『ゴルフストーリー』のレビュー行くぜ！
メーカー：フライハイワークス
機種：Switchダウンロード専用ソフト
ジャンル：ゴルフRPG
発売日：2018年3月9日
価格：税込1500円
スーファミ時代を思わせるドットで表現されたゴルフゲーム！
色々な場所を探索したり、経験値を溜めてレベルを上げたりといった
RPG的な要素がミックスされているのが最大の特徴だ。
海外のインディーゲームで
配信前から期待値が高い作品だったんだがローカライズに難航。
なかなか続報が無いと思っていたら、ニンテンドーダイレクトで満を持して
「このダイレクト終了後に配信スタート」されて皆ビックリという経緯がある。
ゲームとしてかなり詰めの甘い点も見られたが、
ホールも小ネタもイカれたキャラも盛り沢山な楽しい内容でボリュームも十分。
実に満足度の高い1本だったぞ！
子供のころからゴルフをやっていて、一度はプロの夢を諦めた主人公が、
妻と別居してでもゴルフをやるぞ！今度こそプロになる！
と決意するオープニングからスタートする。
なんだか海外の映画っぽい！
ゴルフの腕を磨くためにコーチを探したり、契約をしたり、仲間を見つけたり、
化石を探すことになったり、草刈りをすることになったり、
ゾンビと戦ったり、殺人事件に巻き込まれたり……。
ゴルフのプロになるのがいかに大変か、
身に染みて分かる怒涛のストーリー展開が待っているぜ。
登場キャラも金のことしか考えてないオーナーに、
嫌味なプロゴルファー、やる気のないコーチ、
デレの少なさが素晴らしいツンデレ少女、人力ゴルフシミュレーターなどなど。
メインキャラはもちろん、ちょっとしたモブキャラまでクセモノ揃い。
主人公は毎回、無茶苦茶なことを言われてるのに、
頼まれると嫌とは言えない性格でなんにでも首を突っ込んでいくのだ。
主人公が旅をするマップは普通のゴルフ場から観光客で賑わう南国のビーチ、
原始人みたいな喋る方をする住人が沢山いる荒野、
頭の固いジジババがたむろする歴史あるゴルフクラブまで様々。
終盤になると雪に覆われたマップが出てくるのがすごくRPGっぽい！
マップを歩き回ってキャラと会話するのが楽しいし、
多数のサブイベントが散りばめてあって、
クリアすると新しいクラブが手に入ったり成長するために経験値が手に入ったりする。
地形に合わせてクラブを使い分けるのも重要だし、
自分のプレイスタイルに合わせて
パラメータにポイントを割り振ったりすることも出来る。
ゴルフパートは昔ながらのタイミング良くボタンを3回押してゲージを止める形式。
ルールも「決まった場所から規定数カップに入れられるか？」とか、
とりあえずホールを回れば良いとか、ミニゲーム的な短いものが中心。
モグラや鳥の妨害を避けながら打たないといけないようなぶっ飛んだものも多い。
ガチで9ホール勝負をするのはここぞという時のみという構成だ。
このテンポの良さが遊んでいて止まらなくなるぜ。
カップが普通のゴルフゲームより大きくてカップインしやすかったり、
打つ前にゲージの微調整が出来るところなども良し。
軽快な効果音や使いまくりのHD振動も遊んでいて心地良いぞ！
待っているのは金属探知機で埋まっている宝箱を探してクラブで土を掘るとか、
凍ってる奴にファイアボールをぶつけて解凍するとか、無茶苦茶なイベントばかりで、
殺人事件の捜査も、ゴルフテクを活かすことで証拠品が集まったりする。
ゾンビなどと戦う場面もあるのだが、
ここも直接ゴルフクラブで殴るような無粋なことはしない。
ちゃんとクラブでボールを打ってぶつけて撃退するのだ！
どんな時でもゴルフのルールに乗っ取って戦う！さすが紳士のスポーツだ！
また、歩いてると怪しげなスイッチなどの仕掛けが見つかることも。
こういう時はボタン一つでその場にボールを置いてゴルフでショットが可能！
上手く仕掛けを起動させられれば何かが起こるぞ！
このボールを置く操作を使って通行人にボールをぶつけると
いちいち違うセリフを言うとか細かいところも凝ってる。
時間をかけただけあってローカライズは丁寧。
登場キャラは口調も含めてみんな個性的だし、
この韻を踏んだセリフの応酬が数分間続くラップバトルなどは特に圧巻だ！
キャラの感情に合わせて
セリフのフキダシが大きくなったり小さくなったり震えたりと、
テキストと演出が一体となっているのが見ていて楽しい。
海外のゲームらしい皮肉の効いた言い回しが実に良い味出してて笑わせられる。
8bit風の画面でゴルフを遊ぶ『ガルフ』というミニゲームがあるんだが、
それの説明書の文章も色々と酷過ぎる……！このイラストもなんなんだよ！
面白いゲームなんだが、
最大の難点はゴルフパートでホールの全体図が確認できないところ。
スタート時に一瞬だけ見れるだけで、
あとはボールの落下地点の周りがちょっとスクロール出来るだけ。
このせいでどっちに打ったらいいか迷う場面が度々あるし、
ホール全体を見ながらの組み立てがし辛い。
また、リトライも無いので難易度の高いバトルだとストレス溜まるぜ。
全体的には遊びやすいゲームバランスにはなっているものの、
クリアしないと先に進めない
ディスクゴルフの操作が変に難しくて難易度高いのは気になったし、
経験値貯めてレベルを上げてもある程度の腕前が無いとクリア出来ないから、
終盤はゴルフゲーム慣れしていないと苦戦は必至だ。
せっかくゴルフとRPGを融合させたシステムなんだから、
ゴルフゲームがヘタな人でも
経験値稼ぎをすればクリア出来るような仕様にしてこそだよなあと思った。
難しいサブクエストをほどほどにスルーしてもクリアまで17時間。
隠されたイベントを探していけばまだまだ遊べるボリュームだ。
色々と惜しい作りではあったが、マップの凝りっぷりは素晴らしかったし、
思いついたアイデアを片っ端から突っ込んだようなゲーム展開はあまりに奇想天外で、
遊んでいてまったく飽きなかった。
クリアした時は良いゲームだった！という気持ちで終えられたぜ。
登場キャラも不真面目な連中ばかりなんだけど
終わってみるとなかなか愛着が湧いてくる。
こういう異なるジャンル同士を組み合わせたゲームってやっぱワクワクしちゃうね。
この物語はまだまだ続いて欲しいので、次回作にも期待してるぞ！
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