今更だがレジェンドオブレガシーのレビュー行くぜ!
THE LEGEND of LEGACY -レジェンド オブ レガシー-公式
レジェンドオブレガシーは2015年の1月22日にフリューから5980円で発売された3DSソフト!
開発はメタルマックス4や勇限会社ブレイブカンパニーなどでお馴染のキャトルコール。
スタートボタンを押すといつでもスクショ撮れる便利機能あるのはメタルマックス4を思いだすね。
イメージイラストを小林智美が担当し、
スタッフにもサガシリーズに関わっていた人間がいてそこを推していたりと、
完全に「サガシリーズを知るもの来たれ!」ってノリの完全新作RPGだ
10年前、突如海から出現した伝説の「アヴァロン島」。
本来人間に見えるはずのない精霊の姿を見ることが出来る場所で、
数多くの古代の遺産が眠り、凶暴なモンスターが闊歩している。
その古代の遺産の中でもとびきりの上物!
所持者に永遠をもたらすと言われる「星杯」を求めて7人の命知らずどもがやってきた!
7人の中から主人公を選んでアヴァロン島を冒険するぜ!という内容です。
拠点となるのはイニティウムの街。
ここから各地のダンジョンへと出撃していくのだ。
街はここ一つだけであとはひたすら冒険が待っている。
ダンジョンではうろついている敵にぶつかったら戦闘がスタートするシンボルエンカウント方式。
戦闘は最大3人の味方パーティで行うターン制のバトルで、
1人が敵の攻撃をシールドでガードして残り2人が攻撃を行うのが基本!
ゲームを進めると手に入る装備アイテムを使うことで3種類いる「精霊」と契約を交わすことも可能だ。
契約をすると水ならばHPが毎ターン回復、風ならばSPの回復力が上昇。火ならばスキルの追加効果発生率アップ、
といった効果が発動。
強力な「術」を使うにも対応した精霊との契約が必要だし、
精霊の影響力によって更に特殊な効果も発生する。
例えば、水の精霊に関連した術を使い続けて水の精霊の影響力を一番高くすると、
術攻撃の効果が敵味方共に半減するとか。
火の精霊に関連した術を使い続けて火の精霊の影響力を一番高くすると
物理攻撃の効果が敵味方共に大幅に上昇するとかね。
精霊の契約は普通に敵も行ってくる上にどちらか片方としか契約できないため、
水の術を使おうと思ったら直前で敵に契約されて術が不発に!なんてことも。
戦闘前に陣形を自由に作成してターンの最初に切り替えることも出来る。
陣形によってキャラのスピードや防御力や回復スキルの性能も変わってくるので、
状況に応じて使い分けるのが重要だ。
どういう戦術を取るか?
強力なボスの行動パターンに対してどういう対応をするか?
防御役、攻撃役、回復役、そしてどの精霊を活用するか。
精霊のやり取りで1手ミスをするだけで戦局が大きく変わる。
敵と味方の行動の順番が非常に重要なシステムになっているぜ。
戦闘中に一定確率で発動する「覚醒」で新しい技を覚えることが可能で、
強敵相手だと確率アップで普通のザコだと全然覚醒しない……とここはサガシリーズの「閃き」まんまね。
術に関しては対応したアクセサリーを装備すると使用可能で、
そのまま使い続けるとアクセサリー無しで発動できるようになる。
ダンジョンには最初に来た時点では苦戦必死のモンスターがいたり、
ワクワクするような数々の仕掛けがあったり、背景美術が本当に素晴らしかったりと雰囲気作りはバッチリ。
浜渦正志のBGMも絶品で数々の幻想的なダンジョンと見事にマッチ。
サガシリーズに関わったスタッフが参加しているということで、
戦闘システムや雰囲気などでサガっぽいと言われていた本作だが、
個人的に一番サガっぽいと感じたのは……。
宿屋のカウンター奥に入ろうとすると「入っちゃダメ!」
宿屋の2階に上ろうとすると「のぼっちゃダメ!」って怒られるところですね!
道を塞いでるモンスターの巣を調べるとこんなメッセージが出るが、
ここでキャンセルすると……。
こうなったり。
細かいテキストがやたら楽しいゲーム。
ここら辺はテキストディレクションの加藤バテンカイトス正人の手腕だろうか。
そんなわけで雰囲気などは良いんだが…。
全体的に肉付けが足りてない印象。
まずやることがひたすらダンジョン攻略でサブイベントみたいなものもほとんど無いため、
本家サガシリーズと比較しても非常に淡々とした展開になりがち。
主人公ごとのシナリオはあるんだけど合間合間に挟まるくらい。
これに関してはまあ、味と言えば味と言えるし、
倒さなくてもいいボスが何体かいたりはするんだが、陣形の入手がランダムなのは理不尽すぎる。
このゲームは一度歩いた場所が地図に記録され、
それを売ることでお金が手に入る&情報が広まって回復ポイントやNPCなどが出現するというシステム。
陣形は10種類以上存在する「ポジション」を組み合わせて作成するんだけど、
「地図を売ったダンジョンの特定の場所にランダムで出現するNPC」
に話しかけないと新しいポジションが手に入らない。
しかも完全ノーヒント。
陣形の作成と切り替えによる行動順や補正効果が超重要なゲームなのになんだよこの仕様?!
後半差し掛かるまで初期ポジション3種類の組み合わせだけで進めてたよ!
ゲームバランスにも難アリで、ザコ敵のバリエーションに乏しかったり、
精霊との契約は特定の装備アイテムが必須なのでキャラの装備欄が圧迫されたり。
陣形と精霊の調節で戦況が一気に変わるのは面白くないわけじゃないんだが、
契約だけで1ターン使う必要があったり、
全体的に縛りのキツい調整だったりで遊んでいて窮屈に感じることが多かった。
精霊と契約してくる敵と遭遇した時の契約の奪い合いもかなりダルい。
ボス戦も敵の全体攻撃がとにかく強力なため、
どのボスも水属性と契約しまくって毎ターンHP回復&全体攻撃ダメージ減少で挑むのが大安定だ。
ボスの行動パターンにランダム要素が強すぎるせいで、
偶然、全体攻撃を連発されて全滅ってこともある。
それでもつまんないってわけじゃあなかったんだが、
ラスボス戦が今上げた面倒な要素を全部煮込んだような構成の長期戦で本当にツラかったぜ……。
あのあっさりしてるんだけど爽やかで清々しい、
冒険のシメに相応しい素晴らしいエンディングでかなり許せてはしまったけどね。
悪い言い方をすると他社のブランドに乗っかった感はあるものの、
このご時勢にこういう新作を出してくれたのは嬉しい。
探索していてワクワクするような作りのダンジョンやテキストは非常に良かった。
が、全体的に肉付け不足で色々と惜しい内容。
新規でサガシリーズ好きな人が喜ぶような尖ったRPG出すぜ!という意気込みは強く感じたので
せっかくヒットしたんだしこれで1本で終わらせないでくれよフリュー。
次の冒険を待ってるぞ!