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【レビュー】一晩で世界を救うRPG!今遊ぶのは……キツい!『G-MODEアーカイブス47 12GEMs』【Switch】

 

G-MODEアーカイブス47 12GEMs ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

【Seekz】12GEMs(当時の開発元公式)

 

『G-MODEアーカイブス47 12GEMs』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:ジー・モード

機種:Switch

ジャンル:RPG

発売日:2023/4/6

価格(税込):800


 

2005年にG-MODEからガラケーで配信されていたRPGの復刻だ。開発はSeekzで、『OU(オーユー)』で今をときめく幸田御魚氏が企画・シナリオ・デザインを担当していた作品でもあるぞ。

 

雰囲気やシナリオに見所はあるが……正直言って今遊ぶのはキツい作りだった!

 

 

舞台となるのは天に浮かぶ空中城ガンゼルドと下界、そしてそのすべてを取り囲む巨大なリングの3つで構成された世界。ある日ガンゼルドを制御する12個のGEMが下界へと飛び散り、このままではガンゼルドは下界へとゆっくり落下してしまう。

 

 

主人公のディノはGEM回収の命を受けた少年だが、穢れた場所だと教えられてきた下界にいざ降りてみると印象が違う。GEMを集めながら、その目と足で世界の姿を見るディノの運命、そしてその裏で動く陰謀とは!?というストーリーだ。

 

 

ゲーム自体はオーソドックスな2DのRPGで、大きく分けられた3つのエリアを巡って12個の宝石を探す構成。イベントはある程度前後することもあるが基本一本道だ。次に行く場所もわかりやすく教えてくれる。

 

「GEMを集めるのに残された時間は一晩だけ」という設定でメニュー画面に大きく時計が表示されているが、これはただの演出でゲーム的な時間制限などは無いぞ。

 

 

ストークと呼ばれるモンスターと戦いながら地上を探索していく。『Among Us』みたいな防護服を着てゴミ漁りしてる民や、巨大クラゲの背中で生活する海の民などと出会い、それぞれの勢力の思惑や文化を知りながら宝石を探していくのだ。

 

 

ヒロインっぽい可愛いキャラも出てくる。

 

 

割と雑に見つかることも多いGEMには人間や精霊など様々な存在が封印されている。ちゃんと自我があるし、個性豊かなのが面白いところ。見た目も賢者っぽいおじいさんから、モンスターみたいな奴まで様々だ。

 

 

お気に入りは見た目がホラーゲームなパールくんです。仲間キャラとしてパンチが効いてるぜ。

 

 

武器や防具といった概念は無く、スロットに手に入れたGEMを装備することによってパワーアップやスキル習得を行う。GEMはスロットに入れれば装備アイテムになるし、1枠だけあるパートナースロットにセットすれば仲間として戦ってくれるというシステムだ。

 

 

戦闘はオーソドックスなコマンド式だが、体力と一緒に攻撃力と守備力が可視化されており、スキルでこれを削る戦略が軸になるぞ。

 

と、そういうゲームになっているがこの戦闘が面白くない!(バッサリ)

戦闘が終わると体力が全回復する仕様なので、ザコ戦は全部通常攻撃連打。ボス戦は一部手強いが、基本的に守備力を下げつつ状態異常で殴るだけで全部カタが付く。ラスボスも弱い。レベル上限が低いから経験値稼ぎする必要が無いし、金の使い道が回復アイテムくらいなのでザコ戦が爆速で作業になる。

 

序盤にこっちのHPを吸収して回復するザコが、ドラキーくらいの感覚で出てきて戦闘が長引きがちなのも地味にイラッと来る点。

 

 

無駄に同じエリアを行ったり来たりさせる構成で、フィールドのあちこちにある強化アイテムを集めると道を塞いでるタマゴを押せるようになる、更に集めるとタマゴを壊せるようになる、タマゴの先にアイテムがある、強化しないと通れない道があるなど。二度手間、三度手間でプレイ時間を引き延ばす作り。

 

それに加えてエンカウント率の軽減や必ず逃げられるアイテム、魔法の類は無し!拠点に戻るアイテムやダンジョン最下層から戻れるワープなどはあるものの、ファストトラベルの類も全くないからダルさの極み最高潮でござる切腹待ったなし。

 

ガラケーのRPGなら……と言いたいが、2005年のRPGだし普通にルーラくらい実装すべきだな!BGMの種類が少なく、似たような暗い曲を聴き続けるのもじわじわキツくなってくる。

 

駄目押しで11個のGEMをすべてパワーアップさせないとラスボスに挑めないイベントが最後に待っている。パワーアップイベントは対応したGEMをパートナーにして、世界のどこかにある祠を調べると発生。自らの心と向き合うボス戦に勝利するとレベル上限が解法されてスキルも強くなるのだ。

 

 

……つまり、全フィールドのどこかにノーヒントで設置された11個の祠をすべて探さないと、ラスボスに挑めないってことだ!笑えないジョークだぜ。俺がかなり嫌いな部類の水増し!同じダンジョンを何回探索させるんだよ!祠を見つけたらメモして進めることを推奨するぜ。

 


たまに視点の違うダンジョンやミニゲームを入れて変化を付けようとしてるんだが、別に面白くは無い……。画面外から突っ込んでくる敵を避けないとスタート地点に戻されるギミックとかある。

 

 

世界観や雰囲気はいい感じで、この会話シーンなどは印象的だ。まあキャラの掘り下げが甘く、雰囲気だけで終わってるのが残念でもあるが……。「一晩で世界を救う」って設定も全然活かされてない。

 

 

テキストは節々にシナリオを担当した幸田御魚氏のセンスが出ていて、トパーズのセリフ回しは特にそれっぽさがある。

 

 

クリアまで7~8時間くらい。普通にやってればクリア前にレベルMAXになるし、クリア後の隠しダンジョンみたいなやり込み要素は無しだ。評価できるのは本当に雰囲気やキャラくらいで、ダルい探索と作業でしかないザコ戦を繰り返す構成。

 

最初に今遊ぶのはキツいと言ったが、調べると当時からゲーム部分の評判はあんまり良くなかったみたいだぜ!

 

ガラケーで凝ったRPGが出始めた時期くらいの作品なので、後から遊ぶのが余計キツいというのはあるかもしれない。もうちょっと前の作品なら作りが簡素で逆に遊びやすいし、もうちょっと後なら完成度が上がってくる。

昔遊んで思い入れある人なら……という評価になっちゃいました!