絶対SIMPLE主義

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DS「SIMPLE DS THE ゾンビクライシス」レビュー!ドリフは太陽系から出ていけばいいと思うよ。

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SIMPLE DSシリーズvol.32 THEゾンビクライシス公式

行くぜ…THEゾンビクライシスのレビューだ!

何故今、俺がこのゲームをレビューするのか。

このゲームは発売当時に俺が酷評した作品なんだが、

軽く触れただけでレビュー記事を書いてはいなかったので、

いつかしっかりとレビューしたいとずっと思っていたのだ。

理由を一言で言うと「ゾンビにトドメを刺していなかったから」ということになるな。

当時は難易度イージーでクリアしたんだけど今回は難易度ノーマルでクリアしました。

2008年1月31日にDSで発売されたSIMPLE DSシリーズ34番目の作品。

開発はドリームファクトリー。トバルNO.1やエアガイツの開発元だったんだが……。

PS2時代から低評価ゲームを乱発するようになっていつしか悪夢の代名詞に。

ちなみに2008年の年末にタカラトミーから発売されたのが

同じくドリフ開発によるメジャーWii パーフェクトクローザー。

2008年はドリフに始まりドリフに終わる1年だった。

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内容はタッチペンでゾンビを撃っていく3Dのガンシューティング。

基本的にキャラは自動で進んでいくのでプレイヤーはひたすら撃って行けばいい。

バイオハザードではなくザ・ハウス・オブ・ザ・デッド。

DSでゾンビをタッチで撃ちまくるゲームって意外と数が出なかったので、

そういう視点から見れば貴重な1本ではある。

方向キーでステージ開始前にセットした武器の切り替え。

タッチで射撃、弾が切れたらリロードボタンをタッチしてリロードだ。

とにかくタッチでゾンビを撃ちまくれ!

武器はゲーム進行で手に入り、ショットガンやマシンガンなど全9種類。

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ルートや武器が微妙に違うアレンとセリアのどちらかを選択してプレイする。

ストーリーは市街地で発生した暴動事件の鎮圧のために、

軍の特殊部隊である主人公たちが派遣されるところから始まる。

輸送中のヘリが何者かの攻撃を受けて墜落!襲い掛かるゾンビ!

辿り着いた研究所で明らかになるゾンビの謎!と、まあ凄くベタベタなヤツです。

様々な武器を使ってタッチ操作でゾンビを撃ちまくる3Dシューティング!

これだけなら結構楽しそうだったのに遊んでみるとどうしてこうなったんだ……という内容。

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問題点はなんと言っても恐ろしく冗長なステージ。

全7エリアで最終ステージを除くと1エリアが3つのステージに別れており、

つまり全19ステージとなるわけだが、1つのステージがとにかく長い。

1ステージクリアするだけでゾンビを100体から200体は撃ち殺す必要がある。

背景が変わらないまま、

ロクな演出も無く同じ敵と何十回も何十回も戦い続ける展開が果てしなく続く。

さっきまで何も居なかったのに、

カメラがちょっと動いて戻った瞬間にゾンビが3体出現してるとか、

そういう雑な出現パターンもうんざりするほど見ることになる。ゾンビテレポーテーション!

エリアの最後にはボスキャラもいるが、似たような見た目で似たような攻撃パターンのボスばかり。

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ステージを進むとこのような2択のルート分岐があり、銃で看板を撃って進むルートを決める。

が、このルート分岐があまりにも外道な仕様で、

「分岐を間違えると扉を開けるカギが手に入らなくてやり直し」

「正しい分岐を選ぶまで無限ループする。」

のどちらかがほとんど。もちろん敵は復活するしノーヒントだ!

ループした時にそれを説明するセリフなどは一切出ない。

代わり映えのしない背景のステージを延々と進み、

ループしてるのか、あとどのくらいでクリアなのか、

それすらまったく分からない状態で何十体も登場するゾンビと戦い続ける構成。

精神的に物凄くつらい。プレイしていると俺の心が腐っていく。

いや、最初から腐っていたか……。

ちなみにネットでこのゲームを検索すると「バグで無限ループから出られなくなる」的な文章が出てくるが、

普通にプレイしていても「バグってないか?」ってくらい冗長なので、

本当にバグでクリア不可能になるのか、

それとも冗長な展開をバグと勘違いしてるだけなのかは確認出来なかった。

……確認できなかったんだが、

1-1で選択肢を間違えると1時間プレイしても1-1をクリア出来なくなることは事実として挙げておきたい!

ちなみに選択肢を一度も間違えなければ20分くらいで終わる。

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6-1のトロッコでは無限ループとは別方向の試練がプレイヤーに襲い掛かる。

ミスすると即死の2択選択肢を15回以上連続でやらされるのだ。

敵の数が少ないのが救いだがそれでも地獄。マインドシーカーかテメェは!

俺がこのゲームの苦痛っぷりでエスパー能力に目覚めたら、

真っ先に製作スタッフの家をサイコキネシスで粉砕するからな!

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ゲームバランスにも極めて問題あり。

「いきなり画面内に敵が飛び込んできて攻撃してくる」

「カメラが動いた瞬間に敵が2体出現して同時に先制攻撃をしてくる」

みたいな理不尽な敵配置が中盤から激増。

敵の先制攻撃を1秒以内に銃で迎撃しないとダメージ!みたいな感じになるので、

悪い意味で遊んでいて気が抜けない。

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敵が2体いたと思ったらその後ろに投石してくるヤツが1匹隠れていたとか、

画面に表示された主人公の手の裏側に敵が出現するとか、

敵同士が重なって攻撃の瞬間を狙い打てないとかも多く、

とにかく敵配置が最初から最後まで本当に雑。腐りすぎだろこの敵配置。

バイトで雇ったゾンビにでもやらせたのかもしれない。

弱点を狙い打つと大ダメージを与えられたり、動きを止められたりする。

ボス戦ではこれが極めて重要なんだが当り判定が小さい上に

弱点に当っても効果音やエフェクトが変わらないので物凄く分かりにくい。

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9種類ある武器の大半がゴミで、

結局初期装備であるハンドガンで画面連打が一番安定するというバランス。

敵が攻撃する瞬間にカウンターで攻撃すると動きを止められるシステムで

ザコもボスもそれが基本の動きをしてくるのに、

ショットガンも手榴弾も攻撃範囲が狭くて複数の敵をまとめて吹っ飛ばせたりは出来ず、

1回撃ったら1回リロードとか使い物にならん。

使うとスコープ覗くスナイパーライフルは論外。ガンシューティングやぞ!

ましてや、中盤からは敵の先制攻撃ラッシュだからな。

一応、倒しても3回復活する敵も手榴弾だと一撃で倒せるとか

特定の敵はスナイパーライフルだと一撃で倒せるとかはあるんだけど、

隙を生むデメリットの方が大きいのでハンドガン使った方がいい。

しかもハンドガン以外の武器って弾数制限があるんで……。

たまーに落ちてる弾を拾う必要がある。

ハンドガン、攻撃力がハンドガンの半分だけど弾数2倍のダブルハンドガン、

連射できるマシンガンの3つで最後まで進んだ方がいい。

小型のネズミゾンビが10匹くらい連続で高速体当たりしてくるシーンがちょいちょいあって、

そこでマシンガン使わないと即死する危険性ある。

細かいんだけど何故か弾のリロードがドラム式なのが地味にストレス。

一瞬で弾がリロードされるのではなく数字が1つ1つ増えていく形式なので、

弾をたくさん使ってリロードするほど時間が掛かる。

特に90発撃てるマシンガンを使い切ってリロードすると3秒くらい無防備になるのでヤバい。

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主人公のアレンを選ぶとセリフが「いくら倒してもキリがない」だの「まだ歩くのか」みたいな

プレイヤーの気持ちを代弁したようなセリフばかりで、

最終ステージ開始の第一声に至っては「やっと着いた…」である。

これで俺はやっと分かった。

このゲームの一見するとダメな部分はすべてプレイヤーを主人公に感情移入させ、

限界までゲームに没入させることを狙って意図的にやった仕様だったんだ。

何百体ものゾンビと戦い続ける地獄に放り込まれた主人公の絶望感と焦燥感をリアルに体感させる。

ゾンビをタッチし続けて疲れるプレイヤーの手は、銃の撃ちすぎで手が痺れる主人公の手とシンクロする。

主観視点なのももちろんそのため。プレイヤーの目に映る絶望はアレンの目に映る絶望なんだ。

ドラクエのように主人公が喋らなければプレイヤーは主人公に感情移入できるのか?

自由に動き回れる3Dのゲームなら臨場感があるのか?

そうじゃない。

主人公が喋るからこそ、自由に動けないガンシューティングだからこそ出来ることがある。

THEゾンビクライシスはニンテンドーDSというデバイスを限界まで使って

「プレイヤーと主人公の一体化を追及したゲーム」という題に挑み、見事に成功させた意欲作だったんだよ!

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とでも言うと思ったか埋めるぞコラァッ!

思わずこんな寝言がケツの穴から出るくらいイライラしっぱなしだったわこのクソゲー!

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評価点としてはグラフィック。

ザコ敵のモーションは使いまわしバリバリではあるんだけど

ゾンビモノらしい雰囲気は出ているしステージのバリエーションもまあまあ。

色違いで水増しはしているが、

ザコ敵の種類もそこまで少ないわけではないんだよな。

ステージが冗長すぎてそれがまったく感じられないだけで!

ゲームオーバーになってコンティニューするとライフが1増えるので、

何度もコンティニューするとライフがどんどん増えていく救済措置はこのゲームで一番素晴らしい点。

この製作スタッフの神配慮による神仕様が無かったらクリア出来なかった。

製作スタッフには一切笑っていない真顔でありがとうございますと言いたい。

このゲームを地球上に生み出さないという配慮があれば更に神だった。

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「可愛げの無いクソゲー」とでも言うべきか。

本当に笑えないクソ要素のオンパレードで的確にプレイヤーの精神を摩り下ろしてくる。

DSのSIMPLEシリーズでトップクラスのクソなのは間違いないが、

DSで発売されたすべてのパッケージソフトの中で考えても相当上位に来るレベルと思う。

たまに「クソゲーの製作スタッフだってクソゲーにしたくてクソゲーにしたわけじゃない」という意見を見る。

確かに色々な事情があってどうにもならずクソゲーになったゲームも多いだろう。

しかしこのゲームを遊ぶとわざとクソゲーにしたんじゃないかと思いたくなる!これが理由のない悪意か!

タッチでゾンビを撃つゲームとか適当に作っても一定以上の面白さはあるはずだろ?!

何をどうやったらこんなにどうしようもないゲームになるんだよ!

すべての要素が奇跡のように噛み合ってプレイヤーへのストレスを爆増させている!

発売当時に俺は「ドリームファクトリーは太陽系から出ていけばいいと思うよ」とコメントしたんだが、

今改めて遊ぶと当時の俺はかなり心が広かった。

この宇宙に貴様らの居場所は無い、くらい言っても問題なかったね!

そんなTHEゾンビクライシスも発売から7年。

既に開発したドリームファクトリーはゲーム開発ではめっきりその名前を見かけなくなった。

数年前からフリーの3Dモーション作成用ツールを配信したりはしているようだが、

他に何をやっているのかまったく確認出来ない。

既に太陽系の外にいるのだろうか、それともまだ太陽系内で頑張っているのだろうか。

健在ならばそれでもいい。再び悪夢を生み出さないことを祈る……。