ソルクレスタ | PlatinumGames Inc. Official WebSite
Sol Cresta | ゲームタイトル | PlayStation
ソルクレスタ ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
難易度ハードをノーコンティニュークリアしたので
『ソルクレスタ』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:プラチナゲームズ
機種:PS4/Switch/PC
ジャンル:自在合体シューティング
発売日:2022/2/22
価格(税込):4378円
備考:ドラマティックDLCが1100円
80年代にニチブツから発売された
『ムーンクレスタ』『テラクレスタ』の魂を受け継いだシューティング。
シリーズとしては1997年の『テラクレスタ3D』以来となる新作だ。
レトロゲーム……じゃなかった、クラシックゲームを愛する
プラチナゲームズ神谷英樹氏の趣味全開の1本。
ネオクラシックアーケード第1弾と銘打たれているので、
今後の展開にも期待したいところ。
最初は色々と戸惑うが、
多彩なアクションを使いこなすほどに爽快感が跳ね上がる熱いシューティング。
『The Wonderful 101』を手掛けたプラチナゲームズが、
『テラクレスタ』を作るとこうなる!というのが分かりやすい内容だった。
良かったぜ……!
オープニングではシリーズ作である
『ムーンクレスタ』『テラクレスタ』『テラクスタII マンドラーの逆襲』を再構成した、
壮大なクレスタサーガが語られる。
ちゃんと該当作品のメインビジュアルとゲーム画面を流すところが分かりやすい。
無の魔王マンドラーを相手にした過去シリーズの戦いは全部負け戦。
既に地球も太陽も敵に奪われて人類は海王星まで追いやられている。
残る希望は太陽奪回組織「ソルクレスタ」と、最新鋭合体戦闘攻撃機「ヤマト」のみ!
というのが『ソルクレスタ』のストーリーだ。スゴい導入!
シューティングゲームと言えば絶望的なストーリー展開なので、
最新作でこのくらいやってくれると燃えるぜ!
ちなみに『テラフォース』はクレスタシリーズに含まれないのが公式設定だそうです。
全7ステージ構成で、ザコ倒してボス倒してクリア!の王道。
特徴的なのは3機の機体が合体して戦うシステム。
ボタンを押すことで分離&合体が可能。
分離している間は時間がゆっくりになるし、
操作してる機体以外に当たり判定は無いので強力!
ヤバい攻撃が来たらオープンゲットで回避するゲッターイズム溢れる手触り。
分離できる時間は最大10秒で、すぐに回復するのでガンガン使えるぞ。
そして、分離してる時に機体を特定の形に並べることで、
強力なフォーメーション攻撃を発動可能。
フォーメーション攻撃は6種類あり、
敵を倒した時に出現する「フォーメーションチップ」を取ることで増えていく。
前方と後方に強力なウェーブ攻撃をする「ムーンフォーメーション」や、
斜めに貫通レーザーをぶっ放す「ビームフォーメーション」などなど。
どれも非常に強力!
使いやすさだと正面への広範囲攻撃となる「デルタフォーメーション」かな。
広く縦に並んだ3機が左右に回転弾をばら撒く「サイクロンフォーメーション」や、
360度に回転レーザーをぶっ放す「アラウンドフォーメーション」なんかは、
入り組んだ地形でも非常に有効だ。
敵を倒すと溜まるSPゲージを大量に消費するので無駄遣いは出来ないが、
きっちり使えばボスも瞬殺出来るのでマジで強い。
そして5種類のフォーメーションを揃えることで6番目のフォーメーションが解禁。
『テラクレスタ』でも最強だった火の鳥を発動可能!一定時間無敵!
ボスの激しい攻撃や複雑な地形もへっちゃらだ。
何故なら火の鳥は無敵だから!
とにかく「フォーメーション最強!君も合体だ!」という作り。
慣れるまでは自在にフォーメーションを組むのが難しく、
機体をガチャガチャ動かしてるうちに分離時間が終わったりしてしまうが、
使いこなせた時の強さは天下一品で最高に楽しい。
『テラクレスタ』もフォーメーション攻撃の火力が抜群に気持ち良いゲームだったので、
ちゃんとそこを踏まえた手触りになってる
通常の状態だと、
対応した機体じゃないと壊せないコンテナや壊せないスイッチ、
くぐるとボーナスが入るリングなんかもあるんだけど、
これもフォーメーション攻撃ならすべて簡単に突破可能。徹底してる。
フォーメーション攻撃で敵をバンバン倒して、
ばら撒かれるソルコインを稼ぐと画面右のソルゲージが上昇。
SPゲージ回復やフォーメーション攻撃の追加、
ボーナスや1UPといった特典が得られるので、更に大暴れ出来る。
フォーメーション以外にも攻撃の種類は豊富。
合体してる時は先頭の機体でショットの性能が変化し、
それぞれ拡散ショット、誘導ミサイル、貫通ドリルと三者三様。
格闘ゲームのようなコマンドを入力することで、
左右や前後、全方位に強力な弾を発射するコマンドショットもあるし、
SPゲージを消費して放つ溜め攻撃もある。
種類が多い上に、溜め攻撃は真ん中の機体で性能が変化するなど、
最初はかなり混乱するが、これも使いこなすと強い。
特にコマンドショットはフォーメーション攻撃が使えない時や、
節約したい時に便利だし、意識して使うとボス戦が全然違うぞ。
システムを使いこなすハードルがやや高い分、死に辛くなっているのも特徴。
残機制に加えて、稼ぎやアイテムで
シールドがモリモリ増えていくので簡単にはやられない。
シールドが無い状態でミスすると2機、1機と減っていきゲームオーバー。
3機が基本なので機体が減った状態だと不利なんだけど、
1機の時だけゲージを消費しての緊急回避が可能なので、
ギリギリの状態でも粘れるようになっている。
しばらく戦ってると機体が復活するアイテムを持ったザコが飛んでくることもあり、
立て直しが非常にしやすい仕様だ。
アーケードシューティングというよりアクションゲームに近い感覚で、
2Dシューティング慣れてない人でも遊びやすくて良いところ。
難易度はアーケードのシューティングに比べれば大分低いと思うし、
到達したところからのステージセレクトやイージーモードもちゃんとあるぞ。
逆に最高難易度にすると被弾ペナルティが厳しくなり、
フォーメーション攻撃を安定して出すのが一気に難しくなるから手強い。
やり込みゲーマー向けの調整だ。
ステージも複数のボスや複雑な地形が盛り込まれていて濃い。
それでいて長すぎるということも無く、
フォーメーション攻撃を使いこなすとどんどんテンポアップしていくのが楽しい。
『テラクレスタ』『ムーンクレスタ』のオマージュもばっちりで、
そちらを遊んでると「おっ!」となる演出やBGMがあちこちに盛り込まれている。
「あのよく分からん恐竜じゃねーか!」とか。
古代祐三によるBGMも見事。
FM音源版『テラクレスタ』を思わせる高音の気持ち良い伸びっぷりと、
要所での緊張感あるサウンドがたまらない。
これが強化された古代祐三の実力か……!
本作は全7ステージ構成のミッションモードがメインで、
条件を満たすとスコアアタック用のキャラバンモードなどが出現する構成。
そして1100円のドラマティックDLCを購入することで、
「ドラマティックモード」も楽しめる。
基本的なステージ構成は一緒だが、フルボイスのストーリーが展開される。
神谷英樹がシナリオ担当だけあってプラチナゲームズらしい……。
というかノリが完全に『The Wonderful 101』!
カッコつける主人公をいちいち煽るデブとか、
仮面の黒いライバルがこちらと同じ力を使ってくるとか見覚えあるぞ!
昭和アニメ感あるコテコテの悪役や、
王道展開を詰め込んだ展開、シリーズ作品ネタなど盛り沢山で、
最後まで楽しかった。
ただ、途中で会話が挟まれる関係でややテンポが悪いのは気になった点。
長セリフで間が持たないので、
とりあえずザコ敵をダラダラ出現させる箇所があったりね。
なので、まずドラマティックDLCをイージーで1周して、シナリオを把握し、
それから本編であるミッションモードに行くのが俺のオススメだ。
ミッションモードクリア後に解禁されるギャラリーモードでは、
キャラや機体に対する新解釈の解説がギッシリ。
『テラクレスタII マンドラーの逆襲』の敵メカデザインが過去作と違うところを、
地球軍の目線から考察されていたり、
没作品でメインビジュアルが『テラクレスタ』に流用された『コンステラ』を、
秘匿部隊という扱いで設定に組み込んだり、
シミュレーターという扱いで『テラクレスタ3D』もちゃんと出てきたり、
良い意味でオタクっぽい作りなのが読んでて楽しい。
昔のゲームのフワッとした設定を、現代目線で補強するの好きなんだよぁ。
他に気になった点だとちょっと背景が見辛く、慣れるまで地形攻撃を避け辛い点と、
ラストの初見殺しっぷりが結構キツいところ。
やり方があるのは分かるんだがそれでもキツい!
合体してる状態でも地形にぶつかると一撃死という仕様が、
終盤にかけて重くなっていく。
俺がプレイしたのはPS4版で問題なかったんだけど、
Switch版はフレームレートが低いという報告が多数されているので注意が必要だ。
今後アプデされるのかな?
荒々しいフィルターが掛かったようなグラフィックも好み分かれそうだけど、
過去シリーズのメカが浮かないようにしてるのだろうという受け止め方で
個人的には気にならなかった。
本作を昔のアーケードシューティングの延長と捉えるか、
プラチナゲームズのコンシューマ新作と捉えるかで評価は分かれそうだが、
俺は3Dアクション的な視点で作られた
新しい2Dシューティングとして非常に楽しめた!
やればやるほど自分の上達がハッキリ分かる良作だ。
個人開発やインディーではなく、企業が出すシューティングで
これだけ熱量のある新作が出てきたのが凄く嬉しかったね。
ネオ・クラシックアーケード、今後も期待してます!