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PS4/Switch「フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと」レビュー!歪かつ美しい屋敷で体感する、ゲームだからこその奇妙な小旅行。

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What Remains of Edith Finch(PS4) | 公式PlayStation®Store 日本

 

フィンチ家で起きた奇妙な出来事のレビュー行くぜ!

 


メーカー:Annapurna Interactive

機種:PS4/Switch

ジャンル:アドベンチャー

発売日:2017年4月25日(PS4)2019年7月4日(Switch)

価格:税込2200円


 

主人公のエディス・フィンチとなって、

忍者屋敷みたいなイカれた構造の実家を探索していくアドベンチャー。

歩き回ってかつて住んでいた家族たちのエピソードを追体験していく単純な内容だ。

 

しかしプレイヤーの操作と映像が一体となった演出が見事で、

まさにゲームだからこその面白さに溢れた作品だったぜ。

 

 

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物語はエディス・フィンチの残したノートを誰かが読むところから始まる。

視点は彼女が荒れ果てた道を通り、

数年ぶりに実家の屋敷に帰ってくる画面へと切り替っていく。

 

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台詞はすべて英語で、

このように日本語字幕がプレイヤーの動きと台詞に合わせて空中に浮かび上がり、

そして溶けるように消えて行く。

動画じゃないと伝わり辛いんだが、

浮かび上がった文字は立体的、横から見たり回り込んだりが出来る。

文字も映像演出として取り込まれているわけね。

 

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増築を繰り返して異様な外観となった屋敷には

かつて住んでいた一族の部屋がそのままの形で残されている。

数年、人によっては数十年前の部屋なのに、

私物や大量の写真などでみっちりと埋め尽くされていて異様な雰囲気。

部屋ごとに雰囲気がまったく違っており、

見ているだけでそこに住んでいた人物の人生が伝わってくるような、

執念すら感じられる背景美術は圧巻。

 

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隠し通路などを利用して各部屋に侵入して調べていると、

そこに住んでいた人物のエピソードが再生される。

これがホラー風だったり、コミック風だったり、

エピソードによって表現方法からまったく異なる構成。

始まった瞬間に「これは何が起こってるんだ?!」

と言いたくなるエピソードの連発だ。

背景美術と相まって遊んでいてまったく飽きさせない。

 

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プレイヤーの操作と文字が一体となった演出も

ますますキレッキレで没入感を高めている。

凧を操作するエピソードではこちらが動かす凧に合わせて

空中に浮かんだ文字が反転したり、まとわりついたり、

文字が風に流されてバラバラになったりする凝りよう。

 

劇中で多用されるこういった表現もすべて日本語化してあって、

ローカライズ担当の労力を考えるだけで胃が痛くなるぞ!

今後、日本におけるゲームのローカライズの話をする時には、

このゲームとショベルナイトの存在が絶対に外せないレベルの偉業だぜ。

ローカライズの凄まじさを堪能するだけでも値段分の価値はありそう。

 

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圧巻なのはやはり缶詰工場で働くエピソード。

単調な工場での仕事と、希望に満ちた空想の大冒険を同時に操作することになる。

妄想と現実の垣根が揺らいでいく描写が、

まさにゲームでしか出来ない表現方法で語られていく。

遊んでいて気が狂いそうだったぞ!

バイトヘル2000の新作が出たらボールペン工場にこの表現を取り入れて欲しい。

 

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プレイしたゲーマーの9割がスクショを撮影すると思われるシーン。

 

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難しい謎解きやアクション要素、選択肢などは存在しないが、

プレイヤーの操作に連動した演出が最初から最後まで続くため、

物語を追っているだけなのにただ見ているだけにならず、

グイグイと引っ張られながら異常な密度の屋敷内を探索し続けてしまう作りだ。

 

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クリアまで2~3時間と言ったところで、

最近よくある演出重視で映画1本分くらいのボリュームなADVね。

 

オムニバス形式で語られるストーリーは強烈だが、

どれも断片的かつ空想的でハッキリしたことは提示されない。

本当にあったと思われる出来事から、

明らかに現実ではない出来事までがごちゃごちゃになっている。

そもそもこのゲーム自体がエディス・フィンチの回想なわけで、

どこまでが真実なのか不明。

 

エンディングを迎えた後の切ないような、

夢から覚めたような気持ちも含めて非常に面白かった。

屋敷の作りもとにかく丁寧なので、

カメラを動かして細部を眺めながら歩くのが楽しかったぜ。

 

不気味な描写も多いんだけどホラーというのは違う気がするし、

とても奇妙なゲームだった、という表現で締めくくろう。