Zombie Police ~ゾンビ刑事と踊るクリスマス~公式サイト
Zombie Police ~ゾンビ刑事と踊るクリスマス~ | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
Steam:Zombie Police ~ゾンビ刑事と踊るクリスマス~
『Zombie Police ~ゾンビ刑事と踊るクリスマス~』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはNintendo Switch版ね。
パブリッシャー:ALTERCIWS/Lobstudio
機種:Switch/PC/iOS
ジャンル:ミステリーADV
発売日:2025/4/3(Switch)2024/8/8(PC)
価格:1500~1980円
新米刑事とゾンビ刑事のコンビが事件に挑む!コメディ要素強めのミステリーアドベンチャーゲームだ。
開発は『SILENT HILL: The Short Message』、『ツインエンジェル』シリーズ、CS版『ひぐらしのなく頃に』などのシナリオを手掛けた合同会社オルタシウスと、ロブスタジオ株式会社の共同開発。
ゲームとしてはオーソドックスながら、テキストと演出の巧さで引き込む内容で満足度高かったぜ!コメディ要素強めと言ってもしっかりサスペンスしてる!UI周りの不安定さなどは惜しいところだったな。
舞台は連続テロの影響で、現実よりも警官の殉職率が高くて人手不足な日本。
研修を終えた新人刑事の田村ヤスは、有能刑事だけど本物のゾンビである屍 明美(かばね あけみ)とコンビを組むことになる。ゾンビらしさを活かしたフリーダム過ぎる捜査方法に振り回されるヤス。12月1日に配属された新人は12月24日に殉職or退職となるジンクスもある部署で、ヤスは生き残ることが出来るのか!
というストーリーだ。
「屍 明美(かばね あけみ)」という名前がインパクト強すぎるゾンビ刑事。
見た目は普通の女の子だが首がすぐ取れるし自分からも取る。ゾンビなので記憶を維持できないとか、体の死蝋化が進んでるなど大分ガタ来てる。
そんな設定だと絶対に「記憶を維持できないゾンビ刑事がヤスの名前を憶えていた!感動!」というエモいシーンがありそうだが……その辺は君たちの目で確かめてみてくれ!
ゲーム自体は田村ヤス視点で進行する。
様々な事件に挑むADVで作りはオーソドックス。あちこち移動して聞き込みをして証拠となるTIPSを集める。証拠が集まったら推理パートに突入して真相を明らかにしたらシナリオクリアだ。一度聞いた証言にはチェックマークが付くのが親切。
推理パートはTIPSを見ながら正しい選択肢を選んでいく仕様。証拠が集まってない場合でも突入できるのが豪快な仕様である。選んだ選択が事実から大きく外れているとバッドエンド……と言っても大分メタギャグよりのバッドエンドになってたりするが。
ちゃんと推理しないと解けないバランスだが、どうしても分からない場合の救済措置もあるぞ。
調査中の掛け合いが非常に楽しいゲームで、不審な飛び降り事件を調べるために、ゾンビ刑事がいきなり飛び降りてヤスがパニックになったり持ち味を活かしてる。
ゾンビ刑事が実際に飛び降りてバラバラになってみたら位置がおかしい!証拠ゲットだ!めちゃくちゃ体張ってる!
ノリが軽いカフェ店員に話しかけられて、こっちもノリ良く返すゾンビ刑事のシーンも笑える。関係者もモブキャラもクセモノ揃いだ。
ケモノミミ娘は半人間ジャンル派ですね……。
登場キャラの覚えやすいネーミングも印象に残る点。
エナドリばかり飲んでて、事ある毎にエナドリの缶を握りつぶす先輩刑事が「江名(えな)刑事」だったり、ヤスの上司である課長が「植野(うえの)課長」だったり。犯人候補の苗字の最初の1文字が「東西南北」「大中小」だったり。
こういう分かりやすいネーミングにコミカルな掛け合い、BGMで盛り上げるクライマックスシーンなど。良い意味で『逆転裁判』シリーズから影響を感じるね。
そういえば『逆転裁判』シリーズの日本もヤバイ世界観だったな……。犯罪が多すぎて裁判所が機能しないから、爆速で判決が出る序審法廷制度が採用されてるという。
メインキャラ以外の関係者はすべてシルエットで表示されているが、推理パートで犯人を当てるとシルエットが剥がれて素顔が登場する。コスト削減と気持ち良さを兼ねてて面白い演出。
ノリはコミカルで「そんな伏線回収ある!?」と言いたくなるダイナミックな展開もたまらないが、世界観自体は結構ヘビーで、推理やサスペンス要素もしっかり楽しめる。聞き込みでミスしたヤスを見て、すかさずゾンビ刑事が話を逸らしたりと、ちゃんと有能かつ先輩刑事なのが分かる描写も多く、「ゾンビでしか出来ない捜査」と「ゾンビには出来ない捜査」の二人三脚で進むシナリオ構成は思い入れ深まる。
家が教会なのでゾンビ刑事への当りがキツい江名刑事など。サブキャラも終盤にかけて一気に魅力的になっていくゲームだった。
とあるモブの一言のセリフだけで「この人はプロフェッショナルなんだな」と理解できるシーンがあるのがしみたなぁ。ちゃんと「物語」を書ける人のテキストだぞこれは!
難点はUI周りで、コンフィグが凝ってるのは分かるがやり辛い……!
何故かシナリオが1話終わる度に言語設定が挟まったり、選択肢を選んだ後にボタン1回分会話が進んじゃったり、会話ログがタッチ操作じゃないとうまくスクロールできなかったり。Nintendo Switch版の印象になるが粗が見える作りだったぜ。
一枚絵が少ない上にギャラリーが無いのもやや厳しい。一枚絵の少なさに関しては「ここに一枚絵入るなら許せる!」という構成ではあったが。
クリアまでは4時間ほど。
コミカルな刑事モノとバディ作品が好きならばオススメしたい1本だ。
綺麗にまとまっていてノリノリのメインテーマとゾンビ刑事のダンスも堪能したが、キャラもシナリオも良質なだけにボリュームはもっと欲しかったなぁ~!
その辺は既に製作が決まっている続編に期待。ゾンビと言えばシリーズモノだからな。
ゾンビ刑事の帰還を待ってるぜ!