探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.3「死者の楽園」 - G-MODEアーカイブス
『死者の楽園』のレビュー行くぜ!
メーカー:ジー・モード
機種:Switch
ジャンル:推理アドベンチャー
発売日:2021/5/6
価格(税込):500円
ガラケーの名作を広く復刻する『G-MODEアーカイブス+』の1本。
2005年に元気モバイルから配信されていたタイトルだ。
ガラケー時代に好評を博した推理アドベンチャー、
『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズの3作目となる。
□海底の密室に挑め!味わい深まる2作目!『G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.2「海楼館殺人事件」』レビュー!【Switch】 - 絶対SIMPLE主義
□幻のシリーズ1作目が復刻!『G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.1「仮面幻想殺人事件」 』レビュー!【Switch】 - 絶対SIMPLE主義
過去作のレビューはこちらを参照。
エピソードは独立してるので、どこから遊んでも問題なしだ。
今回も安定して面白かったし、シリーズとしての広がりも感じさせる内容で良かった。
主人公はタイトルにもなっている探偵の癸生川凌介……ではない!
その知り合いのゲームライター「生王正生(イクルミ マサオ)」と、
探偵事務所の助手である「白鷺洲 伊綱(サギシマ イヅナ)」の二人だ。
生正くんと伊綱さんの凸凹コンビが事件を捜査し、
ここぞというところで癸生川先生がやってきて、
名推理を展開するのがお約束のゲーム。
今回、癸生川探偵事務所の面々が挑む舞台は遊園地。
不気味な脅迫状と嫌がらせへの対応を、警察には知らせず行ってほしいという、
いかにも怪しげな依頼から物語は始まる。
捜査を進めるうちに殺人事件が発生するわ、
遊園地に隠された闇が明らかになっていくわで地獄絵図だ!
今回もファミコン時代のADVを思わせるコマンド式のシステム。
ゲームオーバーや分岐は無く、そこまでシビアなフラグも無い程良いバランスだ。
推理をミスした回数で、
エンディングで言われるセリフが変化するおまけ要素もあるぞ。
遊園地ということで微妙な面構えの着ぐるみマスコットが出てくるし、
アトラクションや施設を活用した展開も盛り込まれている。
暗躍する着ぐるみマスコットの中身は?監視カメラの映像は?
次々に起こる事件と謎でグイグイ引っ張る作りだ。
要所で登場するヨハネの黙示録から引用した脅迫状とか、
お約束の展開をきっちりやってくれるところが楽しい。
配信されたのが「世紀末ブームの数年後」という時期で、
それを感じさせる描写もちょいちょいある。今遊ぶと色々と懐かしい気持ちになるね。
遊園地で出会う関係者も、やたら横柄な社長に綺麗な新人秘書、
軽いノリのクルーに頑固な技師、そして名前がツッコミ待ちな占い師などなど……。
腹に何か抱えてそうな面子が勢揃いだ。
エピソードとしては本作のみで完結しているものの、
2作目に登場したキャラが再登場したリ、
以降のシリーズに繋がりそうな要素が立ち上がってきたりと、
作品として広がりが出てきた。4作目以降も楽しみになったぜ。
相変わらず出番は少ないが癸生川先生の存在感も強烈。
「やっぱこの人有能だけどヤベーな!」と奇行っぷりに笑わされる。
探偵具合がケタ外れに違うってどういうことなんですか先生!
過去2作は本当に癸生川先生が美味しい所をゴソッと持っていく構成だったが、
今回は助手の伊綱さんもしっかり見せ場があって、
話としてのバランスが良くなったように感じたね。
2~3時間ほどでクリア可能。
個人的には舞台設定が大がかりな『海楼館殺人事件』の方が好みだったけど、
今回も登場キャラが魅力的だし、
遊園地が舞台の王道ミステリーとしてしっかり楽しめる1本だった。
定価500円だし、文庫本感覚で遊んでみてもらいたい!