ドラゴンボール改 サイヤ人来襲 | バンダイナムコゲームス公式サイト
『ドラゴンボールZ KAKAROT』が楽しみ過ぎてつい遊び始めてしまい、
隠しボスまで倒したので『ドラゴンボール改 サイヤ人来襲』のレビュー行くぜ!
メーカー:バンダイナムコゲームス
機種:DS
ジャンル:RPG
発売日:2009/04/29
価格(税込):5040円
2009年に放送された『ドラゴンボール改』をRPG化したものだ。
開発は『ゼノブレイド』シリーズがあまりにも有名なモノリスソフト!
時期的には『無限のフロンティア』と『ゼノブレイド』の間の作品だね。
『ドラゴンボール改』は超ヒットしたアニメ版『ドラゴンボールZ』を、
デジタルリマスター&再編集した番組。
声を再アフレコしつつ、エピソードを短くまとめて見やすくした構成が特徴だ。
このゲームはその放送に合わせたものなので、
なんと「ピッコロ大魔王を倒した直後」から、
「ベジータを倒すまで」をRPG化するというかなり無茶な企画になっているぞ。
そんな狭い期間をRPGに出来るのか?!
ピッコロと天下一武道会で戦ってラディッツ倒して修行したらもうベジータだぞ?!
しかしオリジナル展開を盛り込んで物語に厚みを加え、
気合の入ったドットと手応えのあるゲームバランスで遊ばせるという、
ドラゴンボールファンなら感動の1本になっていたぜ!
ストーリーは天下一武道会に備えてクリリン、天津飯、ヤムチャが修行をするという、
オリジナルのエピソードからスタート。
チュートリアルのダンジョンをクリアした後、
クリリンが多林寺を訪ね、ヤムチャが自分のアジトを再訪し、
天津飯と餃子が封印された妖怪と戦い、
ようやく天下一武道会が始まって悟空とマジュニアが出てくる構成だ。
じらしますねぇ!
RPGとしてはオーソドックスで、
ダンジョンを歩いてると敵と遭遇し、コマンドを選んで戦う形式だ。
昔出ていたカードを選ぶタイプのRPGとは異なるぞ。
通常攻撃、KIを消費して放つ必殺技、アイテム、ガード、
そして攻撃などで溜まる怒りゲージがMAXになった時に使える
究極技を駆使して戦うのだ。
攻撃を受ける瞬間にボタンを押すとダメージを軽減できたり、
ゲージMAX+特定の技の組み合わせで
スパーキングコンボという合体技が発動するシステムもある。
3人でかめはめ波を撃つ「かめはめ乱舞」や
天津飯が目つぶしをした後に
ピッコロとヤムチャが最強技を叩き込む「魔・狼・鶴」などなど種類は豊富。
ザコもボスも種類が豊富で個性付けも考えられているから、
敵の行動パターンを見極めて対処していく面白さがある。
戦闘で溜まるAPを消費して
必殺技の強化やステータスの底上げ、特殊スキルの習得をする要素もあるので、
キャラの成長もしっかりと楽しめる作りになっているぜ。
ただ、ドラゴンボールをRPG化するとこれは避けられないところではあるが、
シナリオに合わせて悟空だけになったり、
悟飯だけになったりとメンバーの入れ替えが激しく、
敵もそれなりに強いので、
しっかり経験値稼ぎしないといけないのでやや難易度は高め。
特に悟飯は育ててないとツラいぞ!
ボス前に必ずセーブ&回復ポイントがあったり、
ほとんどのタイミングで街に戻ってアイテム買えるようにはなってるので、
救済措置はあるが。
キャラバランスもなかなか考えられており、
悟空は全ステータスがぶっちぎりに高い最強キャラで、
残像拳を使うと攻撃を避けまくるし元気玉や界王拳の効果もデカい。
ピッコロさんも全体的にステータスが高く、
超爆裂魔波での強力な全体攻撃や自己再生が特徴。
クリリンは技の威力が高く、
回復アイテムを使った時の効果が大きくなるスキルも覚える。
悟飯は最初は弱いが育てると強くなるし、
ハイヤードラゴンを呼んで回復する技を覚える。
ヤムチャはスピードキャラで、攻撃必中の技を使ってからの狼牙風風拳が強烈。
天津飯は敵全体を盲目にする太陽拳がザコ戦でかなり有効。
原作の立ち位置を踏まえてしっかりと個性を出してあるのが良い。
上がると敵の攻撃を避ける「速度」のステータスが重要なゲームなので、
育てていくとヤムチャがかなり強かったりする。
戦闘のアニメーションはよく動くので見てて気持ち良いし、
敵キャラもドラゴンボールっぽい野生の恐竜や獣、魔族、RR軍の残党やロボット、
山賊、チンピラ、ウサギ団、サイバイマンのバリエーションなどなど。
原作要素とオリジナル要素を織り交ぜて上手く種類を増やしていて嬉しくなっちゃう。
ゲームの都合上、ラディッツより強い野生動物や山賊が
そこら辺をウロウロしてるということになってしまうが……!
特別なアイテムをホイポイカプセルとしてセットすることが可能で、
一部のダメージ床無効、エンカウント率ダウン、エンカウント率アップ、
逃走確立アップ、戦闘時に敵に一定確率で状態異常などの効果がある。
かなり強力な効果のアイテムもあるのでしっかりと探索したくなるね。
原作の流れに沿いつつアニメオリジナルのエピソードも消化する構成になっていて、
フライパン山の火事を消化するためにアンニンに会うエピソードもしっかりやるし、
蛇の道の途中で蛇姫と戦うイベントとダンジョンもある。
ゲームオリジナル展開でハッチャンやスノ、
レッドリボン軍のホワイト将軍や兎人参化、ピラフ一味といった、
無印時代のキャラもガンガン登場するのがたまらん!
兎人参化やピラフと戦う時のBGMは
なんとファミコンの『ドラゴンボール 神龍の謎』のアレンジだ!
ファンにはたまらないオリジナル要素が満載。
まあ、ドラゴンボール集めを手伝ってもらうために、
ラディッツ戦で死んだ悟空を、ベジータ戦の前に地上に呼び戻すオリジナル展開は、
割と台無し感強いが……こうでもしないと悟空を使える期間が短すぎるからな!
ダンジョンの数も非常に多くて飽きさせないし、背景の描き込みっぷりがまた見事。
このゲーム、普通に遊んだらほとんど1回しか通らないようなマップも
しっかり作り込んであるのが凄い。
界王星を歩き回れて界王様の家にも入れるし、
カメハウスの1階と2階もしっかり歩ける。
地獄で鬼と追いかけっこするマップの描き込みは特に凄かった。
1回しか通らないのに?!
ユンザビット高地に神様の乗ってきた宇宙船があるとか、
作り込みが本当にすごい……。
本編でこれが物語に絡むのはベジータ倒した後なので
何もイベントが起こらないが、ピッコロで調べるとアイテムが手に入ったりはするぞ。
イベントで出る一枚絵も豊富だし、
ゲーム化している範囲が狭い分、細かい会話までしっかり再現してくれる。
亀仙人がトイレで悟空のテレパシーを受信して
ブルマからボケ老人扱いされるシーンとか、
バブルスくんを界王様と勘違いした悟空が「ウッホッホ」ってやるシーンとか、
自分が宇宙人だと知った神様が「どうりでみんなとちょっとちがうかなーって」
とかギャグっぽいリアクションするシーンとか……ちゃんとある!
ドラゴンボールをRPG化したことで発生した歪みも節々にあって面白くなっちゃう。
回復アイテムに仙豆の下位互換である謎の豆が大量発生していたり。
「小豆」と「大豆」は普通の食べ物じゃねーか!
RPGなので、進んだら戻ってこれなくなる場面では悟空が警告してくれる。
これベジータ戦の前なので覚悟決めるのはオメェだぞ!
スムーズに行けば18時間くらいでクリア出来るのだが、
やり込み系のイベントも色々とあるので延々と遊べるようにもなっている。
1つは兎人参化を倒した時に貰える「人参化の手袋」を使った作業系ミッション。
これを装備して敵を倒すと人参に出来るので、
街にいる人参好きの男に渡すと本数に応じて様々なレアアイテムが貰えるのだ。
1000本渡した時まで用意されてるのでコンプ目指すとかなり骨だぞ。
っていうか、ちょっと怖いよこのイベント!
なんでこんな軽い魔人ブウみたいなことしなきゃいけないの?!
もう一つは神様からの依頼で色んなザコ敵を捕まえるもの。
天津飯が覚えている魔封波を使うと弱らせたザコ敵を捕まえることが出来る。
捕獲した種類に応じてレアアイテムが貰えるイベントとなっているぞ。
目指せ!全150種類の捕獲!
いや、魔封波ってそんなホイホイ使う技じゃないだろ?!
天津飯が死んじゃうよ神様!
終盤にドラゴンボールを集めることで
ベジータを凌駕する「とある隠しボス」とも戦闘可能。
時系列的に考えると本来は絶対倒すのが無理な「カカロットォ……!」的な相手。
レベル40くらいでクリア出来るゲームなんだが、
隠しボスはレベル78くらいまで上げてようやく勝てたから大変だったぜ。
強かったが技やスキルの組み合わせ考えたりかなり白熱したので楽しかった。
非常に力の入った内容だが見逃せない欠点もいくつか。
まず餃子がキャラとして使えないところである!
餃子がゲームシステムから置いて行かれている……。
なので、ゲームオリジナルイベントで天津飯とイチャイチャして、
最終的にナッパ戦で爆発するだけの存在になってるのがちょっと悲しい。
会話デモでキャラが何か言う度にフキダシで感情を表現するマークが出るんだが、
これが異常なくらい多くて会話のテンポを大きく崩しているし、
ラディッツやベジータとかが悟空をあざ笑う時に笑顔のマークが出たり違和感すごい。
Rボタンでスキップ出来るのでカチカチ押しまくらないといけない。
ダンジョンの描き込みが凄いと書いたが、
そのせいでどこが通路なのかやや分かり辛いところもあったり。
エンカウントが高いので迷うと結構辛いね。
『ドラゴンボールZ KAKAROT』の予習のつもりでプレイしたが、
隠しボス倒すまでガッツリやり込むほどにハマってしまった。
さすがに人参集めと魔封波はスルーしたがな!
RPGとしてしっかり遊べる上に、原作ファンが喜ぶ要素もてんこ盛り。
DSのキャラゲー全体で見ても相当にハイクオリティな1本だと思う。
現在も中古で安く買えるし、3DSでも遊べる。
RPG好きなドラゴンボールファンにはイチオシだぜ!
ちなみにこのゲーム、ベジータを倒したところで
「To be continued」と表示されるのだが、結局続編は出ずじまい……。
まあ、原作やアニメに続くって解釈で問題ないのだろうが寂しいね。
そんなところはファミコンの『ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間』っぽいのでした。