ヴァルシリア アーク ヒーロースクールストーリー | Rainy Frog
『ヴァルシリア アーク ヒーロースクールストーリー』のレビュー行くぜ!
俺が遊んだのはPS4版ね。
メーカー :レイニーフロッグ
機種:PS4/Switch/PC
ジャンル:学園経営RPG
発売日:2020/01/30
価格(税込):1500円
ファンタジー世界で学園を経営するアクションRPGだ。
学園を大きくして生徒を集めて育て、
その生徒を使って様々なミッションをクリアしていくゲーム。
開発はインドネシアのAgateというメーカーが担当しているぞ。
キャラクターのビジュアルと、
ファンタジー世界で学園経営するシステムに惹かれて買ってみたが……。
構成してる要素のほぼすべてが中途半端なゲームだったな!
舞台は女帝と5人の女王によって収められているヴァルシリア王国。
プレイヤーは優秀な兵士を育成するヒーロー学園の校長となり、
未来の王国を支える生徒たちを鍛えていくことになる。
しかし、女帝の死から始まる5人の女王の権力争いや、
暗躍するカルト教団、行方不明となっている女帝の娘など。
学園運営には様々な思惑が絡んでくるし、
どの女王と協力関係を結ぶかでエンディングも変化するようになっている。
ちなみに学園名は自由に付けられるので、
みんなもジャスティス学園とか希望ヶ峰学園とか好きに気に付けよう。
俺はシンプル学園にした。
最初に言っておくがローカライズはかなり微妙だぞ!
ワンシーンで頻繁にキャラの口調が変わるわ、突然口が悪くなるわ、
唐突にカタコトっぽい言い回しになったりするわ、句読点は使わないわ……。
遊ぶのに支障がないレベルになってはいるが、気が散る!
でもこのビアンコレーラさんは結構好きかも。
ゲームは学園パートとRPGパートの2つで構成されている。
学園パートでは施設を建てたり、生徒を編入させたり、装備を作ったりする。
RPGパートは純粋なアクションゲームになっていて、
育てた生徒4人でパーティを編成して、
モンスター退治や素材集めなど様々な依頼に挑むのだ。
生徒は時間経過でどんどんやってくる
どの生徒も最初は見習いから始まるが、
依頼をこなしてレベルを10まで上げればジョブチェンジが可能。
基本職は騎士、魔法使い、スカウトの3つ。
ゲームが進むとそこから派生するドラゴンナイトや学者、
マークスマンなどといった上位ジョブも登場するぞ。
このデフォルメされた3Dキャラは服装含めてクオリティ高いぜ……!
生徒のニックネームは変更可能。スナック感覚で元の名前を取り上げてやろう。
また、学園パートで立てた施設によってRPGパートで補正が掛かる。
例えば教室を作れば経験値が2パーセント増えるし、
訓練場なら各種ステータスが上昇する。
上限はあるが、基本的に同じ施設でも沢山立てればそれだけ効果も大きくなるし、
投資してレベルを上げれば更に効果もアップ。
ただ、学園は構造を細かく弄れるわけではなく、
空きスペースに立てる施設を選ぶだけなので自由度は低い。
とにかく施設を建てまくればOKだ!
生徒はレベルが10以上ならば、1年に1度の卒業式で卒業させることが出来る。
卒業したらもう戻ってこないが、大量のお金が入って国への貢献度もアップする。
貢献度が一定以上になると学園のランクが上がり、
敷地が広くなって新しい施設も建てられるようになる。
なので、生徒をガンガン卒業してジャリンジャリン稼ぎまくる……と行きたいが、
考えなしに卒業させると戦力が弱体化しちゃうのが難しいところ。
RPGパートは4人の生徒のうち1人を操作する形式。
操作する生徒は切り替えられるし、他の3人は自動で戦ってくれる。
通常攻撃の他に、覚えているスキルと、
ステータスが変化する3つの作戦を活用することが出来る。
アクションではあるんだけど、
ほとんど正面からの殴り合いになるのでステータス勝負。
一部のジョブが飛びぬけて強いのでそればかり使うことになる。
一応、防御力の高いキャラを前に出すとか、
ボスの背後から回り込んで攻撃をするとか、
レベルの低いキャラを戦闘から遠ざけるとか、そのくらいの立ち回りは出来るかな。
学園パートもRPGパートも大味ではあるんだが、
生徒を育成して卒業させて施設を充実させてまた育てて……。
の繰り返しはなかなかハマる作り。
たまにやってくる商人から強い武器を買えば、攻撃力が一気に跳ね上がるし、
学園がでかくなって色々な施設を建てればステータスも上がる。
教室を沢山作った時の経験値補正がデカイので、
レベルが上がるまでのスピードがどんどん速くなっても行く。
インフレが気持ち良いゲームバランスだ。
キャラの立ち絵のクオリティもなかなか。
こちらは村の住人を脅してタダ飯を食っていた
偉大なるドラゴンナイトのウォルターさんです。
こんな人でもカッコいい。名前ありキャラは立ち絵のハズレが少ないね。
まあ……モブキャラになると一気に使い回しが増えるけどな!
そんなゲームだが、構成してる要素がどれも中途半端。
中盤を過ぎた辺りで貢献度がカンストして学園の成長が最大になり、
お金にもほぼ困らなくなる。
「優秀な生徒を卒業させてお金と貢献度を手に入れて学園を大きくする」
というゲームの流れがそこで完全に破綻する。
とりあえずレベル10まで上げた新入りか、
インフレについていけなくなったロートルを適当に卒業させるだけになる。
生徒も完全に駒扱いで、ちょっとした掛け声の英語ボイス以外は、
性格もセリフも一切設定されていない。
まあ、ニックネームは自由に付けられるのでそこで多少の思い入れは湧くんだが、
本当にそこくらい。学園を経営するゲームでこの淡泊さはかなり寂しい。
卒業式でもセリフを喋ったりはせず、無言で巣立って行くぞ。
学園生活、楽しくなかったのかな……?校長として責任を感じる。
ミッションも数こそあるが、似たようなマップで似たようなことをやるものばかり。
戦闘が大味かつ、無駄に歩かされるミッションが多いこともあって、
ある程度ゲームが軌道に乗ってくると一気に作業的になってくる。
ストーリーも登場人物が無駄に多いだけで、
ポジションは重要でも出番が数回しかないキャラばかり。
遊んでて全然のめり込めなかった。脇役は濃いキャラもいるだけに勿体なかったな。
しかし、こういう珍妙なローカライズによって、
妙な味わいが生まれているシーンも多くて嫌いになれない……!
明確にギャグとして描いてるイベントだとこの翻訳も絶妙にマッチしてるぜ。
これは俺が遊んだPS4版だけの症状かもしれないが、
RPGパートの出撃シーンでそこそこの頻度でフリーズするのは参った。
オートセーブなので被害は無いんだが、
やっぱり面倒だしクリアまでに10回以上喰らったからさ……。
クリアまで12~18時間くらい。
コンセプトは面白そうだったんだが、ゲームを構成してるあらゆる要素が中途半端
経営にしろ育成にしろ戦闘にしろ、どこかに突き抜けた要素があれば、
全体の印象は変わったと思うんだけど、そういうところは無く、
ちゃんと褒められるのはグラフィックと音楽くらいだ。
伝説の武器をすべて取ってベストエンディングも見たんだが、
終盤は完全に惰性で進めてたよ……。疲れました。
育成によるキャラのインフレを楽しみながら、
ダラダラとミッションを埋めて遊んじゃう魅力はあったので、
オススメはしないがそこまで悪いゲームでもない……って評価になる。
キャラが可愛くてまったり遊べるゲームを求めてる人ならばアリかな。