絶対SIMPLE主義

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【おレビュウ】Switchだけの体感型「おビンタ」で脳を揺らせ!『薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜』【Switch】

 

薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

『薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜』のおレビュウ行きますわよ!

 


パブリッシャー:PLAYISM

機種:Switch

ジャンル:ビンタアクションゲーム

発売日:2023/9/19

価格(税込):1650


 

大正時代の華族の家で巻き起こる、女性同士の仁義なき「おビンタ」バトルを描いたアクションゲーム。2007年にflashゲームとして発表され、その後スマホ版など様々な展開が行われた『薔薇と椿』のNintendo Switch版だ。ローカル対戦や総アニメコマ数約2000枚で描くグライフィック、フルボイス化、システムの変更、Joy-Con完全対応と、ただの移植ではないパワーアップっぷりだ。

 

Joy-Con操作によるバトルの気持ち良さに加えて、あまりにもバカバカし過ぎるシナリオ展開とアニメの凝りっぷりが最高。Switchならではのバカゲーとして、見事な仕上がりでしてよ!

 

 

主人公が異なる4つのシナリオと、別作品とのコラボシナリオである『ラムラーナ』編の合計5本で構成されたオムニバス作品。

 

話の軸になるのは最初に遊ぶことになる椿小路玲子のシナリオだ。華族・椿小路家の長男である俊介が亡くなり、彼に嫁いだばかりで庶民の出だった椿小路玲子は家族にいびられるようになる。そこから玲子は一念発起し、相続権を手に入れるために「おビンタ」による女の闘いでのし上がっていくのだ。

 

他のシナリオでは別の視点でその後の話や、世界を舞台にしたまったく関係なさそうな話が語られる。

 

 

大正時代が舞台なのでそれっぽい雰囲気で統一されているし、オプションの項目も全部「お」が付くぞ。そうはならんやろ!割と最近のお嬢様言葉トレンドに乗れてる気がする。

 


www.youtube.com

 

昭和ムードを押し出したオープニングアニメも無駄に気合が入っており、ゲームの世界観を一発で伝えてくる。よく見るとおかしなシーンが山盛りなんだけど歌の良さで力押しだ。

 

 

これは……富野アニメでたまに見る構図!

 

 

ゲーム自体は1対1の「おビンタ」バトルで相手を倒していくアクションゲーム。ターン制になっていて、こっちが一発「おビンタ」をしたら次は相手の番となる。ボタン操作は出来ず、Joy-Conを振る操作か、画面スワイプ操作かの二択だ。

 

「おビンタは華族の女性がお相手を許せない時にだけ許される由緒正しき競技」という設定であり、これはフェアかつ気高き決闘なのである。

 

 

自分の番になったら相手の隙を突いて「おビンタ」をクリーンヒットさせる!

相手の番になったらタイミングを見極めて「おビンタ」を避ける!

 

基本はこれだけ。相手の動きや癖をよく見て隙を突くのがすべてのゲームだ。「おビンタ」を多く決めると相手を掴んでの「往復おビンタ」や、ベストタイミングで相手の「おビンタ」を避けると「おカウンタァ」で反撃も可能。

 

『パンチアウト』を簡略化したような単純明快なゲームだが、なんと言っても題材が「おビンタ」というシュールさが笑えるし、フェイントを織り交ぜながらのジリジリとした駆け引きによる緊張感と、そこから一撃決める気持ち良さが最高。単純なシステムだがよくまとまっているし、これはJoy-Con操作で明らかにゲームとしての面白さが増している。

 

 

相手の体力が減ると段々顔が腫れていくなどグラフィックも細かい。登場キャラ全部にこういう差分があるのだ。こういうタイマン勝負のゲームは、相手のリアクション凝ってナンボなので力の入れ所分かってる。フェイントの種類も各キャラの個性が出てる。

 

 

ゲームを進めると対戦相手がどんどんヤバい連中になっていくのが華族の恐ろしさを感じさせる。お前のようなデカい家政婦がいるか!効果音が明らかにビンタじゃないのがずるい。

 

 

更にゲームが進むと普通に二人掛かりの相手が出てきてルール無用。

 

 

二人なので「おビンタ」で右だけ重点的にダメージ受けていくのがめちゃくちゃ面白かった。全然フェアじゃねぇ!

 

 

ストーリーは華族の話かと思ったら早々にジャンプ漫画みたいなバトル展開に突入。急速にIQが下がっていく。脳に「おビンタ」を喰らい過ぎたのね……。

 

 

「ワールドユース編」に突入すると、ノリがただの90年代漫画パロになるので何のゲームだか分からなくなるぞ。お蝶婦人じゃねーか!まず「ワールドユース編」ってタイトルが何もかもおかしい。

 

 

本当にラケットでぶん殴ってくるから困る。日本の法が通用しない……!そしてこれはまだ序の口でどんどん無法が加速していくぞ!

 

 

濃ゆいキャラたちが次々に出てくるむちゃくちゃなストーリー展開をフルボイスで駆け抜ける勢いは分かりやすくバカゲー!というノリで清々しい。キャラだと演技含めて沙織さんが一番好きかなぁ。「ゲットします!」ではない。時点で右子さん。

 

 

ラムラーナ編はNIGOROが2006年に発売した『LA-MULANA (ラ・ムラーナ)』のキャラがヒロイン最強決定戦を行う構成。本編から完全に独立した内容なためか、オプションからアンロックを選ぶことで出現するようになってる。

 

 

ちゃんと他のシナリオと同じボリュームがあるし、対戦相手がファンタジーアクションゲームならではの連中で演出もキレッキレ。原作知らなくても結構楽しめたぞ。

 

 

クリアするだけなら2時間掛からないくらいのボリュームだが、ステージ毎に必ず用意された激しい突っ込み所と、対戦相手一人一人の演出密度で満足させてくれる1本だ。

元はflash時代のゲームだが、Joy-Conという相性最高のデバイスと出会ったことで、唯一無二のおバカゲヱムとして薔薇が燃え上がった。オススメです。

 

ただし「おビンタ」し過ぎの筋肉痛にご注意を!