Nintendo Switch|ダウンロード購入|アルケミックダンジョンズDX
隠しダンジョンクリアしたので、
『アルケミックダンジョンズDX』のレビュー行くぜ!
メーカー:フライハイワークス
機種:Switch/Steam
ジャンル:ローグライクRPG
発売日:2019/02/14
価格(税込):800円
開発は『ニンジャスマッシャー』などでのお馴染みのQ-Cumber Factory。
ターン制の王道ローグライクRPGで、
3DSで発売された『アルケミックダンジョンズ』を大幅パワーアップさせた内容だ。
新キャラに、新アイテム、新ダンジョン、新BGMが追加され、
ボスのバランス調整もされているぞ。
3DS版はシステムは面白いけどボスのバランスがちょっと……という感じだったが、
DXはそこら辺も改善されているし、隠しダンジョンも歯応えあって大満足だった。
8人のキャラから1人を選んでダンジョンに出発。みんな可愛い。
それぞれ異なる特性を持っており、ファイターなら物理攻撃力が+20%されるし、
ハンターなら弓攻撃の時に30%の確率で矢を再利用できる。
ドワーフはHP回復速度が1.5倍で、ウィッチは魔法攻撃力+20%などなど。
基本ステータスも違うため、選んだキャラによってかなり手触りが変わってくるぞ。
DXでは新たにヴァルキリー、にんじゃ、くのいち、エルフが追加されている。
別の忍者ゲームで見覚えのあるグラフィックだな……!
そして特性で回避率+25%を持っているヴァルキリーがめっちゃ強い。
ダンジョンはチュートリアル除いて6つで、
すべてクリアすると今回追加された全100階構成の「ムゲンかいろう」が出現する。
ダンジョンの途中で脱出してアイテムを持ち帰ったり、
それを持ち込んだりできるローグライクも多いが、
本作はそういう要素は一切無し。正真正銘の一発勝負である。
自分が行動するとモンスターも動く。
『不思議のダンジョン』シリーズに近いオーソドックスなローグライクだ。
一定階まで下りればクリアで、
6つ目のダンジョンである「れんきんじゅつしのやかた」のみボスが存在する。
本作最大の特徴はアイテムクラフト。
このゲームは基本的に床にアイテムは落ちておらず、
ランダムで出現する木や岩を壊してばら撒かれる素材を集め、
それを合成してアイテムを作っていくのである。
2つの素材を組み合わせて作る形式で、
武器や防具も、薬もマジックアイテムもすべてこれで作れる。
1つの素材の使い道が多いため、どのアイテムを作るかが悩みどころ。
例えば「やくそう」と「どくそう」を組み合わせれば
状態異常を直す「ちりょうのくすり」が出来るし、
「やくそう」と「たね」ならば一定時間2倍で動ける「すばやさのくすり」になる。
「やくそう」を2つならば大幅に体力を回復する「かいふくのくすり」だ。
薬関係のアイテムを作り、
更に「マナストーン」と組み合わせることで「ませき」も作成可能。
現在いる部屋内の敵すべてにダメージを与えたり、状態異常を与えたり、
自分を一定時間回復させるなどなど。
一回使ったら終わりだが、一発で状況をひっくり返せる強力な効果揃いだ。
で、更に「ませき」を「きのぼう」と組み合わせることで「つえ」が完成。
こちらは効果が狭くなるが複数回使えるし、
特定のアイテムで使用回数を回復させることも出来るので、
沢山作っておけば様々な状況に対応できる。
とにかくアイテムの種類が多い作品だが、
クラフトする時は完成品からの逆引きも出来るので親切。
これ作りたいけどあれが足りないのかーとかすぐ分かるぜ。
また、「ませき」を武器や防具にエンチャントすることで、
特殊効果を付けることも出来る。付けられる数は装備にもよるが1~2つ。
これを利用して「50%の確率でクリティカルを出す」武器に、
更にエンチャントで「20%の確率で2回攻撃」と、
「15%の確率で麻痺」を付けることも可能。
入手した素材が上手くハマると、鬼のような組み合わせが出来上がるのが気持ちいい。
毒に麻痺、眠りに鈍足にレベルダウンにと、状態異常で殴りまくれるゲームだ!
武器は剣、大剣、槍、斧、ロッドなど色々あって
攻撃力だけでなく射程や攻撃範囲も異なるし、
防具も鎧、マント、ローブ、兜、帽子、盾などあり、
こちらも単純に防御力を上げるものから、防御と一緒に魔力を上げるものまで様々。
どの装備を使うか。
エンチャントで長所を伸ばすか、それとも全然違う方向性の効果を付けるか。
これは使っているキャラでも変わってくるし、手持ちの素材の種類でも変わってくる。
最後に決めるのはプレイヤーだ!
ローグライクとしてはオーソドックスだが、とにかく自由度が高くて面白いゲーム。
素材アイテムは沢山手に入るし、
1つの素材を装備にも回復にも攻撃にも緊急回避にも使えるから、
取れる戦略が幅広いし強力なアイテムをガンガン作れる。
先を読んだプレイヤーの状況判断が物を言うゲームバランス。
そしてプレイヤー側が強い分、敵キャラもいやらしい奴らが揃っている。
眠りや麻痺といった状態異常を使う敵が多く、
同じ部屋にいるだけで距離を無視してこちらを状態異常にしてくる敵もいるし、
2回攻撃やクリティカルヒットを叩き込んでくる敵もいる。
出会いがしらの状態異常→連続攻撃であっさりやられることも。
対抗するために状態異常を防ぐ装備や回復アイテムの準備が必須だ。
逆に言うと準備さえしておけば大抵のピンチは切り抜けられる。
ワープして逃げられる「テレポートのくすり」なんてアイテムも簡単に作れるからね。
モンスターとアイテムが山ほど詰め込まれたモンスターハウスも存在するが、
うっかり突入しちゃってもませきを複数持っておけば楽勝である。
ローグライク特有の運要素を出来るだけ減らし、
プレイヤーの試行錯誤に委ねた作りが実に面白いぜ。
まあ、運要素の強いローグライクゲーもそれはそれで魅力的ではあるけどね。
で、ガチガチの思考系というわけでもなく、
浅い回でレア素材やレアアクセサリーが手に入って有利になるような、
そういう遊んでいて爽快な方向で運要素が働くことは多く上手い調整ね。
レア素材がダブっても、色々な使い方が出来るから無駄になりにくいのも良い。
慣れてくると「この素材はよく手に入るから今使っちゃおう!」とか、
「このアイテムはめっちゃ強いエンチャント効果付けられるから、
良い装備を作れるまで温存しとこう……」とか、
「良い装備を作るための素材がなかなか出ないからもう使ってしまうか?!」とか、
悩みどころが増えてくるのがまた楽しいのである。
3DS版は「れんきんじゅつしのやかた」で戦うことになるラスボスが
こっちの攻撃をなんでもかんでも無効にする上に逃げ回るタイプで
かなり理不尽だったのだが、DXではそこら辺も調整されて大幅に弱体化しているぜ。
新ダンジョン「ムゲンかいろう」は全100階。
序盤から結構強い敵が出てくるので難易度は高めだが歯応え有り。
先を見据えたアイテムの取捨選択が熱い!
さすがに50階を過ぎるくらいから大分単調になってはくるのだが、
『アルケミックダンジョンDX』の真骨頂が味わえる構成だぜ。
クリアすると解禁される隠しキャラは笑うくらい性能がピーキーで必見。
ダンジョンの構造が入る度にランダムで変化し、
1度やられたらレベルも所持品もリセットされるが、
プレイヤーの知識は蓄積されていくので、繰り返し遊ぶと安定してくる。
成長するのはゲームのキャラではない!プレイヤー自身なのだ!
……というローグライクの魅力を、
アイテムクラフト要素で更に磨き上げた1本となっているぞ。
運要素が少ないし、この手のゲームに慣れていれば難易度は低めで遊びやすい方かな。
「ムゲンかいろう」は面白いけど長いので、
もうちょっと短めかつ難易度の高いダンジョンも欲しかったかなとは思うが、
値段を考えればボリュームは十分。
一度クリアしても他のキャラで再度遊ぶ楽しみもある。
初心者でも遊びやすいと思うし、
昔ながらのターン制ローグライクが好きな人にもオススメだぜ!