カラス3DSのレビュー行くぜ!
Karous-The Beast of Re:Eden- Official./
カラス ザ ビースト オブ レデン オフィシャル
カラス ザ ビースト オブ レデンは
株式会社クロンから1月23日に6090円で発売された3DS用シューティングゲーム!
元々はマイルストーンというメーカーからアーケードや家庭用で展開されていたタイトルで、
開発していたスタッフが権利と一緒にクロンに移籍。
3DS向けに新規で作られたシリーズ最新作がこのカラス3DSというわけなのでごじゃるよ。
全ミッションクリアまで20時間ちょっとかかった。
舞台は地上と天界の二つに分かれた世界!
施設で実験台として生きるフロンとタリスは「最後の楽園」を目指して脱走を決意する!
世界観やストーリーは公式サイトには色々書いてあるけど
ゲーム中はほとんど説明が無いし説明書にも一切解説が無いので先に公式を見よう。
カラス本編とも繋がっているがまあ単体でも大丈夫。
というか本編も3DSも本当に説明が少ないからどっちにしろよく分からないぞ!
2Dシューティングだが、
メニュー画面からミッションを選択してクリアしていく構成で全101ミッション。
ソード、ボム、ショット、シールド、特殊効果のあるアイテムの5種類の武装を選択して出撃する。
アイテム以外の武装は使えば使うほど経験値が溜まってレベルアップしていき、
これは途中でミスしても引き継がれるので死にまくってても強くなる親切設計。
親切設計ではあるんだけど後半の難易度はかなり苛烈。
操作は方向キーかスライドパッドで移動、
Aボタンでショット、RかBボタンでソード、LかXボタンでボムとなっているが、
これはキーコンフィグで自由に変更可能だ。
ボムはアイテムではなく時間経過で使用可能になり、10秒と掛からずに再装填される。
シールドは1秒ほど攻撃操作をしないと自動で張る。
要はバリアなんだけど、敵弾を弾き返す上に絶対に壊れないので使い放題。
すぐ再装填されて撃ちまくれるボムに、
使い放題な上に絶対壊れないシールドとか他のシューティングじゃありえない高性能。
敵はもちろんこのボムとシールドの存在を前提にした攻撃をしてくるんだけども!
ミッションは1~3分ほどで終わる短いものばかりで、
「ショットで敵を100体倒せ」などの単純なものから、
「出てくる敵を80パーセント以上倒せ」「特定のアイテムを装備して戦え」
「特定のボムを○○回使用しろ」「敵弾をシールドで100発受けろ」などの捻ったものまで様々。
下画面には残り時間が分かるTimeゲージの下に、
ミッション条件を満たしていくと伸びていって最大でクリアになるRateゲージがあるので
一目で進行状況が分かるのが地味に秀逸。
強力なシールドとボムがあるので一見簡単そうなゲームに思えるが
制限時間が厳しくて速攻でクリアしないといけなかったり、
敵には属性があって「ソードじゃないと倒せない」「ショットじゃないと倒せない」
「シールドで殴らないと倒せない」などに分かれているので武装の使い分けが非常に重要。
ボスのパーツなんかも属性別で分かれてて一つの武器だけじゃ倒せないようになってる。
攻撃が効いてるかどうかは赤く光ってるかどうかで判断。
最初から最後まで「敵による武器の使い分け」を物凄く意識させられるゲームだ。
難しいミッションはこの武装と敵の組み合わせというパズル的な要素を見切った上で、
何度も死んで自分なりの攻略パターンを見つける必要がある。
ボムは「ボムの範囲内は無敵」「ボムの範囲内は無敵で範囲内の敵にダメージ」
「ボムの範囲内は無敵で範囲内の敵にダメージ。さらに毒で継続ダメージ」などの種類があるが、
弱いボムほど再装填までの時間が短いという特徴があるので、
ちょっと弱いボムを装備して使いまくった方がいいミッションがあるとか。
ソードを振ってる間はボムを撃てないという仕様。
しかし「攻撃を受けると自動でボムが発動する」というオートボムアイテムを装備してる状態だと
ソード振ってる間でもオートボムってくれるので、
ソード主体で戦わないといけないミッションだとこれがかなり有効だったりとか。
こういう武装の組み合わせと使い所を自分なりに見極めて攻略していくのが楽しくて、
1ミッションが短いせいもあって何回も何回もプレイしてしまう。
単純に敵を倒せばいいものも多いし、
そういうミッションはショットやソードの大技連発でバリバリ破壊しまくれるから爽快。
プレイ中には下画面にはランダムでメッセージが表示されるんだけど、
この中に攻略のヒントになってるものが混じってたりするのも面白い。
一度見たのはメニューで確認可能なので読み返してみると意外なヒントがあったり。
ゲーム進行や武器の成長率に応じてどんどん新しい武装が増えていくのもいいね。
シールドの最終段階なんて歴代シューティングゲーム史上最強のシールドと言っていいレベル。
R-TYPEのフォースでもあんなに強くねーよ!
ソードも最初は斬るだけなのに、
最初の一撃を振り終わった瞬間に攻撃ボタンを押しなおすと回転斬り。
回転斬りを出さずにボタンを押しっぱにすると溜め。
溜め中にソードボタンで突き。
突き中にソードボタンで無敵突き。
溜め中にショットボタンで波動斬り。
溜めたままで溜め大斬り。
とか最終的にアクションゲームみたいな分岐の増え方をする。
こんな2Dシューティングゲームはカラス3DSくらいだろう!
ここら辺はタイミングがシビアというわけでもないし、
暴発しないように使わないものはOFFにしたりもできるので安心して欲しい。
基本的には波動斬りが超強くて連発で敵を一掃していくのが非常に爽快なんだが、
突き攻撃で確実に中型の敵を破壊しないと厳しいステージもあったりで使い分けが重要。
無敵突きの無敵時間を利用して敵弾ごと敵を貫くのも楽しい。
たまにミスって死ぬところも含めて。
下画面に表示されるメッセージとは別に
メニュー画面にタイムラインボタンというものがあって、
これをタッチすることでツイッターのような呟きが表示されて流れていく。
メッセージとタイムラインは発売前にユーザーから募集したものが大半で、
入れられるだけ入れたらしく、総数1000種類以上と結構な数になってるぜ。
ただ、ゲーム中にランダムで流れるメッセージと、
メニューでボタンを連打しないといけないタイムラインが完全に分かれてるのはよく分からん仕様だな……。
文章自体はユーザーから募集しただけあってパロネタから意味不明なものまで個性的でいいのに。
ちなみに俺が投稿したものがこちらの2つになります。どちらもメッセージの方に収録。
スタッフクレジットにも名前載っていた!ありがとうクロン!
欠点を挙げるとまず処理落ち。
ほとんどスローモーション状態……ってほど酷いわけじゃあないんだが、
ちょっとしたことで処理落ちするので攻撃が激しくなる中盤以降は常に処理落ち状態だ。
中盤からは敵の弾が明らかに「処理落ちした状態で普通くらいの速さ」に設定されていて、
このせいで処理落ちが切れた瞬間に高速で弾が突っ込んできて死んだりする。
弾を避けるのではなくシールドとボムで弾を消すのが前提のゲームなんだと理解すると
死亡率もグッと下がってくるんだが、さすがにもうちょっとなんとかして欲しかった。
ゲーム中はポーズ不可能、リトライ機能無し。
でもタッチパネルに自爆ボタンはあるという謎仕様は本当に疑問。
自爆から再スタートまでのテンポが格段に良いのでそこまで気にはならなかったけど、
そこは素直にポーズとリトライ機能搭載で良かったと思うよ!
ミッションの難易度にかなりムラがある点も気になった。
ミッションは全部クリアしなくても先に進めるんだが、
明らかに「無視して先に進んで手に入れた武装の装備が前提」とか
「最高ランクに育てた武装の装備が前提」としか思えない難易度のミッションが結構あって判断が難しい。
特に中盤の「シールドで弾を○○発受けろ」系のミッションは
最終段階まで育てたシールドがあると楽勝なんだけど無いと地獄というバランス。
同じミッションは何度でもプレイ出来るので成長させようと思えばそこまで時間は掛からないんだが、
初見じゃ分からんし絶望が濃いぜあれは。
バランス調節も欲しいがミッション説明に難易度表記をするとか、
クリアしなくてもいいミッションなのか、クリアしないとダメなミッションなのかを
分かりやすく表示するとかも欲しかったね。
あと偵察機の防衛ミッションはいい加減にしてください!偵察機なんだから偵察しろや!
画面が微妙に斜めから見た視点になってるせいで
慣れるまで移動出来る範囲や自機の当たり判定が非常に分かりにくいのも辛い点。
立体視非対応なんだけど、最初は対応させるつもりで開発しててそのなごりとかだろうか……。
すれちがい通信をしないとおまけの画像が解禁されないという要素も好みが分かれそう。
16種類の画像があるが、
俺みたいに全ミッションクリアしてすれちがいに4回成功した程度だと4枚しか解禁されない!
おまけだからと割り切っていたつもりだったけど画像がどれもいい感じなので歯がゆい。
提示された条件を満たすたびにチェックマークがつくアチーブメントという項目が200種類以上あって
「この条件を満たしやすいミッションと武装は…」なんて悩んだりも出来るし
全ミッションクリア後も遊び続けられる良いやり込み要素なんだが、
「○○回すれちがう」って項目もあるのでコンプリートの難易度は極めて高いのだ……。
「100時間遊ぶ」って項目もどうかと思ったけども。ダメな実績の見本みたいな項目だ!
プレイ統計が確認出来るのは地味に嬉しい。
不親切な点や荒削りな作りは目立つが、
ぶっ飛んだ自機の性能と多様な攻撃方法、敵の行動パターンや耐久力、ミッション条件を見極めて、
短いミッションに何度も挑戦し攻略していく構成は中毒性があって楽しく、
「なんて難しいミッションだ!もう1回!」なんてやってるうちに時間がモリモリ吸い取られていく。
デビュー作であるカオスフィールドから評価され続けている音楽は今回もスルメ的な味わい。
アーケード用のシューティングではない、
まさに家庭用ゲーム機向けの新作だからこそ出来る要素と個性に溢れた意欲作だ。
誰にでもオススメとはいかないが興味を持ったら是非やって欲しい一本だぜ。