Nintendo Switch|ダウンロード購入|Freedom Finger
『Freedom Finger』のレビュー行くぜ!
メーカー:eastasiasoft
機種:Switch
ジャンル:シューティング
発売日:2020/07/22
価格(税込):1480円
「中指を立てた腕」を操作する2Dのシューティングゲームだ。
あまりにもイロモノ全開の見た目だが、
PV見ると意外とシステムがしっかりしてて面白そう……というわけで購入。
やってみると作り込んではあるものの段々しんどくなってくるバランスで、
中指を立てることの息苦しさを痛感させられるゲームだった!
ストーリーは中国のテロリストに占拠されたアメリカの月面施設から、
人質を救出するために、主人公が最新型戦闘機で突っ込む内容だ。
その場の勢いでロシアの人工衛星を破壊してロシア宇宙軍を敵に回したりしつつ、
アメリカの正義の元に中国のテロリストもロシアの宇宙軍も全滅だ!
というもので、いかにも海外の風刺ゲームってノリだぜ……!
もちろん一番皮肉ってるのはアメリカ。
まあ、後半は色々とどんでん返しがあったりはするんだが。
ロード画面では歴代アメリカ大統領の語録が表示される仕様。
トランプのもあった。
ステージ間デモではこのように、
シューティングゲーム史上屈指の汚さを誇るコクピット視点で会話が進む!
唐突にアメリカも中国も関係ない超展開がはじまったり、
メタネタが挟まったり、色々とやりたい放題なストーリーだ。
突然のクラフト要素批判!
eastasiasoftがクラフト要素ののあるゲーム出したらこれ貼ってやる!
ゲーム部分はステージクリア型でライフ制のシューティング。
ショット、パンチ、グラブの3つを使い分けて進むシステムが最大の特徴。
まずショットは中指から弾を発射する普通の攻撃だ。
いやまあ、ビジュアルは普通じゃないかもしれないが……。
グーの形で行うパンチ攻撃は射程は短いが破壊力が高く、
道を塞ぐ障害物も破壊可能。
3回連続でパンチすると最後の一発が強力なアッパーになったり、
小さい敵を殴って別の敵に当てたりも出来る。
グラブは敵や障害物を掴んで武器にするアクション。
例えばショットガンのように弾をばら撒いてくる敵を掴んじゃえば、
そのままショットガン状の弾を発射する武器として使えちゃう。
武器に出来ない敵や、使えない敵はポイッと投げて他の敵にぶつければ良し。
ただし、何かを掴んでる時は移動スピードが遅くなるので、
敵の高速弾などに対応できないこともある。欲張り禁物だ。
「相手を殴って奪って突き進む!」というゲームシステムで、
ちゃんと腕が自機なところに意味があるし、
このシューティングゲームの常識に中指を立てろ!と言わんばかりの作りが面白い。
ステージはボス戦のみのステージも含めると40ステージというボリューム!
ストーリーモードだと1ステージ毎にセーブされるからじっくり遊べる。
選択肢によるストーリー分岐と複数のエンディングがあるが、
一度クリアすると好きな個所から再開出来るようになっている。
好きなステージを1つ選んでスコアアタックできるアーケードモードもあるぞ。
ステージもしっかり個性付けがされており、
定期的に上から太陽フレアが降りそそぐので、
障害物に身を隠しつつ、自分が通れるだけの穴をパンチで開けていくステージに、
パンチでスイッチを押してシャッターを開けていくステージなど様々。
色んなゲームのパロネタも満載だ。
いきなりファミコン風の画面になるステージもあったり。
割とそれっぽいドットに仕上げてあるな……!
ボスキャラもロシアの人工衛星から要塞都市、
謎のミュータントから巨大ロボットなど珍妙な連中が盛り沢山!
こちらも見た目を活かした攻撃パターンでしっかりと個性付けしてある。
ふざけたゲームなのにBGMがやたらカッコいい #NintendoSwitch pic.twitter.com/mDk4AdOFAs
— ラー油/Vゲームブロガーらあゆちゃん (@daikai6) July 27, 2020
BGMのクオリティもかなり高く、
バリバリのロックからダウナーな曲までボーカル曲が満載。
お気に入りはステージ10のボスBGMで、
激しいイントロと激高する登場キャラのセリフと共にバトル開始して、
激しい弾幕がカッ飛んでくる構成がたまらんぜ。
……と、ボリュームたっぷりでかなり作り込まれたゲームではあるんだが、
中盤くらいから敵の物量と堅さが大変なことになり、
殴ったり投げたり武器にしたりとシステムを活用しても、火力がまったく追いつかない。
ステージの長さも結構つらいところ。
物量に押しつぶされまくったり、
当たり判定のデカい自機で細かい避けをしなきゃならない場面が多かったり、
ぶっ飛んだ見た目に反してかなりカツカツで苦しいバランス。
難易度設定はかなり細かく、体力を4倍にしたり無限にしたりも自由自在。
難しいと感じたらすぐに変更可能で、
誰でもクリア出来るようにはなっているんだが……。
敵の耐久力や火力をいじることは出来ないので、物量がしんどいのは変わらない。
キーコンフィグはもちろん、立てた中指や会話のFワードに
規制を掛けることも出来る芸の細かさは凝ってて良し。
最初はかなり好感触で、テンションを上げながら中指をおっ立てられるんだが、
徐々に現代社会で中指を立てる息苦しさに苛まれていくゲーム。
狙ってやってるバランスだとしたら、大したものだな……!
シューティングとして真面目に作ろうとし過ぎたのが、
悪い方向に転がってるゲームバランス。もうちょっと爽快さに振って欲しかった!
かなり作り込まれてるのは確かなので、
イカれたノリと様々なステージ、BGMが気になったらどうぞって1本かな。