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蒼き未来都市で親友を探せ!SFタクシーADV!『Neo Cab』レビュー!【Switch/PC】

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Nintendo Switch|ダウンロード購入|Neo Cab

 

Neo Cab on Steam

 

『Neo Cab』のレビュー行くぜ!

 


メーカー:Fellow Traveller

機種:Switch/PC

ジャンル:近未来アドベンチャー

発売日:2020/05/28

価格(税込):2050円(Switch)1520円(Steam)


 

自動運転のタクシーが当たり前となり、

人間のドライバーが絶滅危惧種となった近未来都市。

「ロス・オジョス」が舞台のSFアドベンチャーゲームだ。

すっかり珍しくなった人間のタクシードライバーとしてお金を稼ぎつつ、

行方不明になった親友を探すという内容。

舞台設定システムに惹かれて購入したぞ。

 

発達し過ぎたテクノロジーの恐ろしさや

職業問題、政治問題などが描かれており、なかなか社会派なノリ。

ほぼ車内での会話で進行する会話シーンや演出などは、

カメラワークの上手さなどもあって雰囲気たっぷりで非常に良かった!

ただ、キャラクターや街の描写などはもう一押し欲しかったかな。

 

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一度は別れた親友のサビーに誘われ

人生をやり直すために「ロス・オジョス」にやってきた主人公のリナ。

しかし、サビーが突如行方不明になってしまい、住む場所も決まらないまま、

タクシードライバーの仕事をしながらサビーを探すことになる……という導入だ。

 

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自分で車を運転してマップを走り回るゲームではなく、

タクシーアプリを起動させて、拾う客を選択するだけ。

客は名前と簡単なプロフィール、評価、アイコンを確認できるので目安にしよう。

 

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あとは目的地に付くまで、お客との会話を楽しむのだ。

結構な量ある選択肢を選ぶことで会話が分岐していくぞ。

選択肢にはリナが冷静だったり、怒っていたりしないと選べないものもあり、

リナの感情によって会話や選択肢も変化していく。

 

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感情は、リナが付けている「feelgrid」というブレスレット型のデバイスで分かる。

これは血液中の分子から感情を読み取るもので、

色が赤に近ければ怒り/不安で、黄色なら過剰興奮/陽気など。

リナの気持ちが一目瞭然。これは客からも見えるし、つけている客も登場する。

 

これ装着すれば、押し殺した怒りも空元気も相手にバレバレ。

俺は絶対に付けたくないデバイスだな!

 

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客はジャーナリストから、自身の信仰に悩む教祖、

ハイテクスーツを着せられ、親から監視されている富豪の娘、

魔法としか思えない技術を使いこなす科学者、

頭の悪そうなカップル、刑務所帰りの怪しげな男などなど……。

 

見た目からして変なヤツもいれば、

見た目は普通だけど話してみたら変なヤツだった!というパターンもあるぞ。

 タクシーは自動操縦が一般的なので、

リナを人間ではなくロボットと思い込む客が乗ってきて、コントみたいな会話になったりね。

 

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冷たい未来都市の灯りにより、蒼く染まる車内で。

活き活きと表情を変える客と、会話を重ねていくのがたまらないゲームだ。

 

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タクシーを正面から見たアングルだったり、リナの主観視点になったり、

登場人物の顔にズームしたりと、シンプルだが臨場感が感じられる構図が上手い。

 

会話の端々からこの街で進んでいる出来事や、

一人一人の登場人物が抱えている問題などが、少しずつ分かってくるところが面白い。

会話で重大な決断をしたり、リナの協力で行動を起こしたりと、

タクシーでのほんの数十分の会話が、彼らの人生に影響を与えることもあるのだ。

もちろん、運転しているリナ本人にも影響はある。

 

1回のプレイではすべての客に出会うことは出来ないし、

イベントを最後まで見れない時もあるため、

「あの客どうなったんだろう?」って思いを馳せてしまうのも良いところかな。

 

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会話が終了するとアプリからドライバー評価が付けられる。

貰える金額やメインストーリーの進行に影響するので高評価をキープしたいが、

会話が険悪だったりすると低評価を付けられるのでハラハラするぜ。

客の要望に応えるか、断るかで悩む場面もあるぞ。

 

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基本的にはみんな高評価を付けてくれるんだが、

酔っぱらってゲロを吐いたあげく、

自分はゲロを吐いていないと言い張って星1を付けるクソ客もいる!

近未来なのに夢も希望も無い、あまりに生々し過ぎるクソ客……!

このゲームがGTAじゃなかったことを感謝しとけよな!

 

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客を3~4人運んだらその日の営業は終わり。

稼いだお金でカプセルホテルや高級ホテルに泊まる。

お金が無ければ駐車場で寝泊まりだ。

止まった場所によってリナのメンタルに影響がある。

といっても、ゲーム進行にそこまで大きな影響があるわけでもないから、

ここもゆるいバランスだね。

 

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なかなか引き込まれるゲームだが、気になった点としては翻訳。

基本的にはキャラ毎の口調などレベルは高いんだが、

長いセリフや単語の翻訳はちょっと荒いかなぁ。

リナの手書きメモであるジャーナルの翻訳は素晴らしい。

 

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個々の会話や、

現実のテクノロジーを下敷きにした大企業への風刺などは面白かったが、

全体的に登場キャラがちょっと型にはまり過ぎというか、

「こういうイベントのためのキャラ」「こういう問題提起をするためのキャラ」

という向きが強かったり、街並みや服装が野暮ったかったりで、

「すごく印象に残った!」ってところは少ないゲームだったかな。

メインストーリーで必ず出会うキャラがあんまり魅力的じゃないせいもあるかも。

 

システム面ではスキップ機能が使い辛く、

エンディングリストやフローチャートなども無いから、

分岐や別エンディングの確認がし辛いのも気になったかな。

まあエンディングの種類はそんなに多く無さそうではあったが……。

 

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近未来都市を舞台にした、サイバーパンクタクシードライバーADV。

システム的には『VA-11 Hall-A (ヴァルハラ)』辺りの流れを感じさせるね。

物足りないところもあったが難易度は高くないし、

会話劇主体のADVと聞いて興味を持てる人なら楽しめる1本だと思うぜ。

興味がある貴方は今すぐ、くそったれな未来都市で営業スタートだ!