『砂の国の宮廷鍛冶屋』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS4版ね。
メーカー:ケムコ
機種:PS4/Switch/Xbox One/PC
ジャンル:鍛冶屋経営RPG
発売日:2021/01/07
価格:1540円
『マーセナリーズサーガ』や『冒険酒場』シリーズ、
『THEメイド服と機関銃』でお馴染みのライドオンが、
ケムコと組んで送る鍛冶屋経営RPGだ。
2020年にスマホで配信されたタイトルのコンシューマ版となっている。
スマホ版との違いは、
課金アイテムのジュエルが普通に手に入るようになったくらいかな?
RPGパートでダンジョンを探索して素材を集め、工房に戻って武器を作って売り捌く!
この作業をひたすら繰り返すゲームだが、
徹底して遊びやすさを重視してあるので、止め時が見つからなくなる!
ライドオンの過去作と比較して物足りない部分もあるが、
最後まで楽しく遊べる1本になっていたぜ。
舞台は傭兵が集まる軍事大国ムスペルヘイム。
主人公はそこで冒険者を目指す少年フォルカーだ。
宮廷鍛冶屋の父親が急逝したことで鍛冶屋を継ぐことになったが、
本当はカッコいい冒険者になりたい……なら両方やればいいじゃん!
というわけで幼馴染の女の子ヴァレリアと、
鍛冶屋に住み着いてた妖精ピッテと共に、フォルカーの挑戦が始まるのだ。
二足のわらじヨシッ!
ゲームは5人パーティで進行し、最初にフォルカー以外の仲間4人をエディット。
選べるのは名前と性別、ジョブ、信仰する神だ。
性別以外は後から変更可能。信仰は能力の補正に影響する。
拠点であるサントブルクの街からダンジョンに出かけて、
帰ったら工房で商品を売って次の日へ!を繰り返す構成。
街にはゲームを進めるための依頼を受けるギルド、
パーティを回復できる施療院アイテムや素材を買える道具屋、
1日1回だけ食事をして経験値を貰える酒場、1日5回まで戦える闘技場が存在する。
ゲームに時間制限などは無いため、
ダンジョンに行かずに毎日酒場に行けばレベルがモリモリ上がるぞ。
おっぱい見ながら飯を食うだけで強くなれるゲーム!
フォルカーが目指していたカッコいい冒険者と程遠い姿だな!
各施設の担当キャラは個性付けもデザインも良い。
ギルド長であるイーゴンさんは面倒見の良さとフランクさ、
時折見せる大人の対応が好感持てる。
闘技場の受付嬢であり、装備の納品をお願いしてくるハンナさんも可愛いぜ。
最初は納品した武器にめっちゃ注文付けてくるんだけど、だんだん態度が変わってくる。
才能あるのにあんまり働きたくない道具屋のホリックさんもいい味出してる。
軽いノリで技術革新レベルの素材を生成するので、
「こいつだけ異世界から転生してきたんじゃないのか……?」ってなる。
ダンジョンでは2Dの画面構成となり、素材を取れる場所や宝箱があちこちにある。
全域が表示されるミニマップがあるし、仕掛けや複雑な迷路もない分かりやすい構造。
うろついてる敵とぶつかると戦闘になる形式だ。
ボタン一つで脱出できるし、素材回収も一瞬で終わるのでとにかくお手軽。
戦闘もオーソドックスなターン制。
ステータス補正が変化する陣形や、スキルの効果範囲の把握がカギを握る作り。
演出の高速化に加えてオート戦闘がそこそこ優秀なので、
ちょっと育てればザコ戦はほぼオートで処理可能。サクサクだ。
しかし、ボスは結構いやらしい全体攻撃や状態異常攻撃をしてくるので、
要所ではちゃんと戦力を吟味する必要があるバランス。
防御を上げたり、回復スキルを覚えたり、状態異常体制を高めたり、
回避特化にしてみたり。試行錯誤が必要。
ゲームを進めるとジョブや陣形がどんどん増えていくし、
金を払えば各ジョブのスキルやパッシブスキルを取得できる。
サブジョブを設定することで、2つのジョブのスキルを使えるようにもなる。
スキルの種類はかなり豊富で付け替えも簡単。
5人いるメンバーをどういう役割にしていくかはプレイヤー次第だ。
このシステムを活用してパーティを強化し、ボスを突破するのが楽しいゲームになってるぜ。
装備に2つまでルーン石を付けて、状態異常耐性やステータスの底上げも可能。
ダンジョンから帰ってきたら素材を使ってアイテム作成タイム。
アイテムは大まかに分けて武器、防具、日用品とあり、種類は数百種類だ。
同じアイテムを作成すると熟練度が上がっていき、
100になると新しいレシピが解禁されたり、性能が強化されたりする。
出来上がったアイテムを販売して1日が終わる。
レアアイテムほど需要が高いし、需要が低いアイテムでも値下げすれば売れるぞ。
まあ、最初に書いたように時間制限がないから、粘ればいくらでも売れる。
とにかく金も素材も稼ぎやすいゲーム。
店にアイテムを並べれば並べた分だけ金になるし、
素材が足りなくてもちょっとした素材なら道具屋で賄える。
更に闘技場で1日5回まで好きな敵と戦える上に素材もドロップするから、
「ドラゴンが落とす素材が足りない」となったら闘技場でドラゴンと一戦交えればいいだけ。
闘技場で勝つと貰えるポイントで更に素材もゲット!
しかし作れるアイテムの種類が膨大で、熟練度を上げるために沢山作る必要もある。
この武器を20個作って新しいレシピ解禁して、
新しい武器作るのにあの素材必要だから手に入れて、
ガンガン売ってお金貯めて、金が溜まったのでスキルを伸ばして、
メインストーリー進めるために戦って、素材大量に手に入ったのでアイテム作って……。
と、繰り返してるうちにどんどん時間が溶けていく!良い意味での「作業系RPG」だ!
「探索スキップ券」を使ってダンジョン探索をスキップして
素材だけ手に入れることも出来るので、
据え置きのRPGというよりソシャゲの周回っぽい感覚かも。
とはいえ、徹底してテンポと快適性を考えられているので遊んでいて楽しい。
ちなみにスマホ版だと課金アイテムだったジュエルは、
10回戦闘するか、4回開店するという条件で1個手に入るようになってる。
強力なアイテムとの交換が可能だ。
面白いゲームなんだが、難点としてはストーリーの弱さと経営部分の味気無さ。
淡々と進んで終盤の展開も唐突だし、ヴァレリアも妖精のピッテも全然出番がない。
この幼馴染がアイテム売ってくれてるから鍛冶屋が成り立ってるんだろがい!
パーティメンバーもモブ扱いで一切喋らない。
ギルドで受けられる依頼をクリアすることで、
各施設のキャラと会話イベントが発生することがあるんだけど、
これも数が少ないしどれも短い。
鍛冶屋の経営もリストに乗ったものが売れていくだけなので味気ないぜ。
PS4/Switch「マレニア国の冒険酒場 ~パティアと腹ペコの神~」レビュー!手軽に美味しいRPG×酒場経営ゲーム!味付けはやや薄味?! - 絶対SIMPLE主義
同じメーカーで近いシステムのゲームだと
2018年に『マレニア国の冒険酒場』が出ている。
快適性に関しては今回の『砂の国の宮廷鍛冶屋』の方が洗練されていて
キャラデザも好みだったんだけど、
ストーリーに関してはこっちの方が圧倒的に良かったな。
キャラ同士の会話が多かったし、ちゃんと「お店を大きくしている」感覚もあった。
これはPS4のトロフィーやXbox Oneで実績コンプを目指す人のアドバイスだが……。
「モンスター図鑑を100%にする」の項目は、
全モンスターからアイテムを盗まないと埋まらないから気をつけろよ!
コンプ目指してたんだけど、盗むを1度も使わずに進めちゃって、
最後の最後にこれに気づいて心が折れた。
闘技場で埋めることは出来るんだが、そこまでやる気は無かったぜ!
クリアまで15時間ほど。
クリア後のミッションやトロフィー系コンプまで遊べば20~25時間ってとこかな。
ちょっと味気なくて残念な部分もあったが、
最後まで飽きずに遊べるサクサク系の鍛冶屋経営RPGになってるぜ。
こういうスタイルのゲームが好みなら是非!