、なんて年だ!

シン・大美人作ってくれないかなぁ……。

 

開発はKAZeとビットステップ。

KAZeはPS1で『仮面ライダー』『仮面ライダーV3』『仮面ライダークウガ』

『仮面ライダーアギト』のゲームを手掛けたメーカーだ。実績は十分!

当時も仮面ライダーのすごいゲームを作ったメーカーが、

今度はウルトラマンのゲームを作るぞ!という空気だったね。

 

ビットステップは後に

『牙狼』『ウルトラマンネクサス』のゲームも手掛けたメーカーだ。

『牙狼』のゲームが2020年放送の『GARO -VERSUS ROAD-』の1話に

登場したのは記憶に新しいところ。

 

 

登場キャラはタイプ違いを含めると27体。

 

ウルトラマン(A・B・Cタイプ)/帰ってきたウルトラマン

ベムラー/バルタン星人/ネロンガ/アントラー/レッドキング/

バルタン星人二代目/バニラ/アボラス/グビラ/ゴモラ/

ジェロニモン/ピグモン/ゼットン/ラゴン/ペスター/ケムラー/スカイドン/

タッコング/キングザウルス三世/グドン/ツインテール/

ブラックキング/ナックル星人

 

凄いボリューム。まさに怪獣無法地帯!

ちゃんとウルトラマンのマスクを3タイプ再現してたり、

格闘ゲームだと参戦し辛い四足歩行の怪獣が多いのも特色と言えるね。

 

モードは原作のスチルや音源も使った「ストーリーモード」がメイン。

その他に怪獣を操作して戦える「怪獣大乱闘」「怪獣天下」モードや、

ミニゲームである「岩投げ」、

3分間で怪獣を何匹倒せるかを競う「ウルトラ総進撃」モードなどがある。

 

 

初代ウルトラマンの声は稲田徹が担当だ。

仮面ライダー1号だけでなくこっちの声もやっていた!

会話の流れは省略されているが、胡散臭い笑い声はしっかりある。

 

 

ストーリーモードはウルトラマンとの遭遇シーンの次に、

ジェットビートルの

「科特隊本部のミニチュアから登場」

「火を噴射して糸で釣られて揺れながら上昇」

「上昇した後はブレなく水平に飛び続ける」

という動きを再現したシーンを見る事になるので、

おいこのゲーム変態が作ってるぞ!?と姿勢を正したくなる。

 

番組の音源を使って科特隊のメンバーのボイスも収録しているし、

ウルトラマンの変身シーンも原作の映像そのまま。

原作BGMや効果音もバリエーションが豊富でもう雰囲気ばっちりだ。

 


戦闘は簡単操作の3Dアクションで、相手の体力をゼロにしたら勝利。

攻撃で溜まるエネルギーを消費して光線技を発射だ。

光線技じゃないとトドメを刺せないとかの縛りは無し。

技はスラッシュ光線、キャッチリング、八つ裂き光輪、スペシウム光線。

エネルギーが溜まっていないと攻撃力ゼロのウルトラ水流となる。

慌てて水流が出ちゃうウルトラマンが見れるぞ。

 

 

状況によって〇ボタンの効果が変化するので、慣れるまではちょっと手こずる

通常時ならつかみ、敵の攻撃時ならガード、敵が光線を撃つときならバリアとかね。

必殺技を選択できないため、

八つ裂き光輪でトドメを刺したいのにスペシウムになっちゃう……なんてことも。

4足歩行の怪獣には打撃が当たりにくい時も多い。

こういう点でやや遊びにくくもあるが「なりきり感」に関しては文句無し。

 

 

怪獣を掴んで投げたり、押し倒してマウントポジションでボコボコにしたり、

かと思うと逆に怪獣にマウントを取られたり。

土埃や水を巻き上げ、ドタンバタンと地面を転がりながらの攻防が続く。

この感覚がめっちゃウルトラマン!

効果音や重さのある動きも番組そのまんま!

同じ掴みでも方向によって立ち回るが変わるし、

固有のモーションが沢山ある作り込みが凄い。

 

左下のカラータイマーが体力ゲージの代わりで、

どのくらいで負けるのか直感的に分からないのも逆に雰囲気出てる。

カラータイマーが点滅を始めると、

番組でも流れた危機を報せるナレーションが挟まるし

どんどん点滅が早くなっていく中で

スペシウム光線での逆転を決めるとめっちゃ気持ちいい。

 

 

グラフィックに関しては今でも最高峰レベル。

ミニチュアっぽいステージや背景の空気感まで含めて圧巻の作り込み。

『ウルトラマン Fighting Evolution』シリーズも凄かったけど、

怪獣の細やかな動きや質感の再現に関してはやはりこっちだ。

 

 

ペスターがちゃんと「着ぐるみの中に2人入ってる」動きするからな!

凄いこだわり。そしてウルトラマンvsペスターという

本編では実現しなかった対決が見れるのもいいね。

 

原作のペスター、ウルトラマンとほぼ戦わずに自滅しかけて、

トドメだけ雑にスペシウム光線を撃たれて死んだから……。

デザインのインパクトは凄い怪獣だったのに、

そこからまともな戦闘シーンが無く50年以上経過。

しかし最新作である『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』で、

短いがウルトラマンフーマとのバトルがあって視聴者を驚かせた。

全国のペスターファンが目から重油を流したという。

 

 

『ウルトラマントリガー』で

まさかの再登場を果たしたバニラとアボラスも本作で登場!

こちらも原作とは流れが異なり、オリンピック競技場で

ウルトラマン、バニラ、アボラスの三つ巴の戦いになる構成だ。

これはこれで盛り上がる!

 

 

他にも見所満載で、スカイドンの登場エピソードでは

「間違えてスプーンで変身しようとする」ハヤタをしっかり再現。

みんな真似した名シーン!

 

 

そしてスカイドンは重すぎて投げられず、ウルトラマンが潰されてしまう。

こんな描写が満載過ぎて紹介してるとキリがない!

 

 

おまけ程度ではあるが、ハヤタとなってビートルから怪獣を狙撃したり、

地上からスーパーガンで狙い撃つシーンもあるぞ。

やっとウルトラマンのゲームが『THE地球防衛軍』に追いついたか!

(ウルトラマンなどの特撮が元ネタです)

 

 

最終決戦はもちろんゼットン。

今回は正直バルタン星人二代目の方が強い気がするかな。

ここでもゼットンがよく分からない風船から出てくるとか、

火球が科特隊本部に当たると窓ガラスが割れて燃えるとか、

オタクしか反応しない細かすぎる再現が光る。

普通に倒すこともできるが、

原作通りスペシウム光線を使うとカウンターでウルトラマンが倒され……。

 

 

無重力弾を発射するシューティングが!やっぱりこれだよな!

見事ゼットンを粉砕した後に

赤い破片がバラバラ降ってくるところまで再現してるのが嬉しい。

 

 

ゼットンを倒すとウルトラマンとゾフィーで例の会話が!

大分省略されているものの、

「ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったのか」

のセリフはちゃんとある。

これがシン・ウルトラマンでどう使われるのか。

記事を書いてる時点では分からないからドキドキしてる。

 


そしてウルトラマンとゾフィーが帰還したクリア後は、

「帰ってきたウルトラマンモード」が解禁だ!

やったぜ!ジャック兄さん!新マン兄さん!帰りマン兄さん!

この記事では新マンで統一させてもらいます。

クリアした後に帰ってきた!という流れが良いね。

 

 

サプライズ的な隠しモード……と言いたいが、

普通にパッケージ裏に写真が載ってたりする。

 

こちらはステージデモなどは無く簡素な作りだが、

ちゃんと新マンのグラフィックや技は固有になっているし、

敵もタッコング、キングサウルス三世、グドン、

ブラックキング&ナックル星人という面子が揃っている。

 

ただ、コンティニュー不可能なのでかなり手強い作りだ。

やられたらタッコングからやり直し!

新マンは苦戦してナンボということかもしれない。

 

キングサウルス三世の角をちゃんと折れたりこちらも見所あるんだけど、

「帰ってきたウルトラマンモード」入れるなら

メフィラス星人とジャミラ欲しかったなぁ……とはどうしても思ってしまう点。

 

 

その他、怪獣を操作して他の怪獣やウルトラマンと戦う「怪獣天下」モードでは、

なんとピグモンも選択可能!ジャンプ攻撃でダメージを与えられるし、

小さいから攻撃も当たりにくい。ただし1発でも攻撃を喰らったら即死だ!

原作再現?いや原作のピグモンこんな好戦的じゃねーから!

ピグモンでクリアした人間はいるのだろうか……。

いたら小さな英雄どころの騒ぎじゃないぞ。

 

 

「岩投げ」はモードは

レッドキングを操作してタイミング良く岩を投げるミニゲーム。

システムは単純だが、妨害でマグラーが出てきたり、

失敗するとレッドキングが怒ったりしょげたりと見てて楽しい。

ヘルプを表示すると「投げろ!」とだけ怒鳴られたり、

ここだけ演出のセンスが独特。

 

 

怪獣墓場モードでは倒した怪獣のデータが見れる。

ただの怪獣図鑑じゃなくて、

怪獣墓場をビートルで飛び回って怪獣に会っていく構成なのが良い。

ここだけでシーボーズも登場。

とにかく遊び心いっぱいのゲームなのであった。

 

 

なりきり感に全振りしてるのでアクションとしては単調だし、

対戦は怪獣限定でウルトラマンで自由な対戦が出来ないとか、

惜しいところも多いが、

初代『ウルトラマン』の戦いをこの手で再現できるゲームとしては

今見ても凄まじい完成度。

完全にウルトラマン見過ぎておかしくなった人たちが作ってる。

スーパーファミコン版とは別の路線で、こちらも見事な空想特撮ゲームだった!