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【レビュー】少女たちよ、再び絶望と税金に抗え!続編として見事な『救国のスネジンカ』【PS5/Switch/XBOX/PC】

 

救国のスネジンカ | Game | PLAYISM公式サイト

 

救国のスネジンカ:Sentinel Girls2

 

『救国のスネジンカ』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはPS5版ね。

 

パブリッシャー:hinyari9/PLAYISM

機種:PS5/Switch/XBOX/PC

ジャンル:2.5Dハイテンポシューティング

発売日:2024/8/27(PC)2025/2/13(PS5/Switch/XBOX)

価格:790~1180円

 

ディストピア世界を舞台にした防衛シューティングだ。

パン屋の娘であるスネジンカを操作して、迫りくる機械兵器軍団から門を守り抜くゲーム。2.5Dのドット絵で表現されたビジュアルと、魅力的な登場キャラたち、民間軍事企業の有期契約社員として戦う世知辛い現実、鬱展開を手軽に摂取できることに特化したシナリオなどが特徴になってる。

 

『溶鉄のマルフーシャ』の続編で、今回はマルフーシャの妹であるスネジンカが主人公。「遊ぶなら絶対に前作からやれ!」という作りになっているぞ。

 

・俺のレビュー

少女たちは戦う。絶望と、あと税金と。『溶鉄のマルフーシャ』レビュー!【Switch/PS4/PS5/Xbox/PC】 - 絶対SIMPLE主義

 

基本は前作のまま、ゲームの幅を広げる様々な要素が導入されている正当続編。

今回も面白かった!

 

 

ストーリーは前作からの続き……かな?

特殊部隊「溶鉄」に配属されて命を削る前作主人公のマルフーシャ。

ついに連絡も取れなくなってしまった彼女を連れ戻すために、妹のスネジンカは民間軍事企業の契約社員となって戦地へと赴く。戦況は芳しくなく、プロパガンダが乱舞し税金は高く舞い上がる。果たしてスネジンカは姉に再会することが出来るのか!

 

というストーリーになっているぞ。

 

 

基本的なゲームの流れは前作とまったく同じ作り。

画面左の防衛対象に向かって敵国の機械兵軍団が押し寄せてくるので、左右に移動してスティック操作で銃を撃ちまくって守るゲームだ。自分に当たり判定は無く、防衛対象を破壊されたらゲームオーバー。やってくる敵をすべて迎撃するとその日は終わりで翌日へと進む。

 

全100日の防衛線を描く構成で、1日=1ステージは1分も掛からない。10秒と掛からず終わるステージも少なくないのでハイテンポだ。

 

 

毎日給料が支給されてゲームが進むと金額も増えるが、並行して天引きされる税金もモリモリ増えていく。全然支給額が増えない!「個人事業税・インボイス」とか前作に無かったタイムリーな世知辛さも追加だ!

 

 

給料の後は買い物タイム。ランダムで3つ選ばれる強化カードから1つを購入可能だ。

新しい武器やステータスの強化、設置メカ、使い捨てのサブウェポン、仲間の徴兵、特に意味は無いけど自室をうろつくペットの犬などなどだ。

 

武器に耐久度が毎日減っていき、0になると壊れて初期の武器のハンドガンで戦うハメになる。タイミングを見誤って交換できないと悲惨。カード選択のタイミングが最重要になるバランスだが、今回はカードの引き直しに掛かる金額が前作の5円から2円に下げられた。このおかげで狙った育成がしやすくなったぞ。

 

 

仲間は最大で1人のみだが、撃ち手が1人増える効果は絶大なので早期に入手したい。

加入時にセリフがあるし、日数経過でちょっとしたイベントもある。問題児だらけで印象に残るし、選んだ仲間によってエンディングも変化するぞ。

誰を地獄への道連れにするか。選ぶのは君だ!

 

 

数日おきにやってくる休暇では、部屋で様々な行動を取ってステータスを上げられる。内職でお金を稼ぐのが無難な選択。でもついシャワーが浴びたくなっちゃう。

 

今回も内装からゲーム内の世知辛い社会情勢がにじみ出ており、テレビからは最前線で無双するマルフーシャのプロパガンダニュースがずっと流れている……!早く寝よ!

 

 

前作同様にシューティングとしてはゆるい作り。

操作キャラにはダメージ判定が無いから無茶な突っ込み方しても平気だし、効率よく成長出来ればとりあえずバンバン撃ってるだけで勝てるぞ。

敵を倒した時の効果音やエフェクトが良く出来てるし、仲間やドローンと一緒に弾幕を張って敵を蜂の巣にするのも気持ち良い。BGMも世界観とノリノリでめっちゃカッコイイ。

手軽に敵を撃つ爽快さを味わえるゲームってわけだ。

 

ハンドガン、サブマシンガン、ショットガン、スナイパーライフル、グレネードランチャーなどが揃った武器は前作から大幅に種類が増加。それぞれに性能違いが最大で3種類存在し、上位互換の高性能バージョンも1種類ある構成だ。

 

例えば初期武器で弱いハンドガンもCタイプだと侮れない火力が出たり、色々と試したくなる作り。前作はすべて使い捨てだったサブウェポンも、今回は一定時間経過で再使用可能になる青ガジェットが登場。

 

一度ゲームをクリアすると、最後まで一緒にいた仲間の特性をスネジンカに付与できる要素もある。システムは単純さはそのままで戦略の幅が広がっているね。上手く使えば火力が大幅アップ!機械軍団全滅だ!

 

 

定期的に砲撃をぶちかましてくれる戦車と一緒に戦うステージがあったり、仲間以外でのストーリー分岐が用意されていたりする点も前作からパワーアップした点だ。

 

守るゲームなのでどうしても背景が地味になりがちだが、今回は解放感のある場所が多くて良いね。まあストーリーはどんどん陰鬱な方向に突き進んでいくのだが……破滅に向かい突き進む運命!

 

 

今回も登場キャラはクセ強な美少女揃い。

イベントは加入時と休暇の際の会話、エンディングくらいで分量は多くないんだが、それぞれの性格、コンプレックス、過去を無駄なく活かした地獄のような展開が待っており、白目を剥きながら「よくこの要素をこんな悪趣味な使い方出来るな!見事なお手前で……」と言いたくなるシナリオになっているぞ!

 

1周が短いゲームだから、鬱展開の味付けを濃くしてプレイヤーの脳を破壊するスタイルは前作と変わらずである。

 

 

達観していてやや辛辣さもあったマルフーシャに比べると、スネジンカは丸い性格。同僚に振り回される姿が愛らしい。

 

 

パン屋の娘なので、パンをこねるイメトレをするイベントもあるぞ。やっぱりこれがないとな!

 


最初の先輩であるダチカちゃんは黒板を引っ張り出して基礎知識を教えてくれるんだが、絵が下手……!

 

 

横に書かれた謎生物にスネジンカが困惑してると悲しそうな顔になり、それを見たスネジンカが焦って考えを巡らせるイベントがいきなり面白い。

 

 

メインのモードで使用可能できるのはスネジンカだけだが、チャレンジモードではすべての仲間キャラが操作可能だ。前作同様、特定の仲間キャラで隠しイベントが発生する要素も。

 

 

クリアするだけなら1~2時間くらい。エンディング全部見ると4時間以上は掛かるかな。

システムが単純なのでエンディングコンプを目指すと作業になっちゃうのは前作同様だが、スネジンカ視点で前作主人公のマルフーシャを追う構成や、数々の新要素、今回も細部まで作り込まれてる背景や図鑑など。見所が満載で新鮮な気持ちで楽しめた。


前作に比べると明確に「救い」のあるストーリー構成になっているんだが、それがまた新たな絶望に繋がる構成でもあり……やっぱりこのシリーズは色々強烈だぜ。

 

メカを爆発四散させる爽快な銃撃戦と鬱展開を手軽に摂取できる防衛シューティングとして、今回も満足。前作プレイ済みなら是非遊んでもらいたい。未プレイなら前作からやってくれよな!