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【レビュー】B級ハクスラの快作!サイボーグJKが悪のブラック企業にカチコミだ!『ゼンシンマシンガール』【PS5/Switch2/PC】

 

ゼンシンマシンガール 公式サイト

 

トロコンしたので『ゼンシンマシンガール』のレビュー行くゼーーーーーーーーーーット!

 

パブリッシャー:ディースリー・パブリッシャー

機種:PS5/Switch2/PC

ジャンル:アクション

発売日:2025/10/23

価格(税込):6980円

 

我らがD3パブリッシャーが送る完全新作の3Dハクスラアクションだ。

改造されたサイボーグJK二人が悪の企業に殴り込み!改造社畜たちをチェーンソーとガトリングガンで全滅させろ!

開発は『デジボク地球防衛軍』などを手掛けた老舗のユークスが担当しているぞ。

 

D3のフルプライス完全新作はいざ遊ぶとそんなにバカっぽくなかったり、コンセプトを活かせてなかったり、低予算っぷりがすべてを駆逐してたりが多いが……本作はチープながら爽快!動かしていて気持ち良く、やり込むと幅の広さも見えて来るゲームだ。

 

 

最高の主題歌PVと共に発表されてからずっと楽しみにしていたが、期待に応えてくれて本当に嬉しかったぞ……!

主題歌はコテコテの曲調に『スケバン刑事』『キューティーハニー』のオマージュを織り交ぜた昭和臭い歌詞、アツいナレーションにと本当に最高で、日本にはこういうゲームが必要だと思わせられる!売り上げランキングの1位から10位までがこういうゲームで埋まって欲しい!

それはちょっと考え物だな!

舞台は昭和164年!ヤバいブラック企業にサイボーグJKが殴り込み!

 

舞台となるのは昭和164年の大日本合衆国。

サイボーグ技術の発達で産業大国かつ残業大国と化した日本では、みんな24時間働きまくり!そんなヤバい国のブラック企業「メターナルジョブズ」の超高層ビルに、父の復讐に燃えるリョウコとアケミが殴り込む!死してなお働かされる社畜兵「ワーキングデッド」をなぎ倒し、目指すは社長待ち受ける100階だ!

 

主題歌の歌詞だとサイボーグに改造されたJKの悲しき復讐譚……って感じだが、実際遊ぶとサイボーグ改造自体は超カジュアルな世界観で思ってたんと違う!

これはこれでイカれてて面白いので、世界観の掘り下げもっと見たかったなー。

 

 

リョウコとアケミのどちらかを選択してゲームスタート。選ばなかった方は色々あって鉄仮面を装着した敵で登場だ。主題歌といい、ここぞという場面で『スケバン刑事』を差し込んでくるゲームである。令和だぞ!

 

ちょっと前に『仮面ライダーガッチャード』に南野陽子が出演して映画でヨーヨー構えたりはしてたが……。

チェーンソーとガトリングガンで大暴れ!爽快ハクスラアクション!

 

内容は近接と射撃攻撃を軸に進む三人称視点のアクションゲームだ。

毎回構造が変化するビルに挑み、装備を現地調達しながら最上階のラスボスを目指す構成。構造が変化するのは最新セキュリティで、普通に出勤が大変過ぎるという会話がゲーム内にあるぞ。このような会社は今すぐ破壊すべきだな!

 

 

ビル1階では改造された社畜兵がよく分からないものをグルグル回すという、昭和164年らしい労働風景が展開されている。こいつらに挨拶代わりのガトリングガンを叩き込むのが日課だ!おはようございます!

何回も玄関から殴り込むゲームなので、本当にこれが挨拶になってくる。

 

 

様々な部屋やトラップが待ち受けるフロアを探索し、次の階に進む階段を見つけて先へ進む。敵がいる部屋で敵を全滅させればランダムでアイテムが手に入る。

 

すべての部屋を見て回る必要は無いが、しっかり探索すれば有用な装備やアイテムが手に入るかも。敵がいないアイテム部屋が出現することもある。自分の残り体力と相談しながらの探索だ。

 

 

階段を上る時にスカートを抑えるのがグッと来る仕草。こういう描写があるとキャラが生きてるって感じする。

まあ、最終的に何百回も手動で演出スキップするので、自動スキップ機能が欲しくなるけど……。

 

 

こっちの攻撃で景気良く敵の四肢や部屋の内装が吹っ飛ぶのが痛快なゲーム。ガトリングガンとチェーンソーを振り回すたびに、オフィス用品や妙に型の古いPC、書類が乱舞する!オフィスだけでなく工場フロアや料亭フロアなどがあり、それぞれ壊せるものも変化するぞ。

 

 

同じユークスが手掛けた『デジボク地球防衛軍』譲りのダメージ表示も分かりやすくて良い。プレイヤーの破壊欲を満たさねばという気概に溢れている。

 

基本アクションに加えて、ブースターになっているルーズソックスによる高速ホバー移動や、そこから繰り出せるダッシュ攻撃のスムーズさなど、動かして気持ち良い手触りが考えられているね。

拾った装備のレアリティに一喜一憂!ドローンやMODが攻略のカギを握る!

 

道中で手に入る装備や、キャラのステータスを補正するMODも多彩だ。

レアリティが高いと同じ装備でもパッシブスキルの数と質が全然違うので、高レアが来ると脳汁が出る!でもよく見たら使い辛い装備で脳汁が止まることもある!ハクスラの醍醐味である。

 

武器合成や強化、装備の持ち帰りといったシステムが一切無いため、装備を次々に使い捨てていくのが気軽だ。ゲームの軽さに合ってると思う。

 

武器は遠距離もイケるライフルから、近接戦では無類の強さを誇るショットガンなどなど。『地球防衛軍』に出て来るバウンドガンまんまの跳弾する武器があって、こっちは社内なので非常に強かったりする。

 

 

MODはステータスやゲージ効率などに様々な補正を掛けられる装備。空いてるスロットの分だけセット可能なので、同じ種類で揃えると効果が強烈。お金や回復系を積むと安定するが、そういうのはやっぱり出現確率が低かったりする。

 

単体では効果が無いが、5種類揃えると最高レベルの効果を発揮する「封印されしエクゾディア」的なMODもあるのは面白い。さすがに運ゲー過ぎて一度も活用できなかったが……。

 

 

通常武器以外に攻撃を補助するドローンもあり、こっちが狙った場所を追従して射撃するものから、一定時間パワーアップしてくれるものまで様々。自動で敵を狙い撃つオート射撃ドローンなどは、うざったい飛行ザコを相手にする時にめっちゃ便利だ。

プレイスタイルに合わせた選択が出来るぞ。

ボス撃破で手に入る必殺技や新アクションで更に無双できる!

 

武装とMODを厳選して各フロアの節目で待つボスに挑め!

一般社員よりも偉いので当然強い。みんなブラック企業の精神を形にしたような言動で襲い掛かって来るぞ。「威韋駄X次郎」だの「←逆十字トモヨ」だの、昭和164年のネーミングセンスはスゴいな!

 

 

同じボスを何度も倒すとどんどん降格して、恨み辛みを主人公にぶつけて来る仕様は天才。繰り返しプレイするローグライクならではだし、会話によるキャラの掘り下げにもなっている。最初はイキってたのに、どんどん意気消沈していくのが楽しいぜ。

改造JKに何度も負けるようなヤツが何か言っているなぁ~?

 

 

初回でボスを倒すと、能力を解析して新たな必殺技やアクションを覚えるイベントが発生。

習得できる必殺技の「成敗ムーブ」は敵を倒すと溜まるPPゲージを消費して繰り出せる。種類は複数あり、近接と射撃に1つずつセット可能だ。ダブルガトリングガンや、ガスボンベばら撒き、X字に敵を斬るいかにもな必殺技など様々。それぞれコストが異なるので、ゲージ1本で出せる技を軸にするか、ゲージ4本使うロマン技でボスに立ち向かうかはプレイヤー次第だ。

 

 

序盤のボスから覚えられるオーバークロックがこのゲームの最重要システム。

数秒間だけ高速移動可能な技で、ザコ戦からボス戦まであらゆる局面で活用できる。基本的に面倒毎はこれで振り切れ!というバランス調整になってる。

 

クールタイムがあるので連発は出来ないが、消費ゲージが1本でバシバシ使えるのが気持ち良い。高速移動と当て辛い必殺技を組み合わせて、ボスの弱点にクリーンヒットさせるのが最高だぜ!

一度やられたら最初から!しかし改造やショートカットで戦いは無駄にならない!

 

色々頑張ってもやられたら1階から登り直し……のゲームではあるが、集めた素材を使って協力者である葉加瀬博士が永続のパワーアップ手術をしてくれるぞ。

改造人間、再改造しまくりだ!(THE特撮変身ヒーロー)

 

 

改造はステータス強化から、拾った武器の初期レベルにボーナス、MODスロットの拡張に必殺技やゲージ使用技の強化、無敵時間などなど。項目はかなり多く、それでいて強くなった実感があるバランスだ。伸ばすほどに立ち回りの幅が広がるし、最高まで改造した必殺技はつええぞ!

 

最終的に回復アイテム7個を携帯し、やられても3回復活する不死身のマシンガールが完成だ!悪のブラック企業!貴様らが24時間働くのなら、俺は3度蘇り悪を討つ!

 

 

1階からやり直しという点にもフォローがあり、ボスを倒したフロアへはエレベーターでショートカット可能。操作キャラのステータスが完全に装備依存なので、いきなりフロアに乗り込んでも問題なし。ショートカットを使わないメリットとしてMOD厳選と回復アイテム稼ぎがあるので、ボスに手を焼くなら時間を掛けて強くも出来る。

 

ショートカットに使うエレベーターキーが使い捨てなのは気になったが……。

ボスの他に中ボスも確率で落とすため、序盤を過ぎると普通に余る。慣れてくると楽になる仕様としては悪くないかな。

やればやるほど面白い!試行錯誤で攻略する面白さがぎっしり!

 

やればやるほど面白い!

ドローンも含めた装備の組み合わせ、ボスを倒すごとに増える新アクション、改造によるパワーアップでプレイが単調にならず、試行錯誤しながら大量の敵を爽快に粉砕する面白さがある。

 

手に入る武装がランダムなので低レアやハズレ武器が続いて苦戦することもあるが、改造をしっかりしていれば、最終的に高速移動と必殺技とプレイヤーのテクニックでどうとでもカバー出来るのが好み。ゲージ4本使う必殺技、最高まで改造して直撃させるとマジでとんでもないダメージが出る。

 

 

単純ながら立ち回りの幅が広いので、場面ごとの対処法が分かってくるとスムーズに進めるのが良い手応え。標準アクションである遠距離攻撃を防げるシールドは非常に強力で、何か飛んで来たらとりあえず張ると「これも防げるの!?」と驚けたり。

 

アイテムボックスの引き直しがかなり重要だったり、特定の壁を破壊するアクションが敵をピヨらせるのに強力だったり。色々試すとどこかに発見があるゲームだ。

 

 

部屋のドアを開けただけでは戦闘にならないので中の確認が出来る。

通路にそこそこの確率で出現する足場からダクトに入ると出口近くまでショートカット出来る。

アイテム部屋のテレビから回復アイテムのバッテリー買える。

オブジェに見える招き猫は破壊するとお金を沢山出す。

 

この辺を踏まえるとゲームテンポが全然違ってくるので、使いこなせると更に面白さが増す。

 

敵が落とした素材は離れていても自動全回収とか、進行方向が分かりやすいミニマップとか、進め方にもよるが敵を「硬い!」と思うことはあっても「硬すぎる!」とは思わない調整などの丁寧さも光るぜ。

この丁寧さ、D3パブリッシャーの他のゲームでも見習って欲しいくらいだぞ!!!

 

公式サイトでは……。

 

『お姉チャンバラ』の近接戦と『地球防衛軍』の銃撃戦が融合したかのような、新たなヒロインたちの戦いが幕を開ける。

 

などと供述しており、デタラメ言っているとD3本社に地下からネイカーを送り込むぞコラァ!と思ったが、実際遊ぶと割と納得。

 

大群相手に多彩な武器で撃ちまくる分かりやすい感覚は『地球防衛軍』。敵もろとも街を爆破するゲームを、もっとミニマムな視点に落とし込んでいる。人型の敵の四肢がバラバラになったり、下半身をもがれた敵が這いずり回る辺りは『お姉チャンバラ』。あっちはゾンビでこっちはメカなので、グロさ控えめで爽快感マシマシ。

 

 

個人的には『Ed-0: Zombie Uprising』のリベンジも感じたところだ。敵がゲロ吐くところも似てる!

あれもバカなローグライクを目指してて結構面白かったのに、公式で反省会するほど滑ったからな……。

フォトモード搭載!気になるスカートの中は……。

 

おまけ要素としてフォトモードを実装しているのもありがたい。

ここで撮影しろと言わんばかりの見覚え有り過ぎる背景もあるぜ!

機能はあまり細かくないが、表情の切り替えはあるし自由度はそこそこ。ポーズ変更とかは欲しかったかな。

 

 

残念ながらフォトモードにするとスカートの中は暗黒空間に……いや、よく見るとこれケツを黒塗りにしただけでは!?

 

通常プレイでもカメラに角度を付けると暗黒空間になってしまうが、アクションしてると普通にチラチラ見えたり。コスチュームによって見えやすさがかなり違ったり。下着の種類が複数あったり。規制に苦しみつつ、チラリズム方面に舵を切って拘ってるのが伺えるぜ。

生配信要素の薄さ、雑なトラップなど気になる点も!

 

気になったのは「バトルを生配信している」という要素が薄い点。

時折視聴者から飛んでくる指示をクリアするとおひねりが貰えるが、代わり映えしないものが多く、コメントも種類が少ない。最初は面白いんだけどシナリオにもうちょっと絡めて欲しかった。

 

 

細かい装飾が光るリョウコとアケミの服装やガラケーUIなどは素晴らしいが、コスチュームが色違いばかりだったり、分かりやすいお色気要素が控えめだったりと、フルプライス作品としては物足りなさあり。

 

せめてDLCコスのバニーガールや水着が発売日から配信なら良かったんだが……。2週間後から徐々に配信は遅いって!あと『お姉チャンバラ』のコラボコスで「彩」がDL版限定なのは許さんぞ!俺はパッケージで限定版を買ったんだ!

 

 

風景が単調にならないようにフロアにバリエーションを用意してあるものの、それでも同じ景色が続く時間が長かったりするし、トラップ周りが大分雑。

通路を歩いてると突然飛び出してくるトラップや、動く足場を乗り継ぐ場面、乗ると落下する足場を敷き詰めた部屋でのバトルなどがストレスだ。

 

まあ、高速移動と二段ジャンプと空中ダッシュがあるので、個人的には「ちょっと気になる」くらいだったが、3Dのジャンプアクション系が苦手だと結構手こずるかも。

 

 

和風トラップでいきなり『がんばれゴエモン』みたいになるのは好き。

ありがとうD3パブリッシャーの面白い完全新作!続編も希望!

 

クリアまでは難易度ノーマルで20時間掛からないくらい。クリア後モードを区切り良いところまで遊んで27時間。トロコンまで遊んで33時間くらいだった。

アプデで集め辛い素材に緩和が入ったので、今はもうちょっとトロコン楽になってる。

 

力を入れてる部分と割り切ってる部分のバランスが絶妙で、色々チープだけどバカゲーノリで最後まで突っ走る。動かしていて気持ち良く、プレイヤーが試行錯誤して攻略する面白さに溢れている。ユークスの確かな実力が伝わる内容だった。

B級ノリが強くて手軽なハクスラアクションが好みならハマると思う。

 

今年は道中が単調な完全新作ゲームを沢山遊んでいるので、単調にならない工夫が随所から感じれるこのゲームがあったけぇぜ……。機械の体に熱いハートが入ったゲームだ!

 

 

主人公であるリョウコとアケミも戦闘時の啖呵や、生配信が不慣れな様子、ボスへのトドメアクションなどで「かっこ良くて可愛いサイボーグJK」として魅力的に描けている。死語とネットスラングをごっちゃに使う葉加瀬博士はかなり好み別れるキャラだが、デザインが強すぎるので許す!

 

 

各フロアのボスも出番は少ないけど、セリフとデザインで個性が光る。俺のお気に入りは「罵詈lll本(ばりさんぼん)ラヂオ」ちゃん!みんなラヂオちゃん好きになると思う。

 

ストーリーは今回でしっかり決着ついてるものの、キャラ的にもシナリオ的にもシステム的にも続編は出せると思うし、1作で終わらせるの惜しいので出して欲しい!D3の完全新作で「続編を絶対出して欲しい!」って思うの何年ぶりだろうか……!

 

ありがとうマシンガールズ……また会える日を待ってるぜッ!