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1時間で事件解決!4つの事件に挑む短編推理ADV『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』レビュー!【Switch/PC】

 

和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

Steam で 10% オフ:和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE

 

『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:room6

機種:Switch/PC

ジャンル:推理アドベンチャー

発売日:2023/10/19

価格(税込):1564円


 

スマホで発売された『和階堂真の事件簿』シリーズ3作品を1本にまとめ、

新エピソードを収録して移植したタイトル。

1エピソードが1時間で終わるライトな推理アドベンチャーゲームだ。

雰囲気たっぷりのビジュアルで「いかにも」な事件の数々をサクッと遊べて、

一捻り効いたオチでなるほどとなる。短編集としてなかなか面白かったぜ。

 

 

警察である和階堂の視点から様々な事件を追う構成になっていて、

メインメニューから4つのエピソードをプレイできる。

 

「処刑人の楔」はカルト宗教に纏わる殺人事件を追う内容で、

いきなり首を切り落とされた死体がドン!

キャバクラやホテルなどで情報を集め被害者と加害者の正体に迫る。

 

「隠し神の森」は閉鎖的な集落で起きた神隠し事件に挑むもので、

祭事で使うお面とミノが付けられた死体から、

集落を支配する一族の人間関係へと繋がっていく。

 

「影法師の足」は和階堂自らが容疑者となり冤罪を晴らすために奔走する。

和階堂は何者かの襲撃によって半分記憶喪失になっており二重のピンチ。

曖昧な記憶と情報をつなぎ合わせて真相を追っていく。

 

「指切館の殺人」は嵐によって孤立したペンションが舞台のクローズドサークル。

怪異が出現するといういわくつきの井戸に怪しげな客、そして発生する殺人事件。

たまたま休暇に来ていた和階堂が挑む羽目に。

 

と、いかにもな事件がズラリだ!

シリーズ重ねると主人公自身が容疑者になるのは、

この手の推理モノだと特にお約束な気がする。

「探偵 神宮寺三郎」なんかは3回くらい容疑者になってたような……。

やりすぎると「それはもう犯人だろ」って言われてしまう。

 

話として好きなのは「影法師の足」で、オチが好きなのは「指切館の殺人」かな。

 

 

シンプルだが力強いタイトルロゴのセンスに、ボクセルで表現された選択画面が良い。

どこからでも始められるが、順番に遊ぶことをオススメするぞ。

 

 

ゲームは一本道の横スクロール型のADVで、

全体マップからあちこち移動しながら聞き込みや探索で情報を集めていく。

 

 

集まった情報をセットして誰かに聞くことで、更に新しい情報が手に入る。

 

 

情報が一定以上集まると、その時点での情報を整理するパートが始まる。

事件に関する質問をされるので、正しい情報を示せれば終了だ。

シナリオが進行するぞ。

 

 

この繰り返しで事件解決を目指す作りでゲームオーバーは無し。

システムは単純だし、

セットした情報を誰に使えばいいのかも可視化されているので迷うことはない。

あちこち移動できるが聞き込みができる場所ではヒントも出る。

とても優しい殺人事件になっております!

 

 

短編なので導入からすぐ事件調査に入るし、

そぎ落とされたテキストでテンポ良く聞き込みを行い、

着実に事件解決に迫っていく流れが遊んでいて楽しい。

 

 

各エリアの背景や登場人物の多さも凝った作りで雰囲気たっぷりだ。

 

 

この抑えた色彩のビジュアルだからこそ、血の赤が鮮烈なものとして印象強くなるし、

情報量が少ないピクセルアートだからこその展開もある。

落ち着いたBGMも含めて雰囲気周りは上手い。

 

公式はこのドットを「レトロ風」と言っているんだけど、

一般的なレトロゲームよりも色数を抑えた上で陰影を書き込んである力作で、

本作ならではの空気感が生まれているね。

 

 

エピソード毎に異なるマップの表現も好き

「隠し神の森」は集落とその周りが付近なのでこういう地図で……。

 

 

「指切館の殺人」はペンションが舞台なので見取り図で移動だ。

ミステリーっぽい!

 

 

コテコテな展開も多くてそうそうこれこれ!ってなる。

怪しい集落で事件が起こったら、

とりあえず怪しいババァに祟りだって騒がせておけばいいと思ってるな!?

否定はしない!

 


2作目から登場する安泉探偵事務所の茜ちゃんも可愛くて良いね。

基本的に電話でヒントを聞く時にしか出てこないのがちょっと寂しい。

 

気になったのは既読スキップが無いのと、

「指切館の殺人」だけ進行ヒントが少なくてやや総当たり気味になる辺り。

 

 

やや強引な展開や駆け足過ぎる展開もあるが、

1エピソード1時間の推理モノとしてきっちりまとめてあって面白かった。

テンポの良さに振ってるので淡々と進むゲームではあるが、

テンプレをなぞるだけのシナリオではなく

きっちり意外性のある展開でプレイヤーを驚かせてくれるのが一味違うところ。

順番に遊ぶと作品ごとの演出の進化やシナリオの試行錯誤もわかりやすい。

ちょっとした時間に遊べるカジュアルな推理ADVをお求めならオススメだ!