絶対SIMPLE主義

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【レビュー】これ野球のゲームって言える!?『ネコノヤキュウ サイコロプロジェクト』【Switch】

 

ネコノヤキュウ | Nintendo Switch

 

『ネコノヤキュウ』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:イマジニア

機種:Switch

ジャンル:サイコロ野球ゲーム

発売日:2024/6/27

価格:980円


 

『メダロット』『Fit Boxing』『サンリオタイムネット』などで知られるイマジニアが、突如Nintendo Switchで発表した完全新作だ。サイコロで勝負を決める野球ゲームで、かわいいネコミミキャラ達の抗争を描いた内容。こういう謎の完全新作は俺に任せて欲しい。

 

「サイコロでゲームの新しい面白さを提供するサイコロプロジェクト」

の第一弾という位置付けのようだが……第一弾でこれはいきなりやっちまったな!としか言いようがない完成度だったぜ!

 

舞台となるのは5つのエリアで構成されたキャットタウン。

かつては各エリアを支配する王たちによって抗争が絶えない街だったが、全エリアの頂点である「エリア1」からの通達により状況は変わる。

「他エリアへの侵略行為を禁止とする。ただし、5年に一度開催する"KING OF CATS"という大会期間中は他エリアへの侵略行為を許可する」

主人公のゼクスは犯罪だらけの荒廃したエリアに住む住人であり、この大会で勝ち抜くためにチームを結成。平和な世界を実現するために、王へと挑む。

 

と、『HiGH & LOW』と『Gガンダム』を足したようなストーリーになってるぞ。

 

 

ネコミミのキャラ可愛い~!と思って始めたら、やたら殺伐とした空気に戸惑ったぜ!

 

 

メインとなるストーリーモードはエリア5からエリア1までを順番に攻略していく構成だ。バトルは3イニングの野球勝負。お互いに4つの球種から一つを選び、その後にサイコロを振ってヒットになるかアウトになるかが決まる。

 

 

選んだ球種が一致するかしないかでサイコロの出目が変化。

例えばピッチャーがストレートを選んでバッターもストレートを選んだら、バッター側に有利な出目が多くなる。一致しなかったら不利な出目が多くなる。

 

 

簡単に言うと、ジャンケンの勝敗で出目に補正が掛かるサイコロ勝負ってわけだ。

回数が決まってるが絶対にアウトを取れる「魔球」と、魔球に対するカウンターで決まれば必ず点が取れる「魔球返し」。運良く出目で出せるとストック出来て、使うとサイコロを振り直せる「スーパープレイ」といった要素もある。「4番打者」のターンが回ってくると、バッターのサイコロの目が強くなる仕様も。

 

……が、基本はジャンケンとサイコロ勝負なので駆け引きの要素は非常に薄く、淡々とした運での勝負を繰り返すだけ。一発逆転を狙えるような要素が何もないし、キャラ毎の個性は何もない。育成要素やチーム編成などもない。

ストーリーモードは最初のザコからラスボスまで、プレイ感覚がずっと同じですさまじく単調だった。

 

 

ストアページには「野球のルールが分からなくても誰でも気軽に楽しめる!」という文章がある。確かにサイコロ勝負だから遊べるけど、演出がすべて文字でイラストによる描写がない。「野球を知らない人には何が起こっているのか分からないゲーム」にもなってるぞ……。

 

 

ホームランを打っても魔球使っても、画面に「ホームラン」「魔球」などの文字が出るだけなので寂しすぎる。どんな魔球なのか見せろや!魔球(概念)じゃねーか!

 

 

シナリオもまたすごい。野球関連の単語や描写が一切出ず、会話はほとんどタイマンでチームメイトの存在すら不明。「彼は死ぬまで戦い続ける戦闘マシーンになってしまう」ってセリフがあったり、どう考えてもタイマンでの殴り合いじゃないと成立しない場面も多い。シナリオ書いてる人、このゲームが野球ゲームってことを知らされていなかったのでは……?本気でそんな印象を受けるぞ。

 

 

野球のことは一旦忘れても、短いゲームだから展開がダイジェスト並に早いし、その割に終盤は主人公の過去や記憶、人間関係が絡む感動的な展開!をやるので、凄い勢いで置いてけぼりになる。何もかもが唐突!

 

 

2時間掛からずにクリア。

単純で誰でも遊べるゲームを目指した結果、練り込みが甘くてただ単調なだけになっている。悲しいがたまに見かける失敗作。キャラクターやUIのデザインは好みなんだけど、そこ以外は本当に褒めるところが無かった。

 

サイコロプロジェクトの今後が非常に不安になる立ち上がりでした……。