-CHASE- 未解決事件捜査課 ～遠い記憶～ ｜ ARC SYSTEM WORKS
CHASE 未解決事件捜査課 ～遠い記憶～のレビュー行くぜ！
タイトル：CHASE 未解決事件捜査課 ～遠い記憶～
メーカー：アークシステムワークス
機種：3DSダウンロード専用ソフト
ジャンル：ハードボイルドアドベンチャー
配信日：2016年5月11日
価格：800円
ウィッシュルームやアナザーコードなどで多くのファンを獲得し、
惜しまれつつも解散した「CING」の元スタッフが手掛けた完全新作でハードボイルドなADVだ！
東京第三警察署にある未解決事件捜査課。
名前は立派だが所属している刑事は二人だけで、来るのはいたずら電話ばかりのお荷物課。
そこに飛び込んできた、5年前の爆発事件は殺人事件だったという謎めいたメッセージ。
所属しているやる気の無い変人刑事の七瀬祥之介と、
自称エリートで最近配属されたばかりの女刑事である雨倉香都の二人は捜査を開始する！
というストーリーで、間違えずに選択肢を選んだり、写真を調べて証拠を探したり、
選択肢を選んでこれまでの情報を整理したりして進んでいく昔ながらのオーソドックスなADVだ。
選択肢を間違えた際にちょっとしたやり取りがあったりはするが、
シナリオ分岐なども無く、完全な一本道。
期待していたキャラの会話や雰囲気はなかなか良かったぜ。
どうせいたずら電話だろ！というところから、
一生懸命な雨倉刑事の頑張りで少しずつおかしなところが見つかって
ちょっとやる気出した祥之介が推理をキメて「殺人事件」に繋がり、
関連して色々な裏が見えていく王道的な作り。
容疑者を招いての聞き込みを行うパートもあり、
バカな容疑者が出てきて呆れながら対応する祥之介とか、
ちょっと笑えるシーンもあってテンポ良く進む。
公式のショートストーリーはちょっと緩すぎるように思えたがゲームだと悪くなかった。
祥之介と、5年前の爆破事件に巻き込まれて心に傷を負った少年のやり取りも良かったなあ。
なかなかグッと来たよ。
ほとんどストーリーが警察署内だけで進むかなりの低予算っぷりだが、
LIVE2Dでキャラの表情や仕草が細かく変化するしグラフィックは上々。
祥之介のタバコを吸う動きとか、
祥之介に振り回されていやそうな顔する雨倉ちゃんとかいい味出してるぜ。
ちょろいな……。
そんな1本。
昔ながらの2Dアドベンチャーゲームで
しかもハードボイルドな内容の完全新作ADVというのは嬉しかったし、
キャラの見せ方や立ち位置なんかも良かったと思う。
……が、最大の問題はストーリーが全然完結してない上にゲームが1時間ほどで終わること。
思わせぶりな演出など伏線を張るだけ張って、今回の事件は一応解決するんだけど
重要な部分はほとんど明かされないままスタッフロールへ。
選択肢や推理パートの難易度も低いし、ストーリー分岐もないからアッという間に終わってしまう。
「新作ADVの1話だけをプレイさせられる」みたいな内容だ。
キャラや雰囲気は良かったんだけど短すぎ、
続編に投げ過ぎで本当にそこら辺しか語ることができない。
いくら800円でもちょっとこれはなあ。せめてもう1話あれば。
クリアまで短くてもしっかりまとまってて満足度が高ければ文句無かったし、
逆に続編前提でもそれなりに遊ばせてくれるのなら、それはそれで良かったんだけど、
短い上にスッキリしないまま終わって、
いつ出るのか、そもそも発売されるかも分からない続編に持ち越しというのは擁護できない
せめてタイトルに「第一話」とか「プロローグ」とか付けるべき。
インタビューではシリーズ化を目指してるとか言ってたが、
そもそもこれで続編出なかったらただの詐欺！
ちゃんと完結しなかったら「CHASE 未完結事件」って煽っていくからな！
というわけなので熱心なアドベンチャゲームファンで
800円を今後のシリーズ展開への投資と割り切れる人でもない限り、
買うのはちゃんと続編が発表されてからで良いと思うぜ……。
