ドラゴンボール Sparking! ZERO|バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
『ドラゴンボール Sparking! ZERO』のレビューすっぞ!
オラが遊んだのはPS5版だ!
パブリッシャー:バンダイナムコエンターテインメント
機種:PS5/XBOX/PC
ジャンル:アクションゲーム
発売日:2024/10/10
価格:8910円
3D対戦アクションゲーム『ドラゴンボール Sparking!』シリーズの最新作だ。実に17年ぶりの完全新作!
厳密にはPS3時代に『ドラゴンボール レイジングブラスト』など、後継作や派生作は出てたんだが、その辺はさておき。一番人気あったシリーズが最高のクオリティで帰ってきた!という立ち位置だ。
ドラゴンボールのゲームは今も昔も山ほど出ており、海外でも売れるから最近はクオリティが跳ね上がってきているが、「ドラゴンボールらしい戦い」が出来るアクションゲームとしては本作が最高峰。期待を裏切らない作り込みで、17年ぶりの復活でよくぞここまで……!と感動するほどの内容になっていたぞ。
ただ、難易度はサイヤ人向けだぜ!
- 圧巻!参戦キャラは182人!
- 敷居は高いが「ドラゴンボール」らしさ100点満点の3Dバトル!
- 言うまでもなく最高峰のグラフィック!
- 原作再現+ifのエピソードバトルに多彩なカスタムバトル!充実のモード!
- 小ネタ多数!チチ・ブルマ・ビーデルによる「女子たちの集い」にも注目
- エピソードバトルの難易度が高すぎる!高難易度ゲーとしても問題が……。
- キャラゲーとして空・前・絶・後の完成度!
圧巻!参戦キャラは182人!
CHARACTER|ドラゴンボール Sparking! ZERO|バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
本作のウリは何といっても182キャラという圧倒的な参戦キャラ数!
少年編からの参戦が悟空(と一応亀仙人)だけなのは残念だが、Z、GT、超の主要キャラを網羅した上で、劇場版のボスも一挙登場!俺が好きなジャネンバもいるッ!
『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン』で、ジャネンバの体がブロック状に分離するワープを手書き作画でやってるのマジで凄まじいと思う。
超はジレンやザマスやヒット、第6宇宙のサイヤ人たちはもちろん、リブリアン・カクンサ・ロージィの乙女戦隊にまさかのベルガモ、ゲーム参戦が少ないアニラーザまで充実している。リブリアンはゲームだと妙に優遇されがち。
第3宇宙のカトペスラや第9宇宙のソレルはさすがにいなかった。カトペスラはヒーローズとドッカンにはいるんだけどね。
ゴジータとジャネンバがいるのにパイクーハンがいないのはさすがに気になるが、そこら辺を言い出したらキリが無いのでグッと堪える。でも悪口で相手のゲージ削る技引っ提げて参戦して欲しかったよな!
オラオラオラオラオラ!
182キャラと言っても「孫悟空(Z・初期)」「孫悟空(Z・中期)」「孫悟空 (Z・中期)超サイヤ人」などの形態&時期違いも1キャラカウントなので、CV:野沢雅子が30キャラ以上いたりするが……。それでも凄まじい数!
こんだけ揃ってると野沢雅子さんの演じ分けも必聴。最初に超サイヤ人になった時の悟空のピリピリした態度や、ピッコロさんの前だと声色が子供の頃に戻る未来悟飯辺りがもグッと来る。ゴクウブラックやターレスの演技も、悪役としての色気があってカッコいいんだよなぁ。
時期に関してはコスチューム違いで更に細かくフォローしていて、バーダックはZと超の戦闘服を両方収録しているし、ビーデルさんは髪型を2種類収録。亀仙人にはジャッキー・チュンの姿も!一部キャラは天使の輪のオン・オフが出来るのも細かい。簡単に生き返ったり死んだりできる。
18号さんみたいにコスチュームを変えると技が変わるキャラもいたりして、全貌は未だに把握しきれていない。
キャラゲーのシリーズ作品は、本数を重ねてキャラが増えてきたところで、ハードの変更やシリーズの仕切り直しを理由にキャラが大幅に減ることがある。これはドラゴンボールはもちろん、仮面ライダーやガンダムのファンも実感できるところだろう!
本作も久々の新作だから全部作り直しのはずなんだが、にも拘らず参戦キャラはシリーズ最大級の180キャラ越え!今後のDLCで更に沢山やってくる!開発コストが限界突破×サバイバー!シリーズを何本か積まないと出せないボリュームを最初から実装してる。
キャラゲーは物量が第一!と思っている自分としては文句なし。これは最終的に1000万本くらい売る前提じゃないと出来ないぜ。
https://x.com/bnei876/status/1846116333572051063
とか思ってたら発売24時間でもう300万本売れたニュースが飛び込んできて度肝抜かれる。お前がナンバーワンだ……!
敷居は高いが「ドラゴンボール」らしさ100点満点の3Dバトル!
戦闘はフィールドを360度動き回れる3Dアクション。
格闘攻撃と気弾にゲージを消費しての固有スキルや必殺技などを駆使して戦うシステムだ。ボタン長押しで気を溜めてゲージを上げるのは『ドラゴンボールZ 超武闘伝2』からの伝統を感じる。
空を飛んで猛スピードで突進する勢いで地面をえぐり、山を破壊し、相手に接近して打撃の高速ラッシュ!気弾で牽制しつつ不意打ち!相手にボコられてる最中にカウンターを決めて反撃!
「ピシュン!」と姿を消して相手の後ろに回り込んで吹っ飛ばし攻撃!
「ピシュン!」を更に「ピシュン!」で返す回り込み合戦!
吹っ飛ばした相手に一瞬で追いついて追撃!また追いついて追撃!からのかめはめ波!
キャラ毎に用意された太陽拳や残像拳、瞬間移動といったスキルを使った駆け引きもあるし、ゲージを消費して合体や変身が出来るキャラもいる。
超サイヤ人系は戦いの中で段階的に変身していくのが楽しい~!
ゲームスピードが原作さながらの高速っぷりで、演出に拘束される瞬間も少なく、戦闘システムは「攻め」と「ゲージ溜め」による動と静の爽快感と緊張感がある。キャラを動かしているだけでドラゴンボールらしさがSparkingだ!
ドラゴンボールのゲームはこれまでにも様々なアプローチがあったが、「アニメのドラゴンボールっぽい動きで戦える」という視点では本作が屈指の完成度。360度スムーズに動きまわれて、攻めが基本のシステムってのが大きい。
ただ、スティックとボタン同時押しとタイミング良くボタン入力を駆使するゲームなので、操作とシステム周りはかなり複雑……!回避とカウンターだけでも色んな種類があり、それぞれ使うタイミングも操作方法も異なるからこんがらがるぜ!
ゲーム始めたらまずピッコロさんのドアップから始まる超修行を選択しよう。ここでシステムを学べるので30分~1時間くらいみっちり学ぶ覚悟が必要だぞ。
言うまでもなく最高峰のグラフィック!
グラフィックに関しては言うこと無し!
ゲームスピードが速い上にエフェクトが派手派手なので見てて疲れるところはあるが、これだけキャラがいるのに表情やモーションの再現度は素晴らしく、キャラの技を見ているだけで「あったあった!」の連発。
ベジータがセルを蹴ったあの動きだ!とか、ブロリー(Z)の技がめっちゃ見覚えのあるものばかりだったりとかね。
必殺技演出は悟空のかめはめ波が血液沸騰モノのカッコ良さなのはもちろん、ザーボンやタピオン辺りの細かいキャラの技もしっかり作り込まれてるのに感動。
モデリングは人間キャラより、クリーチャー寄りのキャラの方が出来良いかも。特にセルの質感と表情のバランスは歴代ドラゴンボールゲームでも最高のクオリティだ。これはテレビ映りがパーフェクト!
ではテレビ局に行くとするか……。
特別なフィニッシュ演出も色々あり、例えば怒りのかめはめ波でトドメを刺すとあの何とも言えない表情をするぞ。ナメック星編を締めくくる名シーン!
こういう再現演出や、特定のキャラの組み合わせで発生する掛け合いが豊富に用意されているので、一通りキャラを出し終えたら色んな組み合わせて対戦するのが楽しいのだ。キャラ多いキャラゲーはこれが醍醐味だよなあ。特殊掛け合いのバリエーションはマジすごいぞ!(強調)
原作再現+ifのエピソードバトルに多彩なカスタムバトル!充実のモード!
メインメニュー画面は登場キャラたちが集まっているところに悟空がやってくるレイアウトで、カーソルを横に動かす度に天下一武道会の会場やミスターサタンの家へと瞬間移動!ゲームを開始した瞬間からドラゴンボールワールド全開だ。
そのせいでちょっとカーソルの動きが重いがな!
オンライン対戦や、チーム戦などの様々なルールで戦える大会モードもあるが、一人用のモードは「エピソードバトル」がメイン。
孫悟空、ベジータ、孫悟飯、ピッコロ、トランクス、フリーザ、ゴクウブラック、ジレンが主人公で、それぞれの視点で原作の物語を追っていく。条件を満たすことでストーリーが分岐し、ゲームオリジナルのifルートへと展開する構成だ。
『Z』のラディッツ襲来から『超』の力の大会までを追っているため、数行のナレーションによる爆速ダイジェストで進行。ナレーションですごい勢いでキャラが死んでいくぞ!悟空とベジータに比べると他のキャラはストーリーが短めだったり、なかなか強引だが、分量が分量なのでやむなし。
個人的にはこんだけキャラがいるんだし、主人公を決めずに色んなキャラのifシチュエーションをつまみ食いするオムニバス形式で見たかった。ただ、久々のシリーズ完全新作かつ、『ドラゴンボール超』の主要エピソードはあんまりゲームで再現されてないことを踏まえると、今回はシリーズ全体を網羅する構成にしたのは納得ではあるかな。
色んなキャラで遊びたい!という人向けには「カスタムバトル」が用意されている。こちらは膨大な定型文とキャラ、演出を組み合わせて自分だけのバトルを作成できるモードで、オンラインでの共有も可能だ。
まあ、ボイスは使えずテキストの組み合わせだけなので、PS版『北斗の拳 世紀末救世主伝説』の世紀末シアターみたいなのを期待すると肩透かしではある。
「カスタムバトル」内に「エクストラバトル」という項目が用意されており、ここだけで数十種類のバトルを楽しむことが出来る。自分で作ったり、オンラインに繋いで他のユーザーのバトルを探さなくても十分ボリュームがあるってわけね。
「エピソードバトル」のifルートはフリーザ編で悟空とベジータが共闘してフリーザ軍を迎え撃ったり、人造人間編で悟空が心臓病で退場しないままなんとか戦い続けたり。各時代で色んな展開があるのが面白いし、意外なキャラの活躍シーンもある。
セル~ブウ編に関しては「ベジータがまともな行動をしたのでサクッと問題が解決する」「セルがサクッと死ぬ」ってのがそこそこ多くて笑う。敵にとってかなり綱渡りの展開多かったからなこの辺りは!
ゲームならではのifルートに関してはやはりトランクスと悟飯が強い。この二人は立ち位置そのものにドラマが詰まってるから、何十年経っても何回噛んでも味がする!
復活のFで戦いの勘を取り戻した悟飯がそのままザマス編に同行したり、ザマス編の後も現代に残ったトランクスが力の大会に参加したりと、『ドラゴンボール超』のifルートはめっちゃ良かったわ!
主役にしてもあんまりやることないんじゃないか?
と思ったジレン編は実際ルートとしては力の大会のみで短いものの、原作よりも悟空達と深く関わったからこそのifルートが待っている。これがなかなか熱い終わり方で、ジレン好きとしては地味ながら嬉しい内容だった。
トランクス編のifでジレンとトランクス絡めるのも上手かったなぁ。
ベルモッドの唐突なジレン語りを完全再現してたのも笑った。プレイアブルじゃないのにちゃんとモデル作ってあるじゃん!
逆にゴクウブラック編は原作再現を軸にすると「敵が悟空、ベジータ、ベジット、トランクスしかいない」「目的が人間殲滅なのでそれ以外のオチを作れない」「完全に自己完結したキャラなので他のキャラと協力する展開に出来ない」となるから、面白くするのムリじゃね?
と思いながらコンプしたら、本当に面白くなくてビックリした。ルート色々あるけど、マジで同じ相手同じオチじゃねーか!その割に難易度はかなりたけぇぞ!
全ルート制覇したが「これが見たかった!」と思わせてくれるifルートもあるが、テキスト数行でやっつけに済まされるifルートもそこそこ多い。
昔のドラゴンボールのゲームだとよくあったギャグっぽいifルートも無く、色々惜しい構成だった。この辺はDLCで追加してくれたら嬉しいんだが……。
小ネタ多数!チチ・ブルマ・ビーデルによる「女子たちの集い」にも注目
その他、おまけとしてギャラリーでは『ドラゴンボール超』のチチ・ブルマ・ビーデルによる「女子たちの集い」を収録。
過去作にもあったオマケの最新版で、この3人が登場キャラについて解説をしてくれるのだ。DLC特典のDAIMA悟空を除いた181すべてにボイス付きで解説をする豪華っぷり。関係性がにじみ出た解説や、微妙にメタっぽい解説もあったりで充実。こういうところも作り込んであるぞ。掛け合いやifルート含めたボイスの収録量とんでもねぇぜ。
エピソードバトルの難易度が高すぎる!高難易度ゲーとしても問題が……。
そういうわけで凄まじいクオリティの本作だが、難点を上げると一人用モードのメインであるエピソードバトルの難易度が高すぎる!本作でもっとも議論になるのがここだ!
基本システムがかなり複雑なのに、CPUが序盤からシステムを完全に使いこなすタイプの難しさ。「カウンターにカウンターを返してくる」「フェイントのフェイントにフェイントしてくる」くらいの動きを平然と取ってくるぜ!
「習うより慣れろ」「頭空っぽの方が夢詰め込める」「IPPAI OPPAI ボク元気」と、何も考えずにプレイを始めると、自分が戦闘力5のゴミであることをラディッツに叩き込まれることになる。
前述したピッコロさんとの修行でシステムをガッツリ学ばないとスタート地点にすら立てないぞ。
救済措置としてアシストモードと難易度調整があるが、アシストモードは全部オンにしても簡単にはならないし、難易度を下げるとifルートの分岐が見れなくなる化石みたいな仕様。
というか、アシスト全部オン+難易度ダウンしても、システムをちゃんと理解してないとボコられるのは変わらない。
難しいのはいい。救済措置がマトモに機能してないのが問題。
経験値を貯めて強くなるシステムは無いし、パワーアップする装備アイテムはあるが、専用モードや対戦モード用なので関係なし。アクションゲーム苦手な人や小さな子供が買ったら詰むレベルの過酷さだぜ。
一応、難易度を下げても分岐を見れる「ドラゴンオーブ」というアイテムもあるんだが、入手方法が神龍への願いだけなので1個手に入れるのも大変。ゲーム内に説明が全然無いので、そもそも存在や使い方を知らないプレイヤーも多い。
これ普通にショップに並べて良かったと思うぞ……。
また「歯ごたえのある高難易度ゲーム」という視点でも粗が目立つ。
分岐条件が基本的に「敵を素早く倒す」なのに「素早く」がどのくらいなのか一切分からないのかなりストレスだ。なんとなく「この会話が終わるまでに倒さないとダメなのかな?」みたいに探りながら遊ぶことになる。デモシーンのスキップが遅いので、分岐条件満たせずクリアしちゃった時のやり直しもかったるい。
お、おいベジータ!このPS2時代のキャラゲーみたいな仕様をなんとかしてくれよ!
コツを掴めてくるとグッと面白くなるゲームではあり、システムを理解するとあれだけ苦戦したCPUの攻撃を簡単に返せるようになる。背後からの攻撃がシステム的に強力なので「相手の態勢を崩す」ことが重要だ。
更に、発動するとパワーアップ&超必殺技が発動可能になるスパーキングモードの高火力に気づくと世界が一変。コンボを繋げると敵の体力ゲージを一瞬で溶かして、分岐条件も簡単に満たせるようになるぞ!こんな世界があったなんてよ……!
CPUをボコりながら、自然と「勝てんぜ お前は」「ウスノロ……」などの言葉が口から出るようになってくる。
ただ、「超反応のCPUを回避とガードで捌いて、とにかくスパーキングモードに持っていく」を繰り返す構成なので、高難易度ゲームとしては幅が狭い。分岐条件が「敵を素早く倒す」ばかりだから、高火力のスパーキングモードで瞬殺以外の選択肢がないのだ。たまに他の条件が来たと思ったら「敵が使う特定の必殺技を喰らう」とか面倒なものだったりする。
「エクストラバトル」は色々なシチュエーションが楽しめるものの、分かりにくい敗北条件が設定されてるバトルが混じってる上に、敗北条件が確認できない。普通に戦っていたら突然負けになったりする。ナッパでフリーザ軍と戦っていたらいきなりフリーザがキレて負けになったり……。
対人戦だとスパーキングモードが超強いのはお互い分かってるので、ゲージ残量やスキルを使った読み合いになるし、キャラ毎のスキルも意識されられるから立ち回りが変わってくる。その上で「原作で強いキャラが強い」を基本にしたコスト制のバランス調整がされており、CPU戦よりも奥深くなってるね。
まあ、いくつか「こいつのスキルおかしくね!?」「こいつのタックルおかしくね!?」ってキャラもいたりするが!182キャラもいて今後もDLC来るから、対戦環境はまだまだ激変しそうである。
キャラゲーとして空・前・絶・後の完成度!
とりあえず25時間ほど遊んでエピソードバトルはコンプリートした。
ドラゴンボールという巨大IPにしか出来ない物量と、それを支える作り込みが圧巻。すべてのキャラゲーが目指しても簡単にはたどり着けない場所に、孫悟空が立っている。シリーズ復活作としては文句なしの大成功と言える逸品だ。ドラゴンボールファンなら買って損無し!
高難易度と機能していない救済措置で幅広い人が楽しめるゲームになってないのが惜しいところなので、そこはアップデートで緩和頼むぜ!