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【レビュー】小さな街は、猫の大きなおもちゃ箱『Little Kitty, Big City』【Switch/XBOX/PC】

 

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Steam :Little Kitty, Big City

 

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『Little Kitty, Big City』のレビュー行くぜ!俺はXBOXゲームパスでプレイしたぞ。

 


パブリッシャー:Double Dagger Studio

機種:Switch/XBOX/PC

ジャンル:アクションアドベンチャー

発売日:2024/5/10

価格:2600~3480


 

猫になって大都市を探索するアドベンチャーゲームだ。「猫あるある」をギュッと詰め込んだ構成で楽しませてくれる1本。

 

猫を題材にしたゲームは沢山あるが「猫のキャラクター」が主役だったり猫を探すゲームだったりで、「動物としての猫」を操作するゲームというのは意外と少ない。猫の視点で機械都市の行く末を見届ける『Stray』は面白かったし、猫になってひたすら部屋を破壊する『にゃんこラテラル・ダメージ』などはあったが、決定版って感じではなかった。

 

そこにやってきたのがこの『Little Kitty, Big City』!

「猫になって好き放題にするゲーム」としても「戦闘などの殺伐とした要素が無い探索ゲーム」としても良く出来ていたぜ!

 

 

オープニングではマンションの上層階に住んでいる猫ちゃんが寝ぼけて落下!通りすがりのカラスに飛びついたり、窓に引っかかったと思ったら犬に驚かされてまた落ちたり。海外アニメのようなコミカルなドタバタで、なんとか地上に着地してゲームスタート。どういう空気の作品なのか一発で分かる秀逸な導入だ。

 

 

自宅に戻るためにマンションの壁をよじ登る必要があるが、お腹が空いて力が出ないので街で魚を探す。魚を見つけるたびによじ登る力がちょっとずつ上がっていく構成だ。

 

 

つまりスタート地点にある建物の最上階がクリア目標で、街を探索してそこに行くための力を集めるゲームってわけね。

 

 

メインストーリーは普通に色んな動物と会話しながら進めるのでファンタジー。彼らの頼みごとを解決することで魚や新しいアクションが手に入ったり、ファストトラベルが開放されたりする。

 

 

SNSとハッシュタグを使いこなす昆虫とか、登場キャラのクセが強い!

 

 

マップは障害物などで細かく区切られている。

細い通り道を塞いでいるブロックを反対側から回ってどけたり、道を塞いでいる犬にエサを与えてどかしたりと、ちょっとずつ行動範囲を広げていく作りだ。障害物の対処法は周りをグルっと確認すればすぐ分かるので難易度は低め。程よい足止めが探索を楽しくしてくれる。

 

ゲームを進めると本編に関係ない収集物が色々と顔を出すが、マップも手に入るので結構サクッと集められる調整になってる。

 

 

細い場所や高い場所をジャンプで次々に渡る際に、ボタン長押しでジャンプ用のガイドが表示されるのも親切な点。アクションゲームが苦手な人も猫になれる!

 

 

水道管工事の関係という説明はあるが街は水浸し。猫なので水に触るとビックリして後ずさってしまう。ゲームを進めたら、この水を飲み干して消すスキルが手に入るんだな!と思ったらそんなことはなかった。回り道していこう……俺は猫だから……。

 

 

街で突っ立ってると、通行人が触りに来たりスマホで写真を撮りに来るのが細かい。俺は猫だからな。

 

 

そいつらを猫パンチで転ばせてスマホやベーグルを奪い去ることも出来るぞ!俺は猫ではない……悪魔だ!ここまでやっても怒ったりスマホを取り返されたりするだけで、猫に直接危害は加えてこない。優しい世界だ。優しい世界を利用して無法を働いていけ!

 

 

日本風だけどどこか違う街並みも作り込んである。フルカラーのデザインマンホールがあちこちにあるのは実に日本的だ。ファストトラベル用のワームホールになってるから、探すのも大事だぞ。

 

マンホールが移動用のワームホールになってるネコゲーってなんだよって聞かれても困る……!

 

 

街中の細かいオブジェに対するリアクションもしっかり用意されており、コンビニのコピー機に飛び乗るとどんどんコピーされたり、パソコンのキーボードの上に飛び乗ると画面に文字がだーーーーっと流れたり、地面に止まった鳥のスキを突いて襲撃したり(捕まえた後に逃がすだけなので平和的)と、いかにも猫っぽいアクションを堪能できるぞ。

 

 

被り物としてかわいい帽子が何十種類も用意されていたり……。

 

 

エモート操作で伸びや寝転がり、お座りなどの可愛いアクションも出来ちゃう。フォトモードもしっかり搭載してるのが助かるぜ。猫スクショを撮りまくれ!

猫のグラフィックはアニメっぽいデフォルメだが、仕草の細かさはかなり猫感あって魅力的。

 

 

ちょっと写真を撮りたくなるスポットも街のあちこちに存在してる。

街のミニチュアが設置してあるお店で寝てる巨大猫を演出したり。最近のゴジラが似たようなことやってたな……。

 

 

面白いゲームだが難点としては微妙な翻訳。

ちゃんとキャラに合わせた口調になってるので「悪い」と言うほどではなく、カオスな展開も嫌いではないんだが、全体的にテキストがぎこちない。原語だと韻を踏んだ会話やダジャレになってるんだろうな……と想像させるギクシャクした会話が続く。ゲーム自体は小さい子供でも楽しめる内容なのに惜しい。大事なシーンで改行が変なことになってるのもズッコけたぜ。

 

 

ダッシュの説明が「狂ったように走る」なのはちょっと好き。

 

 

クリアするだけなら2~3時間くらいで、実績のコンプを目指しても10時間くらいかな?

ちょっとコンプしてみようという気にさせるコンパクトさが雰囲気に合ってるし、最近のゲームとしては小さいマップも、導線がしっかりしていて密度があるから探索していいて楽しい。猫が主役のゲームとしては程良いスケール感だ。

ゲーム進行に関係ない撮影スポットの多さや、細かいオブジェへの反応など。細かい要素の積み重ねで「猫になって街を歩く楽しさ」を成立させている。

 

値段が値段なのでサブスクで遊んだユーザーとそれ以外で温度差ありそうだが、猫を題材にした探索ゲームとして満足行く完成度だったぜ。