絶対SIMPLE主義

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3DS/VITA「雷子 紺碧の章」レビュー!胸抉られ、血涙を流し、それでも遊ぶのが止まらない渾身の1本

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雷子-紺碧の章-公式

遅くなったが雷子 紺碧の章のレビュー行くぜ!

俺が買ったのはVITA版ね。


タイトル:雷子 紺碧の章

メーカー:クロン

機種:VITA/3DS

ジャンル:戦略シミュレーション&歴史ノベルゲーム

配信日:2016年4月21日

価格:5800円


2015年に3DSで発売され、その後VITAでも配信された「雷子」の2作目だ。

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3DS「雷子」レビュー!今年の3DSソフト暫定1位!作り手の圧倒的な熱を体感せよ!

前作に関してはレビュー済みなのでこちらを参照。

地獄のように壮絶な展開と、絶望を切り裂く太陽のような燃え展開がどちらも凄まじい温度で

俺の心を焼き尽くした作品だ!

雷子は三国志時代だったが、本作はそこから更に600年前となる春秋時代。

呉越を舞台にした物語となっているぞ。

シリーズ作なので繋がりはあるんだが、時代が離れているので本作からでも楽しめる。

なので、興味ある方は1→2でも2→1でもお好きな順番でどうぞだ。

それぞれ違った衝撃が待っていると思うぜ。

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ステージクリア形式で進む構成で、基本は「会話パート→戦闘パート→会話パート」で1ステージ。

選択肢などは無く一本道だ。

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大国「楚」の王に家族を殺された伍子胥(ゴシショ)が

復讐の為に「呉」に亡命するところから物語は始まる。

楚を打ち破るために人材を集め、時に非情な手段も容赦なく用いる伍子胥(ゴシショ)。

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あの「孫子」の著者であり圧倒的な知略を持つ孫武(ソンブ)やその妹の風杏(フウシン)など。

様々なキャラが登場して出会いと戦いが広がっていく。

重いトーンで始まるがそこは雷子。

とにかく魅力的な登場キャラクターと、

フルボイスによるテンポの良い会話で笑わせつつこちらを物語にグッと引き込んでくるぜ。

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前作に続いてこのスタッフは魅力的なアホキャラを書くのが抜群に上手いね。

楚の最強キャラである沈尹戌(シンインジュツ)とか本当に素晴らしかった。

とにかくアホなのにキメる時はキメる男前でカッコいいんだよなあ。戦闘でも超強くてボスキラー。

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シナリオの本筋にほぼ関係無いのに、

あまりにもひどいアホっぷりで印象に残る蓋余(ガイヨ)と燭庸(ショクヨウ)のコンビもなかなか。

あれはまさか魚群散散陣!

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背伸びした生意気っぷりが可愛い風杏(フウシン)に、

風杏(フウシン)の友人なんだけど奴隷みたいな扱いされてる専日(センジツ)。

お偉いさんの馬鹿息子である夫差(フサ)。

この3人のドタバタっぷりも本当に楽しくて見てて癒されるぜ。

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風杏(フウシン)!もう少し手心を……。

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女性陣もいいキャラ多くて、

俺としては田将軍がイチオシなんだが終盤出てくるから突っ込んだ話するとネタバレになるっていう!

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三国志時代だった前作は魅力的なキャラクターが次々に出てきて、

そのまま次々に死んでいくデストロイの季節が吹き荒れる内容だったが、

今回は登場人物が少ないので、

死亡シーンだけでカレンダーが作れた前作に比べるとそこまで死にまくりってほどではない。

いや、まあ前作より少ないだけで人が死にまくる内容ではあるんですけども!

登場人物が少ない分1人1人の掘り下げや伏線の貼り方が丁寧で、

シナリオの完成度としては本作の方が上だと思う。

モブみたいに出てきたヤツが出世してすげぇ重要人物になったり、

最初は軽いノリで味わい深かったキャラや頼れるキャラ達が、

人間関係がギスギスした結果、

余裕無くなってボロボロになっていったりするのがなんとも切ない。

ここは歴史モノならではの面白さか。

前作に比べると人間同士のドロドロしたぶつかり合いが多く、

遊んでいて「おいマジかよ…」と言いたくなる容赦無い非情な選択をすることもある

メインキャラ達にもドキドキさせられる。

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そして今回もプレイヤーの心を折る展開が凄い。

「どうせ悲惨な話なんだろ!こいつも死ぬんだろ!」と覚悟していても、

覚悟していたはずなのにその上を行く強烈な展開を叩き付けてくる。

よくこの展開をCERO Dでっていうか家庭用ゲームで出来たな?!

かなりぼかしてある部分も多いけど壮絶過ぎるわ……。

ギャグシーンで出てきた設定をカタパルトにして心を折ってくるシーンもあってマジでつらかったよ!

私に足りなかったのは覚悟!

シナリオは非常にテンポ良く進むし、ギャグとシリアスの大胆な配分も上手い。

壮絶な展開で心折られつつも、続きが気になって止まらなくなる内容だぜ。

前作から続く一枚絵の多さやボーカル曲の作りこみも見事。

特に曲はクリア後に歌詞を改めて見ると突き刺さる作りになっていてな…!

エンディング曲も最高でな!

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戦闘パートは今回もグラフィックも含めて大分クラシックというか

悪く言うと古臭いターン制の戦略シミュレーションゲーム。

しかし兵科ごとの攻撃範囲や特性。

名前アリの武将が持っている特殊能力などを駆使した戦略はなかなか面白い。

貫通攻撃出来る術兵に、反撃を受けない槍兵。遠距離攻撃できる弓兵などなど。

上手く活用して敵の兵力を削いでいくのだ。

シンプルな分、戦略シミュに慣れていない人でも遊びやすいというのはあるな。

名前アリの武将はちゃんと強いので、しっかり活躍させるとストーリー上での思い入れが違うね。

沈尹戌(シンインジュツ)強すぎる……鬼谷子(キコクシ)殿が便利過ぎる……。

あと、「雑兵以下です」って会話パートで評されたキャラのステータスが、

本当にそこらの一般兵より低かったりするのは笑ったわ。

細かいところも見ていくと面白い作り。

文種(ブンショ)殿の行動開始セリフひどすぎるのマジで勘弁してくださいよ!

「勝ち負けに関わらず共通レベルが1上がる」

「ストーリーによって操作する勢力やキャラが変わるが、強さはすべて共通レベルに依存」

という非常にシンプルな成長システムで、

難しいステージに当たったら一度クリアしたステージでレベル上げも可能。

今回は山場でそれなりに難しいステージはあったりするが、

前作に比べると程よい難易度でまとまってるからそこまで苦戦はしなかったな。

敵の移動範囲が表示出来たりと改善点もある。

その代わりクリア後にストーリーやクリア報酬などの無い、

極めたい人向けの高難易度ステージがいくつか登場する仕様に。

クリアするまで明け方まで掛かってマジで難しかったぞ!前作の呉の呪いよりヤバい!

一度クリアしたステージはスキップ可能になるので、

「あのステージの戦闘後のシーンが見たい」という時も安心の仕様。

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気になった点としては戦闘エフェクトや戦闘アニメカットを使うと凄くテンポ良くなるのに、

その設定がタイトル画面のメニューでしか確認できないことかな。

ユニットのグラフィックがごちゃごちゃしてて乱戦になると見辛かったりも。

ストーリーは本当に面白いんだけど、

4部作を予定してる雷子の2部に当たるので割と続編へのヒキが強い終わり。

前作は「歴史モノだしここで終わってもそんなに違和感ないなー」って感じだったんだけどね。

とはいえ、今回のストーリーでやることはしっかりやってるし、

終わった後の「終わった…」としか言えない虚脱感は何とも言えないぜ。

これで3部と4部が発売されなかったら末代まで祟ります!

あと、クリア後のおまけギャグシナリオは「シナリオライターマジで性格悪いな!」ってなりました!

どんな顔してプレイすればいいんだよこれ!ベタなギャグシナリオだけどさ!さ!

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最初から最後まで一貫したまさに復讐から始まる物語。

燃えや盛り上がりで言えば圧倒的に前作なんだけどシナリオとしては本作の方が好き。

テンポ良く進むので歴史モノは難しそう、馴染みが無いって人でも非常に取っつきやすい1本。

前作に続いてボイス、楽曲、シナリオからスタッフの並々ならぬ熱量が伝わってくる内容で、

でもクリアした後の色んな意味でなんとも言えない気持ちが……本当に……。

期待を裏切らないデキだったぞ!今回もイチオシの作品だぜ!