絶対SIMPLE主義

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あまりに侘しい30周年作品!『メタルドッグス』レビュー!【PS4/Switch/PC】

 

 

METAL DOGS/メタルドッグス 公式サイト

 

トロコンしたので『メタルドッグス』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:角川ゲームス

機種:PS4/Switch/PC

ジャンル:撃ちまくりわんわんアクション

発売日:2022/4/8(PS4/Switch)

価格(税込):2980円(ダウンロード版)3900円(パッケージ版)7480円(限定版)


 

昨年30周年を迎えた『メタルマックス』シリーズのスピンオフ作品。

お馴染みのキャラである犬の「ポチ」を主役にしたハクスラアクションRPGだ。

かわいいワンちゃんがバズーカやミサイルを背負って、

世紀末感溢れるモンスター共をぶっ飛ばす内容になっているぞ!

 

PC版はまだアーリーアクセス中。

製品版はPS4とSwitchで先行して発売という形式のようだ。

 

シリーズでお馴染みの武装や敵キャラが色々出てくるし、

撃ちまくる爽快さと手軽さがあるので面白くないわけじゃないんだが。

ノウハウ不足なのが分かりやすい作りでもあり、あっという間に底が見える。

こんな練習で作ったようなゲームを

30周年の目玉として出さざるを得ないメタルマックスの現状が悲しくなるぜ……。

実際、シリーズ最新作のための経験値稼ぎとして企画されたんだけども。

 

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『メタルマックスゼノ リボーン』と同じ世界観で、

主人公は何かの使命を背負って旅をしていた犬のポチ。

敵にやられて死んでしまうが、謎の博士に拾われて電撃蘇生!

「体が機械化する病気」に侵された博士とやり取りをしながら、

目的のためにモンスター退治の依頼をこなしていくという内容だ。

 

『メタルマックスゼノリボーン』でぶん投げた設定を補完するシナリオになっているが、

肝心なところは描かれず、今度出る新作への繋ぎっぽい構成。

登場キャラも博士1人で淡々としている。

 

ただ、たった一人生き残って絶望していた博士が、

ポチとのやり取りで希望を取り戻していく心情の変化などはとても良かった。

終盤の節々から感情が滲み出たセリフ回しが印象的。

 

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博士っていうか明らかに過去作で死体蘇生屋をやってたドクターミンチなんだけども!

お馴染みのセリフもある。

 

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拠点からミッションを選んで自動生成ダンジョンに出撃していく作り。

ミッションによってはボスとなる賞金首も登場。倒せば賞金がガッポリだ。

 

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メタルマックスの世界で犬と言えば、

背中に背負った重火器で戦う小さな戦士のことを言う!

3つのスロットに武器を自由にセットして、

とにかく敵を撃ちまくるアクションシューティングになっている。

武器はリロードが短く連射出来る機銃、リロードが長いが高威力長射程の主砲、

リロードがもっとも長いが破壊力抜群のS-Eの3種類。

 

更に、「首輪」を装備することでボム&ラッシュも使用可能。

敵を撃ちまくってゲージを溜めると発動可能で、

画面内の敵に大ダメージを与えた上で、対応した武器を一定時間撃ちまくる大技だ。

 

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ダンジョンの探索や敵撃破、ショップでの買い物で新しい装備をゲット。

装備はランダムでついてる特性で性能が変化するし、

ボスが一定確率で落とすレア装備などもある。

ゲームが進めば、素材アイテムを消費して装備の特性をいじれるようになるので、

どんどん強く出来るぞ。

 

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と、そんなゲームで、高火力のミサイルでまとめて吹っ飛ばしたり、

火炎フィールドを展開できるS-Eで敵の集団をあぶり焼きにするのは気持ち良い。

やられてもペナルティは無く、

上がったレベルも引き継がれるので気楽な内容で、

装備のザクザク感もハクスラらしいところではあるんだが……。

言ってしまうと、最初から最後まで

雑に緊急回避で逃げて全弾ぶっ放すだけのゲーム。

装備によって固有のアクションが使えるとかそういう要素も無いし、

ダンジョンも似たような構造で敵も色違いばかりで種類も少ない。

壊すと爆発するオブジェとか、回復できるオブジェとかで

なんとか変化を付けようとしてるが焼け石に水。

 

ほとんどのミッションクリア条件が「ザコを〇〇体倒してゴールする」で、

先のミッションに進んだ方が当然強い武器が手に入りやすいため、

軽くザコ倒したらあとはすべての敵を無視してゴール目指し、

とにかく先に進むプレイが大安定。全体的に単調だ。

 

難易度ノーマルだと6時間くらいでクリア出来て、

クリア後にやり込めるミッションなどは一切存在しない。

セーブデータを引き継いで難易度の上がった2周目に挑む!

なんて要素も無いから集めた武器を使う相手がいない。

 

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やり込みは敵が低確率で落とすドッグタグを集めてレア装備と交換するくらいだね。

クリアまで遊んで15個くらいだったのでコンプ目指したら何十時間掛かるやら……。

割とバランスブレイカーな装備も多かったり。

 

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一応、ハードコアモードはあるがセーブデータは個別。

死亡すると装備アイテムがロストしてレベル1になるとか、

アイテムが無いとセーブ出来ないとか、弾薬に金が掛かるとか縛りがてんこ盛り。

敵の攻撃は激しくなるが、ここだけのボスや装備などは一切無し。

クリア後にやることがなくなるのも同じだ。

 

縛りもほとんど機能しておらず、

弾薬は序盤からいくらでも買えるし、セーブアイテムは使い過ぎなければ余る。

ロストとレベル1は面倒なだけでセーブした箇所からやり直した方が早い。

どれもこれも何も考えずに実装したとしか思えない。

特に弾薬に関しては

「メタルマックス本編は弾に金が掛かるのでスピンオフでもそうしました」

というだけの理由で実装したんじゃないか……。

そういうシリーズの記号だけに固執してるのが近年の『メタルマックス』なんだよ!

 

ただ、回復アイテムが入手し辛く、

持ち込める数も少ないのは緊張感が増しているのでアリ。

ボス戦前に回復アイテムをしっかり準備する重要性が生まれていて、

この辺のバランスはハードコアモードの方が好みだったな。

 

まあ、後半は状態異常を回復するアイテムがちょっとしか持てず、防ぐ装備も無いのに、

大量の敵が狭い部屋で爆風付きの状態異常攻撃を乱射してくるゲームになるが、

高難易度モードと考えれば許容範囲ではあるかな……。

 

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ハクスラゲーとして見るとUIも不満。

アイテムのロック機能が無く、装備してるアイテムも普通に売却できるので、

いらないアイテムをまとめて売る時にうっかり売っちゃいそうになる

 

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ポチ以外に2匹の犬が使えるが、

レベルが個別だし、リロードや緊急回避のクールタイムなどに差があるだけなので、

プレイ感覚は全然変わらないぜ。チームを組んで戦うとかそういう要素は一切ない。

 

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公式サイトからして犬推しのゲームなのに、犬の見せ方が下手なところも不満。

装備によってビジュアルが変わるのは凝っているところだが、

ゲーム中は小さくて全然見えない。

リザルト画面ででっかく表示するとかして良かったのでは?

拠点の撮影モードではフレームを切り替えながらじっくり見れるものの、

見れるのは走っているモーションだけ。

おすわりとかお手をしてるモーションとか無いのかよ!

 

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ノーマルとハードコアそれぞれクリアして

トロコンするまで遊んで15時間ちょっとだったかな。

「練習で作りました!」というのが滲み出ている作りで、

ひたすら強くなっていくのを楽しむゲームとしても、

ひたすらアイテムを集めるのを楽しむゲームとしても中途半端。

 

過去作のアレンジBGMと共に

お馴染みの賞金首たちとアクション形式で戦えるところは嬉しいところだし、

手軽に遊べるハクスラとして悪くはない。

難易度低めで、ツインスティック形式ではなくロックオン形式なので、

何も考えずにバシバシ撃ちまくれるのは長所。

 

ただ、手軽に遊べる以外に褒めるところが全然無く、

これで2980円はやっぱりかなり厳しい1本。

とにかく侘しい気持ちにさせられる30周年スピンオフでした。