『魂斗羅ローグコープス』のレビュー行くぜ!
メーカー:コナミ
機種:PS4/Switch/Xbox One/PC
ジャンル:アクション
発売日:2019/09/26
価格(税抜):5000円
コナミが誇るアクションゲームシリーズ『魂斗羅』最新作だ。
筋肉モリモリのマッチョマンたちが常識外れの戦闘能力で、
醜悪怪奇な悪質エイリアン共を派手に出迎えることでお馴染みのシリーズ。
ちなみに『魂斗羅』とは、
熱き斗魂を生まれながらに持った、ゲリラ戦術の達人に与えられる呼び名である!
何を言っているか分からないと思うが、実際遊べばおのずと理解できる!
これまでは純粋な横スクロールアクションや3Dアクションゲームだったが、
今回はオンマルチやハクスラ要素を取り入れたアクションRPGへと進化を遂げたぞ。
開発はトイロジックが担当している。
久々の新作かつハクスラという新たな試みでかなり期待していたんだが、
良い部分はあるものの、雑な部分がとにかく悪目立ちする勿体ない内容だったな……。
人類とエイリアンが死闘を繰り広げたエイリアン戦争から2年後。
突如として出現した怪物蠢く謎の都市「ダムドシティ」が人類を脅かしていた。
常人ならばすぐに正気を失う狂気と混沌の都市を舞台に、
荒くれ揃いの賞金稼ぎチーム「ローグコープス」の戦いが幕を開ける!
主人公は異なるが過去のシリーズから繋がるストーリーとなっており、
公式で公開されているモーションコミックでは、
過去作の主人公であるビルとランスの雄姿も確認できる。
時系列的には『魂斗羅 Dual Spirits』と同じくらいなのかな?
偉大なるシリーズにリスペクトを払いつつ、
ここから新しい戦いが始めるという意思が感じられるシナリオだ。
プレイヤーが使うことになるイカれたメンバーを紹介するぜ!
ボムを使う度にミサイルで相手に特攻するカイザー!
腹にエイリアンが合体している紅一点のミス・ハラキリ!
元天才科学者で今は自分の脳をパンダボディに移植したハングリービースト!
見た目は芋虫エイリアン、性格は紳士で潔癖症のジェントルマン!
こいつらが今回の魂斗羅、「ローグコープス」だ!
基本性能は同じだが、戦闘中に使えるスキルが異なる。
攻撃力をアップさせるカイザーやハラキリは使いやすいし、
砲台設置&回復のハングリービーストはソロでも強い。
敵を一か所にまとめるジェントルマンはマルチ以外だときついかな。
過去作はステージクリア型アクションだったが、
今回は拠点からミッションを自由に選んで出撃する形式だ。
装備の強化やオンラインへの接続もここで行う。
武器はメインウェポンとサブウェポンの2つを装備可能。
数十種類存在し、金と素材を使ってのアップグレードも可能だ。
更にチップを装着することで攻撃力アップやクリティカル率アップ、
冷却効率アップなど様々な特性を付けられる。
更にこのゲームではプレイヤーキャラの臓器を交換してパワーアップも出来る!
脳、眼球、骨格、臓器を自由に付け替えてキミだけの魂斗羅を作ろう!
臓器はショップや戦闘で入手可能。いらない臓器はまとめて売却だ!
要は装備アイテムが臓器なわけね。
普通のゲームならアーマーやシールドになるところだが、
魂斗羅は生身で戦うから臓器交換が装備の代わりなのは理にかなっている!
臓器交換する際は胡散臭いドクター3人の中から選択可能で、
追加料金が掛かるドクターにお願いして手術が大成功すれば臓器がパワーアップだ。
しかし失敗すれば金をとられた上に臓器がパワーダウンとなる。
ダイジョーブ博士じゃねーか!
まあ、強い臓器がパワーダウンしちゃうデメリットがデカすぎるから、
結局一番安くて失敗も成功もしないドクター以外は使わないんだがな……。
最初は「いや、脳を交換するのはダメでは?!」と、
常識に囚われた無粋な突っ込みをしたくなってしまうんだが、
「LED付き光る脳みそ」「怪人の脳」「考える筋肉」「超鋼合金脳」などの、
パワーワードに溢れた脳みそがザクザク手に入るのでどうでも良くなってくる。
「LED付き光る脳みそ」ってつまりゲーミング脳みそじゃねーか!
同じ臓器でもレベルや付いているスキルが違ったりするので、
理想的なスキル構成の臓器を求めて果てしない戦いが始まるぞ。
ゲームは3Dアクションで基本的に1本道。
右スティックを倒した方向に射撃する操作形態で、
ワラワラと湧いてくる敵をなぎ倒しながら突き進むことになるぜ。
と、そういう感じのゲームなのだが作りの粗さが大分ひどいぜ……!
まず、カメラワークが本当にひどい。
「右スティックを倒した方向に射撃する」というのは、
完全な見下ろし視点のアクションシューティングによくあるシステムなんだが、
本作だとカメラに角度が付いたりキャラがアップになる場面が非常に多い。
そのせいで敵が頻繁に画面外に出たり、
画面外の敵が大ダメージの突進攻撃を連発したりする。
ボスの突進攻撃は軌道が表示されたりするんだが、
表示されない攻撃もあるし、
中型のザコの攻撃一発一発が致命傷になるバランスなので本当につらい。
木などの障害物で完全にキャラが隠れてしまう箇所もしばしば。
後半になると敵がものすごい数の弾をばら撒いてきて、
それをジャンプで避けないといけない箇所が多くなってくるので、
更にカメラワークがつらい。
完全に引いた視点で見下ろし視点にするとどうしても迫力が無くなるから、
ある程度カメラを動かす構成にするのは分かるんだが、
だったらもっと画面の見やすさに気を使ってもらいたい……。
ここぞという場面では右スティックで照準を動かして敵を狙い撃つ
3D操作に切り替わるんだが、ここもちょっとやり辛い。
照準を敵に合わせた後、敵の攻撃を避けるためにキャラを動かすと、
それに合わせて画面の方が動いて照準がズレちゃうのだ。
ロックオンなどが無いので地味にストレス溜まるところ。
ステージ構成も単調で、同じような敵の色違いと何度も何度も戦うことになる。
チェーンソー両手に付けた突進ザコと、
体当たりしてくるデブと何回戦ったか分からん……!
堅いボスが複数出て来て倒すと更に違うボスが乱入してくるとか、
自爆するザコ敵の数をひたすら増やすとか、
砲台の数を増やすとか数に頼った難易度の上げ方をしてくるし、
突然十字レーザーをぶっ放す砲台が出現するとか、センスの無い初見殺しも目立つ。
終盤、チェーンソー両手に付けた突進ザコが透明になって出て来た時はキレたわ!
ただでさえカメラワークが見辛いってのによ!
画面が見辛い上に敵の攻撃力が最初から最後まで高めで、
しかも1ステージが長いからゲームオーバーになった時のうんざり感が凄い。
戦車やヘリをぶん投げて敵のバリケードを破壊!
というアホなテンションのギミックもあって楽しいんだが、
一発ネタなのに何度もやらせるし、敵の攻撃を避けながらやらないと箇所も出てくる
爽快な一発ネタから爽快さを取り除いて何度もやらせるって、
それはただつまんないだけだよ……。
稼ぎプレイをガッツリやることを前提にしたゲームバランスになっており、
それでいてかなり不親切なので、勝手がわからない序盤は
敵が堅すぎる上に金が溜まらなくてめちゃくちゃしんどいぜ。
とりあえず使っている武器はアップグレードする。
武器の設計図を手に入れたらそれで武器を作ってから売って金にする。
ショップの品ぞろえが豊富なので武器の設計図と素材集めに活用する。
武器のレベル上げは使ってないキャラにも経験値が入る「探索ミッション」を使う。
この辺を頭に入れておけば手触りはガラッと変わってくるし、
低ランク武器でもアップグレードしていけばそれなりに戦えるようになるんだが、
さすがに後半はレアリティの高い武器を手に入れてないとキツい……。
武器のドロップ率が渋いので運が悪いとかなり苦戦する。
俺の場合、手持ちの低ランク武器は
最高までアップグレードしてあるけど後半の敵が堅くて勝てず、
稼ぎプレイしてもレア武器が出ないという状況になって血を吐くような思いをしたわ。
強そうに見えて使い辛いレア武器も結構あるため、
ある程度攻略情報入れた上で稼ぎプレイするの前提って気がした。
稼ぎも攻略もマルチプレイだと全然違うんだけど、
発売日から人が少なすぎてまともにマッチングしない。
最大8人でレート戦できるオンライン対戦モードもあるんだけど、
まず1人見つけるだけで大変な苦労するからな……。
ハクスラを謡っているのにUI関連が酷く、
特に手に入れたアイテムのロックが出来ないのは正気か?と言いたくなる。
1プレイで大量のパーツや臓器が手に入り、
低ランクのパーツでもレベルやコスト次第で十分に使いどころがあるゲームなので、
「ロック」と「ロックしてないアイテムを全部売る」が無いのは不便過ぎる。
アクションゲームなのにBGMが異常なくらいに小さく、
オプションでBGM100、それ以外を40にしてようやく聞こえてくるくらい。
しかしそもそもBGMの使い方がおかしい。
ほとんど環境音の中で戦い続けて、たまにBGMが流れたかと思ったら
敵グループを倒した瞬間にプツリと終わってまた静かになる
静かな魂斗羅ですね……いや静かな魂斗羅ってなんだよ?!
音のしない打ち上げ花火みたいなもんだぞそれは。
曲そのものは伝統の初代『魂斗羅』ステージ1アレンジなど、
かなりイイのが揃ってるだけに本当に勿体ない……。
効果音も全体的に軽くて手応えが薄い。
なんというか、『魂斗羅』以前に
そもそもアクションゲームとしてどうかと思う部分が多く、
開発スタッフにそこら辺のノウハウが不足しているのを強く感じたぜ……。
プレイ中は割と血管がキレそうになりましたね!
ただ、噛めば味が出てくる内容ではある……!
序盤苦労するがキャラの成長のコツを掴めてくると大分爽快さが出てくるし、
苦労して育てたレア武器で敵の殲滅速度が格段に上がるとめっちゃ気持ち良い。
俺の酋長トマホークとドリルガンで敵が溶けていく!
ズラリと並んだ臓器に付いた各種スキルとにらめっこしながら
「こっちはコンボ攻撃力がアップするけどこっちは体力が上がるし……」
なんて悩むのもカスタマイズの楽しさに溢れているところだ。
武器がすぐオーバーヒートするので
「撃ちまくれない魂斗羅ってどうなん?」と最初は思うが、
慣れてくるとメインウェポンとサブウェポンをタイミング良く切り替えることで、
テンポ良く撃ちまくれるようになる。
ここら辺は『地球防衛軍』シリーズみたいな手触りだな。
俺が一番評価したいのはプレイヤーキャラの無敵時間の多さで、
体当たり&一瞬だけ無敵のダッジを連発できるし、
敵を持ち上げて投げる時や、道にあるドラムカンを投げる時も無敵時間が発生する。
なので、慣れてくると敵の大軍をダッジでかき分けながら、
無敵時間を活用した投げ技でバシバシ倒すことが可能で気持ち良い。
ここら辺はアクションゲームとしての手触りを大事にしていると感じられたところね。
道中は単調だが、各エリアの大詰めとなる巨大ボス戦はめっちゃ良い。
ちょっと見辛くてストレス溜まる攻撃方法もあるものの、
巨大ボスが電車をぶん投げて攻撃してくるとか『魂斗羅』らしい豪快さで、
どのボスもデザインがイカしてる!
撃ちまくって怯ませてから弱点を狙い撃ちにするなど、
アクションゲームのボスとしてしっかりとした構成になっているし、
巨大ボスの耐久力もちょうど良く、ザコ戦よりもよほどサクサク進むぞ。
こういうコテコテな「どうだ!カッコいいだろう!」というカットの数々も素敵。
一部のボスでさりげなく他のコナミ作品の小ネタがあるのも嬉しかったな。
苦労しながら36時間ほどかけて全ミッションでSランク達成。
諸々のチープさは「これが2019年に5000円で売るゲームか?!」
という感想になるしオススメはし辛い内容。
ただ、じっくり遊ぶとカスタマイズや強化の面白さがじわじわ出てくるし、
『魂斗羅』らしさが感じれる部分も確実にある。
登場キャラやストーリーデモのノリも良かっただけに勿体無い1本だったぜ!