サイコミステリー・シリーズ Vol.2「Angel Cry」 - G-MODEアーカイブス
『G-MODEアーカイブス+ サイコミステリー・シリーズ Vol.2「Angel Cry」』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:ジー・モード
機種:Switch
ジャンル:推理アドベンチャー
発売日:2023/6/22
価格(税込):800円
2005年頃に元気(ゲームメーカー名)がガラケーで展開していた
『サイコミステリー』シリーズの2作目を移植したもの。
未来を断片的に見る力を持つ女刑事と、
優れた推理力を持つ幼馴染の2人が難事件に挑む推理アドベンチャーだ。
記憶と時系列を逆に辿れ!『G-MODEアーカイブス+ サイコミステリー・シリーズ Vol.1「THREE -三つの記憶-」』レビュー!【Switch】 - 絶対SIMPLE主義
1作目とは主人公もシステムもガラリと変わっているが、
一部でシナリオがリンクする箇所もある。
事件としては単体で完結してはいるものの、
ある程度1作目遊んでることを前提にした構成だね。
シナリオがヘビー過ぎてちょっと怯んだが、なかなか引き込まれる話だったし、
今回から登場するキャラたちもいい感じだった。
オープニングでは主人公である女刑事、三島遥が単独で犯罪の取引現場に突入。
そのまま制圧して「未来は見えているの…。」で締めるのが、
能力の説明として分かりやすいしカッコいいぜ。
いや……単身で米兵も含めた20人を制圧できるのは、
未来視を考慮しても強すぎねぇかな!?
それは未来視じゃなくて『SUPERHOT』だろ!
そんな感じで1人で突っ走りがちな三島遥をサポートするのが、
天才的な推理力を持ちながらも、
普段は大学教授の論文の代筆などをこなして生活する相田衛である。
この2人が挑むのが嬰児連続殺人事件。
赤ん坊が誘拐され、次々に絞殺体で発見される事件だ。
いきなり胸糞の悪い導入だが、事件を捜査していくと更に凄惨さが加速していく。
G-MODEアーカイブスでガラケー時代のゲームやると、
当時よくこれやれたな!?ってシナリオ多くてビビるわ。
前作は「主人公は記憶障害で3つの事しか覚えられない」という設定を活かし、
集めたキーワードを取捨選択してパズルのように進めるゲームだった。
が、今回は昔ながらのコマンド式のアドベンチャーゲームになっている。
特徴と言えるのは「未来視」コマンドで、
使うことで断片的に未来の映像を見ることが出来る。
使えるのは1日に1回だが、
特定のタイミングで使用することで事件の手がかりが手に入ってシナリオが変化するぞ。
探索で集まった手がかりはリストに記録されていき、
すべて埋まっているとトゥルーエンド。抜けがあるとバッドエンドという構成だ。
ただ、未来視の使用に制限があるせいで手がかりを取り逃しやすく、
ミスしたら最初からやり直しなのが結構面倒。
文字早送りがあるから多少はマシではあるが……。
未来視を使う前にセーブして、
手がかりが手に入らなかったらロードするのが基本となるぞ。
熱くなりやすい三島遥と、それに呆れながらもしっかりサポートしてくれて、
本当は遥のことを大事に思ってるのが分かる相田徹の2人は良いコンビ。
ドットで表現された新宿各所を巡り、
少しずつ事件の全容が見えてくる流れは基本に忠実かつ面白い。
脇役もいい味出していて、
コテコテの嫌な奴ポジションに見える羽生刑事や、
相田徹の父だが親子関係で色々抱えている警視総監などなど。
今後のシリーズでの掘り下げが気になるキャラが次々に登場する。
ちょっとしか出てこないが、
歌舞伎町に居を構えるヤクザのカシラである三牛志摩も強烈だぜ!
前作は映画館に『対交錯事件』の看板があったりと、
同時期に同じメーカーから発売された『探偵・癸生川凌介事件譚』ネタがあったが、
今回は主人公が自分の名前を答える場面での選択肢に
「白鷺洲 伊綱」があって選ぶと「それはどこかの探偵でしょう」とか言われたり、
鞠浜台の名前が出てきたりと、ネタが細かくなってるのがちょっと面白かった。
クリアまで2~3時間ほどでサクッと遊べる。
サクッと遊べるがシナリオはヘビーだ……!
システム面でやや面倒なところもあるが、
悪夢のような事件を追い、壮絶な真相に辿り着く構成は読ませるし、
登場キャラもなかなか魅力的に描けていたと思う。
クセの強かったvol.1も悪くなかったけど、個人的にはこっちの方が好みだったね。