ピンチ50連発!!のレビュー行くぜ!
ピンチ50連発!!はモバイル&ゲームスタジオから9月24日に500円で配信された3DS DLソフトだ!
3DS DLソフトだとチャリ走やドーパミックス。SIMPLEシリーズだとTHEパーティ右脳クイズでお馴染みだな。
ジャンルは2Dのアクションゲーム……。
いや、公式と説明書によると「シネマティックピンチ切り抜けアクションゲーム」だ!
飛行機事故でとある島に不時着したトレジャーハンターが主人公!
転がってくる大岩!弓を放つ現地の部族!ゾンビ!ワニ!怪物!
襲い掛かるピンチをすべて切り抜け、全50ステージをクリアすればゲームクリアだ。
操作方法は十字キーで移動!Aボタンでジャンプ!Bボタンと十字キーでダッシュ!
あとはプレイヤーであるキミ自身の手で見つけ出してくれ!
説明書にそう書いてあった。
内容としては近年のダウンロードゲームに多い
「一撃死で初見殺し多いけど、手前からすぐ復活出来るのでちょっとずつ覚えて進める2Dアクションゲーム」
だな。
ひたすら画面右を目指して突き進む。
敵を攻撃することは一切出来ず、ジャンプやダッシュで避けるのみ。
全50ステージだが1ステージは短く、死んでもそのステージの最初から無限に復活出来る。
ツタからツタへ飛び移ったり、動き回るリフトを乗り継いだり、
敵の配置や攻撃パターンを見切ってピンチを切り抜けていくのだ。
ゲーム自体はオーソドックスで、スーパーマリオっぽいギミックもチラホラ。
操作はややクセがあって、高いところから飛び降りるとしばらく動けなくなってしまう。
走ってると息が切れてきて、そのまま走り続けているとゼェゼェ言い出してやっぱり動けなる。
この辺の感覚を掴まないと、大岩から逃げてる最中に息が切れて死亡!したりする。
またこのトレジャーハンター野郎がすぐ息切れるんだわ!もっと鍛えておけよな!
崖の端っこに捕まってよいしょ!と上に登れたりと、
操作感覚はプリンスオブペルシャっぽい手触り。
動きが細かいとこも含めて昔の洋ゲーっぽいと思う。
全50ステージは1から50まですべて地続きになっていて、
チェックポイントでもある数字の書かれた看板で今何ステージかを判断するだけ。
全体マップみたいなものは無い。
ついでに言うと「各ステージに配置されたやりこみ要素」とか、
「各ステージに用意された規定タイムより早く進むやり込み要素」とか、
そういった要素は一切無い。
あるのは全50ステージを通したクリアタイムの表示と、それのオンラインランキングだけだ。
ほとんどお約束のようにとりあえずこういうやりこみ要素を導入するゲームが多い中、
そういう要素を一切入れずにシンプルにまとめてある。
「このゲームにあるのは沢山のピンチとそれを切り抜ける勇気のみだ!」という気合を感じるぜ。
ちなみにオートセーブなのでゲームをやめても最後のチェックポイントから自動で再開できる。
インディージョーンズや川口浩探検隊(PVは完全にコレだな)みたいなノリの即死ゲー。
こう書くと非常にベタベタな内容なんだけど作りは非常に丁寧だ。
どうやって後ろから転がってくる大岩から逃げられるか?
トロッコに乗った状態でどうやってトラップを避けるか?
どのタイミングでジャンプすれば敵から逃げ切れるか?
何度も何度も死にながら、こういったピンチを一つ一つ突破していく。
敵やギミックの配置が丁寧で上達する楽しさがしっかりと味わえるバランスになっているし、
同じギミックが再度出てくるステージでも、
見せ方や配置を工夫して飽きさせない作りにしてるのが上手い。
一見ムリだと思えるステージも
「この操作でこんなアクションが出来るのか?!」
「だったらこれであそこを通れるんじゃないか?!」
といった気付きでクリアできることも。
基本操作以外の主人公のアクションと、その活用方法を見つけ出すことも含めて冒険だ!
操作にクセはあるんだけど決して操作性が悪いわけではなく、
息が切れるまでの時間や、主人公のアクションの挙動を繰り返しのプレイで感覚として掴めてくると、
どんどん軽快に進めるようになっていく。
基本は無音、何かピンチが襲い掛かると緊張感のあるBGMが流れ出すという構成もシンプルながら効果的。
大岩が転がってくると同時にBGMが切り替わったりね。
ステージ間のチェックポイントである看板が出現した時に流れる
「ファ~~……(テロリロテロリロン)」という、
砂漠でオアシスを見つけた時に流れそうなSEも素晴らしく秀逸。
難易度の高いゲームなので、
死にまくった後にこのSEと共に現れるチェックポイントの看板がホッとするのなんのって。
死ぬ度に発せられる主人公の「アアアアア~~~~~~ッ!」という断末魔や、
息を切らしてる時に「ゼェ…ゼェ…」という声も悲壮感が溢れてて妙に耳に残る。
誰がやってるんだろうと思ったらゲームデザインとコンセプトデザインの人がそのまま声もやってた。
あなたの断末魔だったか。
これはイルベロ3DSと並ぶ「ニンテンドー3DSの二大断末魔」に認定していい声だと思うぞ!
見た目はショボく感じるかもしれないけど、
アクションとこの音周りの作りが実にうまくてハラハラさせられてしまうのだ。
「交響組曲第一番~50番目のピンチ~」というふざけた名前で
「ピンチ~ピンチ~ピンチ~!」というこれまたふざけたコーラスから始まるメインテーマも、
なんかやたら壮大でやたら良い曲だからやってくれるぜスーパースィープ!
スタートボタンを押すと「ぽ~ず!」というボイスが再生されるんだけど、
複数種類があって押す度にランダムで再生される謎の小ネタも好き。
そんなゲームで俺のクリアタイム3時間26分で死亡回数849回だった。
なかなか面白いゲームだったけど難しいところもあったし1回クリアしたからもういいか。
……と思ったんだけど、
最後のあの演出とクリア後に解禁されるネットランキングを見て、
「トロッコに乗ってる時の操作を勘違いしてなければ1時間は短縮できたかな…」
なんて1人反省会を始めたら止まらなくなってしまった。
1周目クリアと同時にそのまま2周目をプレイ開始!
トラップや敵の動きなどそこまで細かく覚えていたわけじゃないのに驚くほどスイスイ進む!
頭ではない……指が!体が!ピンチと向かい合った時の動き方を覚えているのだ!
ぶっ通しで2周目クリア!クリアタイムは1時間21分!死亡回数は287回!
全国ランキングは190位辺りだったが満足して眠りについた。
いやあ、クリア後に「よしもう一回!」とプレイし始めて
ぶっ通しで2周目クリアしちゃうゲームなんて本当に久々に遊んだわ。
欠点は敵やギミックの種類がもうちょっと少し多かったら…ってくらいで、
実に丁寧な作りの覚えゲーになっているぜ。
右に進むだけの1本道だけど、ステージ1から50まで地続きの構成のおかげでなんか冒険をした!感があるし、
地続きの構成自体にもちゃんと意味がある。
見た目の地味さとクセのあるキャラの動きなどでやや人を選ぶ点もあるが、
遊べば遊ぶほど作りの丁寧さがジワジワと伝わってくる1本。
3DSのダウンロード専用ソフトも最近はローカライズやスマホからの移植がかなり多くなって来てるので、
日本のメーカーの完全新作でこういう快作が出てきたのは嬉しいね。
良いノリの紹介映像と、専用のオリジナルステージという、
どぎめぎインリョクちゃんばりに太っ腹な体験版も用意されている。気になる人はチェックだぜ!