『アームド&ゴーレム』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはPS4版ね。
パブリッシャー:ケムコ
機種:Switch/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S/PC
ジャンル:RPG
発売日:2021/8/6(PS4)
価格(税込):約1320円
備考:PS4版は12/16発売の『ケムコRPGセレクション Vol.8』に収録予定
戦闘メカ「ゴーレム」を駆り、荒野を旅する16bit風のRPGだ。
元々は2008年にガラケーで発売された作品で、今年になってスマホでリメイクされた。
そのコンシューマ移植版が本作というわけだ。
販売はケムコで開発はHit-Point。
10年以上前からRPGを山ほど出してるタッグね。
賞金首!戦車っぽいメカ!RPG!
どう見ても『メタルマックス』じゃねーか!でも面白そう!
という理由で購入。サクサク楽しめるゲームだったが、値段相応な部分も多く、
元が2008年のガラケーの作品ってことを踏まえないと肩透かしではあるかな。
世界観は生命の源である「イデア」と、
それを使った戦闘メカ「ゴーレム」で繁栄した帝国が、
月が降ってくる「メテオールインパクト」によって崩壊。
バラバラになった人々はそれぞれのコミューンを作って生活を始めた。
というもので、主人公は賞金稼ぎである青年ヴァレス。
突然やってきた謎の自立型ゴーレム「ロック」から、
母親がテロ組織に拉致されたことと、
テロ組織のリーダーに莫大な賞金が掛かっていることを聞かされ、旅に出ることになる。
更に修道院出身の勝気な女ウルスラと、
謎の少女エリスも加わり最終的には4人パーティに。
ヴァレスは金に汚くて性格が荒っぽいし、ロックもゴーレムなのにやたら口が悪い。
ウルスラもエリスもそれに負けじと張り合うしで賑やかな旅だ。
ゲームとしてはスーパーファミコン時代を思わせる昔ながらの2DRPGで、基本は一本道だ。
ボスである賞金首を倒すことで賞金をゲット。
ゲームが進むと、メインストーリーに関係ない賞金首も沢山登場する。
戦車……じゃなかった、ゴーレムの武装は
強力だが一回撃ったら数ターン撃てない主砲と、
それには劣るが毎ターン使えて範囲攻撃などの特徴がある副砲の2種類。
一発いくらで購入する特殊弾をぶっ放すことも可能だ。
装備するイデア石によって異なるスキルを使用可能だし、
ゴーレム固有のスキルで性能の差別化もされている。
耐久力であるBPは装備してるコアによって変化。
良いコアを装備するほど最大BPが伸びるってわけね。
ゴームレはショップで改造も可能。
お金を払うことでステータスを伸ばしたり、特殊弾の発射回数が増えたり。
レアアイテムを消費することで改造上限を伸ばしたり、
装備できるイデア石を増やしたりが可能だ。
ただし、改造した分だけ耐久力である最大BPが減るので、
無計画にステータスを伸ばすと撃たれ弱くなってしまうぞ。
『メタルマックス』じゃねーか!
戦闘はスピードの速い奴から行動していくコマンド式。
ゴーレム毎のパッシブスキルに、
状態異常、バフやデバフを活用して強敵を打ち破っていく作りだ。
強力な特殊弾は1戦闘に各ゴーレム1回ずつしか発射出来ないし、
戦闘中にアイテムが10回しか使えない縛りもあるので、短期決戦になりがち。
なので、勝とうと思ったら改造とスキルで攻撃力をガン積みしたり、
金に物を言わせて弾倉を拡張して
特殊弾を1ターンに10発以上同時にぶっ放すとかが強い。
この大味さ、個人的には気持ち良くて好き。
ゴーレムがやられても生身のキャラが飛び出して戦闘継続で、
生身でも割と強いのが面白いところ。
ややエンカウント率は高めだが、
戦闘スピード3倍速とオートバトルもあるので、ゲームテンポはそこそこだ。
ドット悪くないし雰囲気もなかなか『メタルマックス』というか……。
賞金首BGMの入り方がだいぶメタルマックス #PS5Share, #アームド&ゴーレム pic.twitter.com/NZjPcFhQT6
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) September 1, 2021
賞金首戦のBGMがギターのギュオーン!から始めるのは寄せすぎだろ!
メニュー画面を開くと今いる場所のマップが見れるし、
「ストーリー」の項目でこれまでの話と目的も確認できる。
全体的に親切な作りだね。
定価の安いスマホ版だとGLPという課金ポイントで
特殊なアイテムを買う要素があったが、
コンシューマ版は普通に敵を倒すだけでこのポイントが溜まっていく。
買えるのは強力な回復アイテムに、ゲーム内だと貴重なゴーレムの改造キット、
持ってるだけで経験値や入手金が50%アップする上に
重複可能なチートアイテムなどなどだ。フル活用すればラクラク進行!
俺は一切使わずに進めたが、
中盤から後半のボス戦で少し苦戦したくらいだったので丁度良いバランスに感じた。
まあ、これは課金無しで使えるのに、
「エンカウント無し」は300円のDLCで別売りなのは少し引っかかるが…。
気になった点としてはザコ、ボス共に色違いが多いところ。
終盤に出てくる割と重要なボスキャラたちも軒並み色違いだ。
ゴーレムもダンジョンにポンと置いてあるのを拾って入手なのが寂しい。
テキストも全体的に洗練されていない。
街にいるモブキャラは設定に関する説明的な長話を延々と喋るキャラが多いし、
ストーリーも演出が淡白な割にセリフがやたら冗長で話が入り組んでたり
展開がちょっと勢い任せだったり。
王道ではあるんだが、遊んでいて話があんまり入ってこない作りだった。
街に革命派の声明を丸暗記してるガキを設置するのは特に力技だったな!
「よく分からずこういうものに憧れる子供」がやりたいのは分かるんだけども……。
ただ、メインキャラ4人はキャラ立ってて、節々では良いイベントもあった。
特にロックは良い味出してたね。
街を脅かしてる賞金首を倒すと、ちゃんと街の人が褒めてくれるところなんかも好き。
クリアまではテンポ良く行けば20時間掛からないくらい。
クリア後には各地に強力な賞金首が多数出現するので、
やり込もうと思えばかなり遊べる構成だ。
PS4のトロフィーは作業系のものが無いため、
普通にクリアすればほぼ全部取れるようになってるぞ。
バランスは好みだったし、
『1300円のメタルマックス風RPG』としては十分楽しめる作りではあるんだが、
それ以上を求めるとちょっと辛いかも。
どちらかというスーファミ時代の『ファイナルファンタジー』っぽい空気も強いかな。
こういう雰囲気が好きで、手軽に遊べるRPGが好きな人ならばオススメだ。