RoboCop: Rogue City - Unfinished Business (ロボコップ: ローグ シティ - アンフィニッシュド・ビジネス)
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RoboCop: Rogue City - Unfinished Business on Steam
『RoboCop: Rogue City - Unfinished Business』のレビュー行くぜ！俺がプレイしたのはPS5版ね。
パブリッシャー：Nacon/3goo
機種：PS5/Xbox/PC
ジャンル：FPS
発売日：2025/7/17（XBOX/PC）2025/8/7（PS5）
価格（税込）：3400～4620円
映画『ロボコップ』のゲームである『RoboCop: Rogue City』の後日譚を描くFPSだ。
ミドルプライスの後日譚だが本編とは独立した作りで、セーブデータの引継ぎなども無し。
『RoboCop: Rogue City』本編はFPSとしては一昔前の作りなものの、『ロボコップ』らしさに振り切った雰囲気と、2と3の間を補完するシナリオが素晴らしかった！
□最高のロボコップ体験がここに！『RoboCop: Rogue City』レビュー！【PS5/Xbox/PC】 - 絶対SIMPLE主義
今回は後日譚ということで作りはコンパクトで、映画でお馴染みのロケーションが出て来る楽しさも薄い。しかし本編の良さはしっかり引き継いでおり、『ロボコップ3』に繋がる要素の出し方も意外で良かったぞ。
ただし翻訳ミス、テメーはダメだ！
本編でデトロイトを襲う「新顔」との戦いに決着をつけたものの、犯罪との戦いが無くなることは無い。物語はロボコップが所属するメトロ・ウエスト分署がテロリストに襲撃されるシーンから幕を開ける。テロリストはオムニ社が作った超巨大住居「オムニタワー」を拠点にしていることが判明し、ロボコップが出動することになる。
オムニ社の世紀末タワマンに殴り込んでテロリスト共を鎮圧しろ！ってストーリーである。リード巡査部長から語られる警官としての矜持を胸に、ロボコップの正義が悪を貫く！
冒頭から「デバッグは顧客にやってもらうのがオムニ社のビジネスモデルだからな……」とか皮肉の効いた会話が良い。このゲーム自体もそういうところあるけどな！
オムニタワーを1階から攻略していく構成で、基本は部屋に入る！敵を全滅させる！進む！の単純な一本道FPSだ。
Rogue City本編みたいにロボコップとして街を歩いて警察業務を行うパートは無いが、居住スペースにたどり着くと探索イベントや人助けのサブイベントなどは発生する。
チャプタークリアなどで溜まるスキルを割り振ってロボコップを成長させる要素も健在。最低限のスキルはすべて取得済みでスタートだ。
本編だと「数秒間ダメージを80%カットする」というスキルを最初に取らないと、ロボコップがベニヤ板くらい柔らかくなって難易度が上昇するが、こっちだと最初から持ってるのがありがたい。
高耐久なロボコップと、大砲並みの破壊力がある愛銃オート9でとにかく撃ちまくる分かりやすいFPS。相手の目をくらませるフラッシュや、画面をゆっくりに出来るスロー、特定の看板を撃って跳弾で隠れた敵を始末するなど。スキルを活用することで多数の敵が相手でも有利に立ち回れる。
本編クリアを前提としてるので、敵を倒す順番や立ち回りをしっかり考えないと蜂の巣にされる難易度だが、適度に回復アイテムが配置されているのでバランスは悪くない。いつでも難易度は変更できるので、イージーにしてロボコップ無双を楽しんでも良しだ。
本編同様にロボコップの掴み範囲がやたら広いので、軽装の敵が相手だと楽勝。掴んで別の敵にポイポイぶん投げるだけで静かになってくれるぞ。協力に感謝する！
アーマーを装着した敵が序盤から登場し、掴めないし銃撃でも怯まないのが厄介だが、ダストシュートや自販機の近くで格闘攻撃を行うと一発で倒せるギミックもある。厄介なゴミはゴミ箱へ！
敵のショットガンやアサルトライフルを奪って使用可能だが、標準装備で弾数が無限のオート9が強力なのでこれだけでも十分戦えるし、それはそれとして破壊力のある重火器も登場だ。上手く使えば一掃できる。
対ロボコップ用の特殊部隊が新型の冷凍兵器を担いで登場！どうする？
ぶっ飛ばして武器を奪って相手を氷漬けにしてやれ！
ガトリングガンを抱えた特殊部隊が登場！どうする？
ぶっ飛ばして武器を奪って蜂の巣にしてやれ！
これを繰り返してるだけで犯罪が撲滅されていくゲーム。簡単ですね。
『ロボコップ』2と3の間のストーリーということで、なんと3に登場したニンジャ型アンドロイド「オートモ」のプロトタイプが出現！ワラワラ出てきて刀を武器に襲い掛かって来るが、自爆装置は未搭載。敵が「自爆装置でも付ければ」なんてボヤいたり、表情がこれで固定だったり。3見てるとニヤリと出来る。
顔こええ！あんま強くないのでロボコップ投げでまとめて粉砕できます。
ロボコップ以外のキャラを操作するパートもあり、回想シーンではアレックス・マーフィーの視点で戦うことになる。
当然ロボコップに比べると火力は貧弱で自己修復も出来ないが、その代わりに敵と戦闘していない間に体力が回復するぞ。
えーと……つまり……マーフィーには自己修復能力があるってこと！？
システム的には敵と撃ちあってる最中にジッとしてても回復しないってだけなんだけど、チュートリアルにされるとやや引っかかるな！
マーフィー視点のバトルは仲間が強いからそこまで苦戦しないし、ロボコップ視点で遊ぶゲームとして納得いく構成。しかし、マーフィー以外のゲームオリジナルキャラを操作して物語を掘り下げるパートもあり、こっちは行ったり来たりがメインでテンポ悪いし、納得感も薄いしでイマイチだ。「こいつの過去話いる？」って気持ちになる。
が、ED209を操作して大暴れできるパートがあるから許す！！！！！！！！
マシンガンとミサイルランチャーと踏みつけ攻撃で数十人のテロリストを圧倒できる超性能で「治安維持用ロボット」という建前に無理があり過ぎるパワー！
建物のミニチュアが並ぶ部屋で怪獣映画気分で戦えたり、階段に近づくとすっころんでゲームオーバーになってトロフィーが取得できたり、色んな意味でめちゃくちゃ分かってて最高！
舞台となるオムニタワーはハイテクな建物だが、強制立ち退きさせた住人たちを強引にぶち込んだ上に管理が雑なため、内部は荒れ放題でテロリスト共がやりたい放題。
シナリオ的には稼働して数カ月のはずなんだけど、なんかもう数十年くらい稼働してそうな荒れっぷりでスラム化が進んでる。外と中で時間の流れが違うのかもしれない……！
ずっと建物の中でのストーリー進行になるが、映画館があったり、巨大スクリーンと砂浜による疑似リゾートがあったりと、ゲーム的に単調にならない変化を感じる。随所にオムニ社の欺瞞に満ちたプロパガンダや、デトロイトの終わり過ぎてる治安描写も散りばめられているぞ。地獄を楽しみな！
サブイベントも小ネタが多く、ロボコップマニアがこちらを偽物扱いし、映画1と2の出来事に関するクイズに正解しないと認めてくれないイベントもあったり。映画を見てないと答えは分からないぞ！
陰謀論かぶれの浮浪者が、敵テロリストの顔が3、4パターンしかないからクローンだと主張するイベントずるかった。それはまあ……その……そうだね！
こういうのがある一方で、切ないけどロボコップの温かいセリフにグッと来るサブイベントもあるバランスが良い。
満喫したが気になったのは日本語翻訳のミス。
翻訳の質自体は結構高いんだが、中盤過ぎくらいから突然英語字幕になるシーンが増え始め、ラスボスとの最後の会話シーンなんて半分くらい未翻訳！
ラストシーンでロボコップがカッコいい一言を言って物語を締めるのがシリーズのお約束で、ゲームでもちゃんと踏まえてるのそこも未翻訳！
メーカーに「そう呼ぶのは友人だけだ。お前はロボコップと呼べ」と言ってやりたい気分。9月6日現在でまだ修正アップデート来ていません！
難易度ノーマルで苦戦しながら遊んでクリアまで10時間ほど。
敵が物量押しで来るのが手強いが立ち回り次第でなんとかなる戦闘。
融通の利かないロボコップが、情報をくれる謎の女性と言い合いをしながら進む会話のノリ。途中で助けた住人と共同戦線をする展開。許し難い卑劣であり、戻れなくなった哀しさもある黒幕との決戦。2と3の間の出来事を補完しつつ、更に1まで遡るシナリオ。戦闘の盛り上がる箇所で映画のメインテーマをきっちり流してアドレナリン全開にしてくれる演出。
映画ファンに向けた数々の小ネタ……と、今回もFPSとしてはやや単調ながら、『ロボコップ』のキャラゲーとしては非常に面白かった！『RoboCop: Rogue City』を楽しめた人なら十分にオススメだ。
メーカーは日本語翻訳早く修正しろよな！
