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定価6000円が信じられない超低クオリティに絶句する世界!『リアセカイ』レビュー!【Switch】

 

リアセカイ 公式サイト

 

『リアセカイ』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:ブシロード

機種:Switch

ジャンル:アクションRPG

発売日:2023/10/12

価格(税込):6578円


 

ブシロードのコンシューマゲーム本格参入第一弾となるオリジナルタイトル。

現実世界とファンタジー世界の二つを舞台にしたアクションRPGだ。

開発はHAKAMA

『牧場物語』や『ルーンファクトリー』シリーズを手掛けた

はしもとよしふみ氏の最新作となっているぞ。

スタッフロールによると実開発は

『マグラムロード』のFELISTELLAが行っているようだ。

まさか再びその名前を目にすることになるとはな……。

 

ブシロがSwitchで送る完全新作アクションRPGということで買ってみたのだが、

ゲームを構成しているあらゆる要素が驚くほどの低クオリティで、

「設計図無しでゲームを作ったんですか!?」

と言いたくなるレベルで構成もガタガタ。

あまりの褒めるところの無さに絶句しながら最後まで遊び、

エンディングで更に絶句するという音のない世界が広がっていた。

 

 

適当な背景に立ち絵を雑に並べたパッケージの時点で、

少し怪しい世界だったがここまでとは……。

しかも立ち絵がゲーム内と全然違う。

 

調子悪い時の日本一ソフトウェアやフリューでも

こんな完全新作あんまり出さないぞ!

 

 

物語は旅をしていた主人公が、

エルレンタロスという街の外れにテントを張るところから始まる。

なぜか記憶が曖昧で、どうやってこの街までやってきたのかもよく覚えていない。

街を脅かすモンスター退治のためにダンジョンを攻略することになるが、

時折頭がくらくらして不思議な世界へ飛ぶことになる。

 

 

そこはどこかの学校で、

エルレンタロスの住人にそっくりな人たちが生徒や先生をしている場所だった。

ファンタジー世界と現実世界の二つを行き来しながら世界を救え!秘密を探れ!

 

というストーリーになっているが、最後まで遊んでもよくわかりませんでした!

いかがでしたか!

ふざけやがって……!

 

 

何年前のMMOだよと言いたくなるグラフィックの街を拠点に、

各ダンジョンを攻略したり、

棒立ちで動かない住人と親交を深めてイベントを楽しんだりする構成だ。

 

 

ハクスラ要素のあるアクションRPGで、

通常攻撃と4つのサブウェポン、一部の武器で使用可能な覚醒技、

緊急回避を駆使して戦う作りだ。

サブウェポンは時間経過で再度使えるようになり、

回復薬もこの扱いなので逃げが強い。

主人公にレベルなどの概念は無く、能力はすべて装備依存となっているぞ。

 

 

ザコや宝箱から装備をザクザク手に入れて進めていく。

装備には「ビルド」という、

何かいい感じのカスタマイズが出来そうな名前が付けられているが、

「レア度が高い装備には特殊な補正効果が付いてる」

「お金を払ってその中からいくつかを開放することで効果が発動する」

というだけである。

合成や鍛錬で自分だけの最強武器を作るような要素は無いぞ!

 

 

そもそも装備の性能差はレベルがほぼすべて。

例えばレベル30で最低レアの武器と、

レベル29で最高レアの武器なら基本的に前者の方が強い。

必殺技である覚醒技が付いてるなどの条件付きなら後者が強い。

くらいのパワーバランス。

ダンジョンをクリアして次に進むたびに、

レベルと敵の強さがグンと跳ね上がるので、手に入れた装備がすぐ役に立たなくなる。

 

1個前のダンジョンで一番レベルが高い装備が出るまで周回する。

手に入ったら次のダンジョンを攻略する。

1個前のダンジョンで一番レベルが高い装備が出るまで周回する。

 

この繰り返しが基本となる……が、

実はショップでその時点で一番レベルが高い最低レア装備が売られているので、

効率を考えると店売りの装備をひたすら更新するのが一番いいというゲームだ。

装備集めが全然楽しくない!

 

ダンジョンで死ぬと拾った装備はすべて没収されて最初からなので、

新しいダンジョンで死にながら少しずつ前に進んでいく……ような手ごたえは無し。

 

 

アクションゲームとしても、突進してくる細かいザコと、

少し離れた場所から遠距離攻撃をしてくるザコのグループと延々戦う作りなので単調だ。

 

 

ザコの数を増やし、遠距離攻撃をウザくすることだけで難易度を上げるバランス。

序盤からザコが主人公を数秒、移動不能にする魔法を使う時点でイラッとしたが、

中盤からは画面外にいる敵が魔法でプレイヤーの周りに破壊不可能の壁を出す、

というあまり見たことないストレスの掛け方をしてくる。

 

ストレスが溜まる世界だッッ!

見た瞬間にすぐ倒そうとしても壁に阻まれたり、

そこを他の敵の連続攻撃でボコボコにされたりするぞ!

更に進むともうちょっと小さい壁を出す細かい敵が沢山出てきたりする。

中盤からは敵が多すぎて処理落ちしまくるのも気になる。

 

 

ボスも行動パターンが高速タックル、

ジャンプからのヒップドロップ、大量のザコ召喚が基本で、

そこに範囲攻撃の違いで変化を付けてるくらいなので似たようなボスばかり。

大量のザコを何度も召喚するボスって割とダルい部類なのに、

それを標準にされても困るんだが……?

 

たまにガン逃げするボスが出てきて俺のストレスで世界がヤバい。

 

 

ダンジョンは10フロアしかないものが5種類+ラスダンという構成。

構造は同じだけど敵が強い高難易度エリアを沢山用意し、

あちこち足を運ばないと進めない仕様でプレイ時間を伸ばしている。

 

 

このゲーム、住人と交流をすること自体がストーリーの軸となっており、

本筋とあまり関係なさそうなお使いサブクエストで

様々な困り事や頼み事を一定以上解決すると

メインストーリーが進んで新しいダンジョンに行ける構成になっている。

 

各ダンジョンに用意されたミッションのクリアが、

そのままサブクエストのクリア条件になっているんだが、これがかなり面倒くさい。

 

 

隠しエリアを全部見つけるとか、特定の敵から一発もダメージを受けないとか、

ノーダメージで特定のエリアの敵を全滅させるとか、

トラップに一度も引っかからないとか……。

 

 

普通にやるだけでもだるいのに、

1回ダンジョンをクリアするまでミッション条件が伏せられているので、

初回プレイだと何も分からずに「○○のミッション失敗!」の表示が出まくる疲労感。

先ほど書いた、画面外から壁出してくるザコのせいで失敗することも多い。

すべてのミッションをクリアする必要はないんだが、

ストーリーを進めるために半分以上はクリアしないといけない。

 

装備集め、敵とのバトル、ダンジョンとミッション攻略、全部楽しくないぞ!

店売りの装備で固めてザコ無視して突っ切って似たようなボスをしばくだけだ!

 

 

シナリオもガッタガタ。

どのキャラもメインストーリーに絡まず、ダンジョンに同行したりもせず、

街で頼みごとをしてくるだけなので掘り下げが薄い。

趣味の話などもフワフワしているので、属性と口調だけの存在に感じられてしまう。

まず会話シーンの流れや日本語自体がちょっとおかしい時あるからな……。

 

 

作業的にミッションをクリアして好感度を上げるとイベントが発生するが、

一枚絵は無いし、誰と仲良くなっても似たような食事イベントばかり。

イベントを締めくくる主人公のテキストがコピペなのも萎える点。

 

 

これはほんの一部である。

 

性別関係なく、ほとんど関わりが無いようなキャラでも、

少し好感度を上げたら自宅に食事に連れていかれて

「自宅に恋人を連れてきたと思った家族がはやし立てる」

「本人もまんざらでもない」

みたいなやり取りを始める薄っぺらさにうんざりしてくる。

 

 

ファンタジー世界と現実世界の二つを行き来する構成だが、

描き方が浅すぎてファンタジー世界がどういう世界なのか全然伝わってこないし、

現実世界パートは学園と主人公の自宅のみで、驚くほど尺が短い会話シーンのみ。

そこでの生活がまったく描かれていないため、更にどういう世界なのか分からない!

 

二つの世界を描くことで「1+1が2以上になる」ような相乗効果が一切なく、

単に0.1と0.1を足して0.2が出来上がってるだけのシナリオだ。

というか登場人物がサブキャラ含めて30人以上いるけど多すぎるだろ!

5人でも十分すぎるくらいのシナリオ密度。

 

 

背景の使いまわしが多すぎて、

図書室なのに教室にいたりするのもこのゲームだと珍しくないぜ!

 

 

恋愛要素として10人いる攻略対象キャラにプレゼントを贈る要素がある。

贈る度に様々なパワーアップを獲得することが可能、

すべてのプレゼントを渡すと更に「誓いの指輪」を贈れるようになる。

贈ると大幅パワーアップに加えて、

渡した相手との短いやり取りがエンディング後に追加される。

 

 

プレゼントに必要なのが農作業なんだが、これがあまりに酷い。

ダンジョンから出た時にランダムでフィールドに落ちている謎のタネを拾い、

畑に蒔いて時間が経過すると謎の作物が育ち、

それを収穫すると「メルコイン」というアイテムを入手。

この「メルコイン」でプレゼントを買うというシステムだ。

 

 

ダンジョンから出る度に、

種探しのためにフィールドを一回りする作業が必須になる。

この取って付けたような謎の作業を繰り返して、

コインを何百枚も集めないと攻略キャラの個別エンディングが迎えられない。

あまりに虚無過ぎるし冷める。

農作業で『牧場物語』や『ルーンファクトリー』ファンを騙すためだけに

5秒で考えてケツからひねり出したような肥溜め要素。

 

 

ちなみにこのゲーム、データを引き続いてのニューゲームはあるけど、

1周で個別エンディングが見れるのは一人のみ。

オートセーブのみでセーブデータを分けることが不可能なので、

全キャラのエンディングを見ようと思ったら10周要ります……!真の苦行!

 

 

遊んでる間ずっと「シナリオとテキスト酷くない?」って思い続ける世界だが、

ピークを迎えるのがエンディング。

ラスボス撃破後とスタッフロール突入時の2回、「ウソだろ!?」って叫んだよ!

内容スカスカで何一つまともに描写できていないのに

すべてを投げっぱなしにして終わるという、

世界の終わりとしか表現出来ないシナリオ。

 

 

悪役のレオポルド氏の妙に緩いキャラと立ち位置は嫌いじゃなかった。

メインで動く悪役が彼だけな上に、

主人公もそれに引っ張られて適当な相槌を打つので、

現状だと中盤以降の会話をおふざけにして緊張感を削いでるだけ。

ただ、もっとちゃんと作られたゲームで出会えていれば、好きになれたかもな……。

 

 

他のキャラだと、引っ込み思案だけど

自分の得意分野のことになると早口になるノノさんなんかは

まあ可愛くて好きではあるかなぁ(急にいっぱいしゃべった)。

 

 

現実パートだと初対面の高野莉紗子(コウノ リサコ)が

「莉紗子でいいよ。あ、リサリサとかでも。」と言ってきたので、

言われた通り「リサリサ」と呼ぶ選択肢を選んだら、

「でも、まだそこまで仲良くないから、今は違う呼び方にしてほしいかな。」

と塩対応された感じの悪さが一番印象に残ってるわ!

 

 

ファンタジー世界の一人称「あーし」のお宝探しキャラは結構好き。

 

 

クリアまで15時間掛からないくらい。

誰か俺にこのゲームの褒めるところを教えてくれッ!

冒頭でも書いたが、設計図無しで作らなきゃこうはならないガタガタの内容。

コンセプトを一切活かせず、まとめようともせずに終わるので、

クリアした後の疲労感と徒労感と虚無感がすごい。

 

本作は

「ルーンファクトリーの生みの親がブシロードと組んで発売するアクションRPG」

そして同時期に『FREDERICA(フレデリカ)』という、

「ルーンファクトリーと同じ世界観でマーベラスから発売するアクションRPG」

があったので、

なんか似たようなゲームが同時期に別々のメーカーから出た印象だったんだが、

実際遊ぶと、比較すること自体が法に触れるレベルで『リアセカイ』が酷いぜ。

 

やめよう!セカイ!!