モリシューター!のぞみ | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『モリシューター!のぞみ』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはSwitch版ね。
パブリッシャー:わくわくゲームズ/Wandering Wonder Studio
機種:Switch/PC
ジャンル:シューティング
発売日:2023/10/1(PC)2024/2/1(Switch)
価格:1380~1400円
ワンダリンワンダーが開発するシューティングゲームだ。
敵にモリをぶちこみ、引っ張りながら撃ってやっつけるからモリシューター!
過去作の『パズルバトラー!みらい』からガラッと路線を変えているが、とにかくカラフルでハッピーな雰囲気はそのままだ。
モリを活かしたギミックや遊び心と小ネタが詰まったノリは最高!
ただ、モードや稼ぎのバランスはちょっと気になる作りだったぜ。
前作『パズルバトラー!みらい』に登場した、負債十傑の一人であるのぞみちゃんが主人公。さらわれたヒロインを救出し、大活躍してお金を稼ごう!というストーリーになっているが、会話デモはほとんど無いので分からなくても問題無し。ゆるくて可愛い敵をガンガンやっつけてヒロインを助けるのだ!
全6ステージ構成のオーソドックスなシューティング。開始時に選んだ武器によるショット攻撃と緊急回避のボムに加えて「モリ」を発射できるのが最大の特徴だ。
モリを刺した相手に向かってショットをバリバリ発射して大ダメージ!引っ張って引き寄せられるし、敵に近づけば近づくほど打ち込みでスコアやお金が大きく入る仕様だ。ボスの装甲や弱点にモリを打ち込んで引き寄せられるし、危ないと思ったら一旦モリを離すことも出来る。
「モリで相手を引き寄せながら撃ちまくる」
この要素がしっかり独自性になっている。敵に大ダメージ&得点アイテムジャラジャラの爽快感と、攻撃してくる敵をこちらに引き寄せる緊張感。この両方があるゲームだ。モリで引っ張ることを前提としたボスのデザイン&パーツ構成も面白い。
あからさまに任天堂の方からいらっしゃってるオクトパスの足を、1本1本引っぺがして破壊して大儲け!
中盤からはボスが纏っている破壊不能なバリアを、モリでずらしてから弱点を狙うなど。テクニカルな使い方も要求されるのが良い。
全ステージが文句無しの作り込みで、遊んでいて「次は何が起こるんだ?」というワクワクがずっと途切れない!
3面は巨大戦艦ステージ!
『R-TYPE』から『おしゃべり!ホリジョ!撃掘』までお約束になってるステージだが、船体から巨大コンデンサがニョキニョキ生えてるので、片っ端からモリで引っ張って大破壊!こういうユニークな画作りが最初から続くので飽きさせない。あえてチープな効果音をちょいちょい挟むのも、ゆるい空気にマッチしてるし遊んでて気持ち良い。
オバケの魔法使いみたいな帽子にモリを打ち込んで引っ張ると……。
三角巾が出てきて和洋どっちやねん!ってなるの大好き。
飛んでくるショップに入ると稼いだお金でアイテムが買える『ファンタジーゾーン』的な仕様。1UPやコンティニュー無料の生命保険といった有用なものもあるぞ。
特徴的なのはステージクリア毎に所持金がリセットされる上に、1ステージに1回しかショップが出ない点だ。「モリを効率良く活用して、ショップが出る前に強いアイテムが買えるだけのお金を稼ぐ」を毎ステージ要求されるバランスは手応えあって好き。攻略を頑張ればどんどん有利になるのだ。
ステージを彩る敵キャラや細かい演出まで、とにかく「明るく楽しい!」を貫いたノリが見事。画面切り替え時にかわいい顔がいっぱい並ぶのも。ショップでスマイル0円を注文すると笑顔になるのも、ステージクリアして飛び去る自機に少し遅れてオプションが慌てて後を追う描写も、ボスの体力が残り少なくなると「アトモウスコシダ!」ってボイスのが流れるのも、すべてが愛らしい。90年代アーケードゲーム的な小ネタも山ほどあるぞ。
ただ、クエストモードとアーケードモードに分かれているゲーム構成があまり活きてない。
どちらもステージは同じで、クエストは素材集めと武器製作、ショップでの永続パワーアップ購入などの要素があり、進捗はアーケードにも反映される。アーケードが難しかったらクエストを遊ぶと簡単になるし、新しい武器も手に入るというわけだ。
しかし、クエストでは次のステージに進むために地図を買う必要がある。
1ステージクリアで溜まるお金が17000円くらい。先に進むための地図が39000円スタートで進むと値上がりするし、更に武器を作るための工場解禁が30000円、シークレットアイテムを見つけるためのセンサーが96000円、永続で残機1UPが20000円などなど。何回も同じステージを遊ぶことになるし、1ステージ10分くらいあるのでダレる。
その上で武器を制作するための素材がかなりの量必要となる。
全体的に全6ステージというゲーム構成と稼ぎ要素のバランスが噛み合っていない。
『パズルバトラー!みらい』は育成要素がメインでそこが楽しいゲームだったが、本作はあくまでも昔のゲームセンターのシューティング的な作りなので、そこにズレがある。
これならアーケードとクエストを分ける意味なかったと思う。「アーケードの攻略がんばるぞ!」とアーケードを繰り返し遊んでも、クエストで使うお金や素材は一切貯まらないからね。
ミニゲームの手作り感溢れるラッキーボールも非常に可愛く最初はテンション上がる。が、ボタンを押してボールを発射するだけの作業を、毎回30回くらいやるだけなので早々に飽きる。クエストモードはこれやらないと素材が全然集まらないのがキツいぜ。
アーケードモードには地図の要素など無く、普通のシューティングとして遊べるのでクエストモードは無視しても良いんだが、そうなると武器が初期3種類から増えず、新武器は派手なものも多いから勿体ない。やっぱりアーケードとクエストに分ける必要無かったって!
シューティングとしては面白いんだが、敵を倒した時のメダルや得点アイテムが少し見辛いのも気になった。ちゃんと気を遣って明度を落としてるものの、緑や紫など色取り取りで、ラッキボール用のボールは鮮やかな赤。
「敵を引き寄せながら戦う」というシステム上、至近距離での弾避けをする機会が多いため、カラフルなアイテムがジャラジャラ出るとちょっと混乱するね。
アーケードモードは難易度が3段階あり、イージーモードにすると敵が弾ではなくフルーツを出すようになる。ステージの雰囲気だけを気軽に楽しめるのは良いんだが、さすがに簡単すぎるのでノーマルとイージーの間にもう一段階欲しかったな。
フルーツの中にチクワが混じってるのは笑った。ファミコン版『忍者ハットリくん』じゃねーか!
クエストモードの仕様に勿体無さがあり、1周50分~1時間もやや長め。しかし作り手の遊び心を浴びるようなゲーム構成は最高に楽しく、エンディングまで見て満足した。コミカル系のシューティングでここまで作り込んであるのはレアだぞ。
ビジュアルに惚れたら買ってみてくれ!