七星探偵倶楽部~黄金虫の帰巣~ (製品版) - POTGAMES - BOOTH
『七星探偵倶楽部~黄金虫の帰巣~』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:POTGAMES
機種:PC
ジャンル:推理アドベンチャー
発売日:2022/9/21
価格(税込):990~1210円
ゲーム製作サークルPOTGAMESが手掛けた
推理アドベンチャーゲームだ。体験版も配信中。
『ファミコン探偵倶楽部』を思わせる懐かしい作風で、
丁寧に作られていて面白かった!
ゲームは銀行から3億円を盗み出した3人組のシーンから始まる。
「願いを叶える悪魔のノート」に従って上手く行ったと喜ぶ3人は
10年後の時効まで金を隠そうと約束。
持っていた「黄金虫のバッジ」を金と一緒に埋めて3人は別れる。
そして10年後。
とある高校で探偵部に所属している主人公の元に、
行方不明の兄を探して欲しいという依頼が来るところから物語は始まる。
導入からワクワクさせてくれるぜ。
主人公の名前は選択可能。
画面右のボタンで相手への質問や場所の移動を行い、
時にはポインターを動かして画面内を調べて手掛かりを探す。
ファミコン時代のADVっぽいシステムになっているぞ。
ただ、調べられる場所が分かりやすかったり、
複雑なフラグ立てが無かったり、
ヒント機能である「考える」コマンドがあったりと、
そこは現代向けの調整だね。
クラスメートのかえでちゃんからの依頼で兄を探すことになるが、
調査を進めるうちに殺人事件に出くわすことになり、
10年前の3億円強奪事件に繋がる謎も次々に浮かび上がってくる。
色々大変なことになってくるんだが、
ただの高校の探偵部である主人公は死体を見てもそこまで動揺しなかったり、
現場から証拠品を勝手に持ち帰ったり、
自分で調査を進めたりとやりたい放題!
ここも一昔前の探偵モノっぽいゆるいノリだ!
オリジナルの『ファミコン探偵倶楽部』だと、
探偵事務所の権力で大体解決してたなぁ……。
システムはオーソドックスだが、
濃い密度でテンポ良く進んでいくから一気に遊んじゃう作り。
新たな手掛かりの入手によって浮かび上がる新たな謎。
新たな登場人物に新たな調査場所。
そして真相に近づくにつれて高まっていく危険……。
これを学校終わって放課後に調査!情報入手!帰って寝る!
のテンポでこなす放課後探偵っぷりが遊んでて気持ち良い。
ここぞという場面でのホラー演出やアニメ演出も上手くて効果的。
盛り上げ所を外さず緊張感が高まるので、
ADV好きな人が作ったのが伝わってくるぜ。
ファミコン音源ではないけど、
ファミコンっぽいBGMとSEがまたいい味出してるね。
街の背景や時折出てくる新聞記事などの素材も丁寧で雰囲気出てる。
登場人物たちもみんなキャラが立っていて印象的だ。
探偵部の佐々木部長は見た目通りの有能かつカッコいい部長で、
頼りになるし終盤まで存在感ある。
メインヒロインのかえでちゃんも可愛いんだけど、
個人的にはクラスメートである晴子ちゃんの方がお気に入り。
いや、でも繁華街の調査で
めっちゃ気合の入った格好してくるかえでちゃんも良かったな……。
2人それぞれに会話をしながらの下校シーンがあるのが良し!
見るからにヤバそうな人だけど意外と話せば色々応えてくれる乱堂さんとか、
意外な情報を持ってるオタク3人組とか、
やたら年を食ってるレストランの店員とか。
出番の大小に関係なく脇役も濃いキャラが揃ってる。
学校のモブ生徒もゲーム進行に合わせてセリフが細かく変わったりする。
本編に関係ない小ネタやイベントもあったりで、
あちこちでテキストを見るのが楽しいゲームになってるぞ。
これぞ探偵ADVよ!
レストランでコーヒー注文するか大盛りハンバーグ注文するかの選択肢で、
ちゃんと来るものが変わったりするところ好きだったな。
ストーリーには全然関係ないの。
一本道のADVとしてよく出来てるんだが、
気になったのは選択肢を選んで聞き込みをするシーンで、
半分くらい聞いたら次に進んじゃう場面が多いところかな。
まだ聞きたかったのに!とセーブからやり直したことが何回かあったぜ。
クリアまでは3~4時間ほど。
ファミコン時代のADVやってるとニヤリする作りだが、
それで終わらずオリジナルのミステリー作品として綺麗にまとめてある。
グラフィック・テキスト共に丁寧で最後まで引き込まれたしオチも良かった。
主人公も部長も結構事件慣れしてるので、
過去に色んな事件を解決してきてたのかなぁ。
そこら辺も含めてシリーズ化希望するぜ!