『20XX』のレビュー行くぜ!
メーカー:Batterystaple
機種:PS4/Switch/Steamダウンロード専用ソフト
ジャンル:2D横スクロールアクションゲーム
発売日:2018年7月10日
価格1980円(税込)
海外製作のインディーゲームで、
日本の某有名シリーズへの熱いリスペクトを感じる内容になっている。
いや、このOPを見たらロックマンとハッキリ言わないと
むしろ失礼ではという気持ちになる。
そもそもSteamのページにロックマンって書いてあるし!
色々とモロにロックマンなんだが、
ゲームとして目指した方向性はほとんど真逆の1本。
バランスの悪さを感じるところもあったが面白かったぜ。
この何とも言えないデザイン……!
射撃武器を使いこなすニナと、
近接武器を使いこなすエースのどちらかを選んで出撃するアクションゲームだ。
ステージ最後に待ち受けるボスを倒せばクリアでステージは8ステージ+α。
チャージ可能な通常武器にジャンプ、
ボスを倒すと手に入る特殊武器を使いこなして敵を倒していく。
ダッシュや壁蹴りなどのアクションも完備だ。
新しいヘッド・ボディ・バスター・フットパーツを手に入れることで
アクションが増える要素もある。
演出やBGMはファミコン時代の無印ロックマンで、
操作性やゲームシステムはロックマンXというノリだな。
操作感覚は本当にロックマンXまんまだぞ!
本作の特徴はステージが自動生成で、
地形はもちろん、道中で手に入るパーツも遊ぶ度に変化するところ。
ボスは8体存在するが本家のように自由には選べず、
ランダムで登場する3つの中から1つを選んでいくという形式だ。
そして残機の概念が無く、やられたらステージ1から!
一見ロックマンシリーズまんまに見えるが、この時点で方向性はまったく違うぜ。
ちなみに残機3でスタートできるイージーモードや、
更に難易度を上げたモードも選択可能。
パーツの種類はかなり多く、
通常射撃が3方向になったり4方向になったり、
ショットガンみたいになるものもあるし、
チャージショットの威力アップ、敵を倒した時に回復アイテムが出やすくなる、
ダメージを受けた時のノックバック無効なんてのもある。
フットパーツなら2段ジャンプ、空中ダッシュ、一定時間飛行可能とあるぞ。
取った瞬間に地形を無視できまくるようになる!
それぞれの部位に1個ずつしか付けられない装備アイテムの他に、
取れば取っただけ強くなるステータスアップパーツもある。
あちこちで手に入るナットを使ってショップで買い物をしたり、
自動販売機で回復アイテムを買ったりも出来る。
ボス部屋の前だと出やすかったりはするが、
ショップや自動販売機の出現もある程度ランダムだ。
待ち受けるのはトゲ地帯、動く足場、
消える足場、殺人レーザー、重力が反転する床など様々な難所。
運の要素が強いからこそ、プレイヤーの経験が重要になってくる作りで、
自分に合わせたパーツの取捨選択や特殊武器の使い分けを覚えるとグッと安定するぞ。
入ると
「敵を全滅させろ!」
「ノーダメージでゴールまで到達しろ!」
「すべてのギミックを作動させろ!」
みたいなミッションが出る部屋もあり、
クリアすると高確率で強力なパーツが手に入る。
割と初見殺しなものもあったりするが、
これも何度かプレイしていると簡単にクリアできるようになる
ボスは後半に回すほど強くなる仕様になっているので、
苦手なボスが序盤で出てきたらそれを選ぶことも大事。
例えばあるボスは2体同時に登場してきて、序盤だったら普通に倒せばクリア。
しかし終盤で戦うと片方を倒したら、
一定時間以内にもう片方を倒さないと復活するようになるとかね。
ボスを倒して手に入る特殊武器は消える足場を固定できるものや、
射撃してくる砲台を封印できるものもあるし、
本家同様にボスの弱点を突ける武器で攻撃すると大ダメージが入るので、
特性を覚えて使いこなせると非常に強力。
特殊武器も壁にぶつかると破裂する氷の弾丸とか、
好きな方向に投げられるカッター……じゃなくてブーメランとか、
自分の周りをグルグル回るリーフ……じゃなくて炎のバリアとか、
どっかで見たようなのが多いがな!
ランダム要素が中心だからこそのアドリブ重視のプレイ感覚が魅力の内容。
パーツの種類が多いから組み合わせを考える余地があるし、
強力なパーツが手に入って一気に楽になるのも、
ありあわせのパーツでなんとか奮闘するのも楽しい。
繰り返し遊んでると意外なパーツが強かったりする発見もあっていいね。
「攻撃が地形を貫通するようになるパーツ」が地味に強い……!
本家と違って1回やられたら終わりなので、
その分ボスのHPが低くてゴリ押しで割となんとかなったり、
トゲへの接触や落下のペナルティがゆるかったりするところも嫌いじゃない。
これはこれでスピード感ある優しい世界だ。トゲに触っても死なない!
1回やられたら終わりではあるが、プレイで蓄積されるチップを消費することで、
拠点で永続的な効果があるアップグレードを購入したり、
強力な効果がある新しいアイテムをアンロックして出現するようにできる。
繰り返しプレイすることで楽にできる仕様だ。
慣れてくると金がジャラジャラ手に入って
パーツを買いまくれるような爽快プレイになるぞ。
ここまで読んで
「ステージが自動生成って単調になったりしないの?」
と思う人もいるかもしれないが……そうですね!
どうしても似たような地形が何度も出てくるし、
かなり無茶な配置が登場することもある。
動く足場を乗り継ぐ場面がやたら多いなど、
地形そのもののバリエーションも少なく感じる。
本家のステージ構成とどうしても比較してしまうぜ!
また、終盤ステージに入ると
強力なフットパーツを持っていることを前提にした意地悪な地形が連発。
ここは特にバランス悪く感じたなあ。
ゲームオーバーになると主人公たちが博士に廃棄処分される演出が挟まったり、
システムメッセージが煽って来たり、終盤のアレだったりと、
悪ノリが過ぎているところも遊んでいて普通に不快だったぜ。
ロックマンゼロのオマージュ……ではないよなコレ。テツクズ案件?
ボスデザインの微妙さや、安っぽいローカライズも気になった。
細かいメッセージのバリエーションが豊富なとこは嫌いじゃないんだけどね。
というわけで、練られたステージ構成に何度も挑む
覚えゲーの本家ロックマンに対して、
毎回変化する地形にランダム入手のパーツで挑むアドリブ重視の20XX。
大味なところも多くて手放しにはオススメ出来ないが、
「ロックマン+ローグライク」で
本家とは違う手触りを目指したところは評価したいし、
俺はなんだかんだでかなり楽しめた。
BGMのカッコ良さも文句無しで、
特に終盤ステージは完全にBGMだけで盛り上げてて凄い。
空前のロックマンフィーバーが巻き起こっている今だからこそ、
あえてこの胡散臭い1本を遊んでみるのもアリかもしれないぜ!